福岡朝鮮初級学校の子ども達にお芝居を届けたい

子どもたちへのプレゼント

　クラウドファンディングは、私にとって初めての経験で、「拡散しましょう」と言われ、どこにどのように？と手探りでスタートしました。7月5日にスタートして今日で14日目になります。皆さんの温かい御支援が、ファーストゴールの90％に達しましたが、私は、もっともっと多くの方々に福岡朝鮮初級学校の歴史や実情や学校での子どもたちの学びなどを知っていただき、支え合っていく関係が築けたらと思います。もっともっと大きな輪になるように宜しくお願い致します。

 

　私は、10月20日の「カンアジトン（こいぬのうんち）」のお芝居を、雨漏りのする体育館を心配することなく、笑いながら安心して楽しめる環境で観てもらいたい。そんな当たり前の願いで、この活動に参加しています。老朽化の進む学校ですが、学んでいる子どもたちにとっては、一人一人が大事にされる自慢の「ウリハッキョ（私たちの学校）」なのです。

 

 

子どもを大切にする国・しない国

　私が所属する福岡県保育センターでは、毎年「福岡県子育て保育のつどい」を開催しています。今年はリモートでの開催になりましたが、保育者、保護者、研究者、教師などが集まって、子どもたちの育ちを守る為に、公的保育制度の拡充、保育内容、保護者の手つなぎなどの分科会やシンポジウムを重ねてきました。記念講演では、時機にあった講師に講演をお願いしています。

　2007年2月の講師は、浅井春夫先生でした。

　先生は、2006年に「子どもを大切にする国・しない国　－子育てのなかのしあわせの格差を考える－」を出版されています。以下、冒頭からの文章を引用し、紹介したいと思います。福岡朝鮮学校への犯罪ともいえる執拗な嫌がらせの裏にある、日本の国のあり様が見えてきます。

 

　　　　　　　第1章　子どもを大切にする国への道を阻むもの

　　　　　　　－新自由主義がもたらす人間不在の子育て政策－

　　　　　　

＜はじめに－「人間・子どもを大切にする」ということ＞

　現在の子どもの生活を見つめてみますと、すでに子ども期においても「しあわせ格差」が広がっています。・・・・で始まります。

 

「子どもの貧困」を三つの視点から整理しましょう

 

①経済社会における「勝ち組」「負け組」の二極分化社会が子どもの生活を直撃し、基礎的生活の貧困状態が広がりつつある。

 

②人間関係の貧困という視角からみる。サンマ（三間：仲間・時間・空間）が子どもの生活から奪われている。子どもの生活における人間関係の希薄化が、子どもをめぐる問題発生の根源となっている。

 

③「しあわせ格差」の広がり。子ども自身が自らの生活でしあわせ感を抱いていない。「子どもの希望の格差」へとつながっている。

 

子どもを守る

 

　ここ十数年、保育・福祉の現場では、新自由主義のもと、公的責任よりも市場原理の優位性が強調され、「例外なき規制緩和」や競争原理の導入が推進されてきました。弱肉強食のシステムが福祉分野にまで貫徹されています。

　子どもたちが育つ場を守る為、保育者が働きやすい職場にする為、保護者が子どもを預けて安心して働けるよう、毎年毎年、国会に、自治体に署名を提出してたたかっています。

 

　福岡朝鮮初級学校への僅かな補助金も、福岡市の高島市長はゼロにしました。学校は市から求められた書類を提出したにもかかわらずです。「アジアのリーダー都市」が売りといいながら、多様性を認め合う国際社会の流れに逆行する有様は、福岡市民としてとても恥ずかしいと思います。

　これからも、朝鮮学校や在日コリアンの子どもたちを取り巻く社会の実態を多くの方に知っていただき、あきらめずに声を上げていこうと思います。

　

　　　　　　　　　　　　　　　嶽村久美子が担当しました