感染症に特化した薬局を作りたい

支援総額

3,323,000

目標金額 3,000,000円

支援者
180人
募集終了日
2021年8月16日

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プロジェクト本文

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▼自己紹介

 名古屋の調剤薬局で薬剤師をしている株式会社グラムスキーの瀧藤重道です。

私は、感染症発症時の抗生物質の使い方に興味があり2013年から「グラム染色」という検査を利用して細菌を推定し適切な抗生物質処方を医師へ提案する取り組みを行っています。特に在宅医療現場での感染症治療に力を尽くしてきました。

グラム染色をしている様子です

 

 

▼プロジェクトを立ち上げたきっかけ

 新型コロナウイルス感染症の流行により、感染症治療のみではなく感染対策の重要性を認識しました。

 調剤薬局が担うべき感染対策は3つあります。

①患者さんへ薬局内で感染症を起こさせない。

②薬局職員が感染症患者さんから感染しない。

③正しい感染症対策の情報を一般の方へ提供する。

 これらを実行する為には、薬剤師の知識はもちろんですが、薬局の構造的な問題を解決する必要があります。今まで多くの薬局は感染症対策に力を入れてきませんでした。何故なら消毒用エタノールなどの消毒薬やマスク、フェイスシールドなどの個人防護具、陰圧室の設置などの感染症対策はお金がかかります。また、待合室はそれほど広く作られておらず隔離することは困難です。

 このような状況を解決できる感染対策を専門とした薬局を作る必要があると強く思うようになりました。

 

▼プロジェクトの内容

①個室での対応

 待合室に感染症の患者さんが待機することは患者さん同士、職員への感染が広がる危険があります。新しい取り組みとして、来局後感染症の有無に関わらず個室へ案内し、お薬のお渡しから会計まで全て完結する流れを実現します。それは、感染対策のみならず今まであまり実施されてこなかったプライバシーの保護にも有効です。

 

②空気の流れのデザイン

 主に新型コロナウイルス感染症対策として患者さん同士や職員が被爆しないようにする換気システムが必要になります。換気扇を各個室に設置して患者さんと接する環境の改善を図ります。 

【図:空気の流れイメージ】

空気の流れイメージ

③感染性疾患用個室の確保

 感染症が疑われる患者さんとそうでない患者さんを分けます。受付にてトリアージしてすぐに専用の待合室、個室へ案内することで他の患者さんや職員への感染を防ぎます。

 

④オンライン服薬指導システムの導入

 感染症対策として医師のオンライン診療を受けた患者さんがオンライン服薬指導を利用することで接触機会を減らすことが出来ます。

 

⑤オンライン診療、漢方相談の案内

 ITツールが使いこなせず、医師の電話診療やオンライン診療の利用方法が分からない方も多くいらっしゃいます。そのような方に対しては来局して頂き、個室で薬剤師が医師のオンライン診療につなぐサポートをします。発行された処方箋の薬はその場で渡すことで感染対策のとられた空間で診察から薬のお渡しまで完結させることが可能です。

 また、受診する医療機関がわからない患者さんには、オンライン診療可能な医師を紹介したり、漢方を使用したほうが良いと薬剤師が思う場合は、漢方専門薬局へのオンライン漢方相談につなぐことを実施します。その際に薬剤師が同席し、患者さんの症状を伝えるサポートや医師の治療意図を共有し、適切な薬物治療の提案もします。この取り組みには下記のメリットがあります。

 1.患者さんが自分で病院を探して受診する手間がなくなる。

 2.オンライン診療、漢方相談に薬剤師が同席することで患者さんが医師と薬剤師に同じ話を

   する必要がなくなり、3者間の認識間違いもなくなる。

 3.より良い薬を処方してもらうことが可能になる。

【図:個室のイメージ】

⑥清掃、消毒が容易な構造

 薬局では患者さんが嘔吐した際、次亜塩素酸ナトリウムで消毒をします。床の材質に耐薬品性に優れた単層塩化ビニル長尺シートを採用して溶接施工することで清潔な環境を維持できるようにします。

 

⑦抗生物質適正使用の為のグラム染色スペースの確保

 現在、感染症対策が注目されていますが、感染症の他の問題に抗生物質の使い過ぎによる薬剤耐性菌があります。薬剤耐性菌とは、抗生物質の使用に伴って細菌が変化し、特定の種類の抗生物質が効きにくくなる、または効かなくなることです。薬剤耐性によって世界では年間およそ70万人が死亡しています。このまま何の対策も講じなければ、2050年には1000万人が死亡すると予想され、がんの死亡者数を上回ります。必要な時に必要な種類の抗生物質を使用する事が重要と言われております。

 私は2013年からグラム染色という細菌検査を用いて尿や痰、鼻水、目脂などを染色して感染症を起こしている細菌を推定することで医師へその細菌に合った抗生物質を提案するという取り組みを行ってきました。これは医療関係のメディアや中日新聞に取り上げてもらいました。

 しかしながらコロナウイルスの感染拡大に伴い検体からの被爆を避けるために現在はほとんど実施しておりません。そこで、グラム染色を安全に行うために病原体検査用陰圧Box「DANTECT for Pt / Pt Plus」1)という作業者が検体から感染しない設備を導入します。 1)https://www.koken-ltd.co.jp/infection_prevention/medical/dantect_for_pt.html

《参考:グラム染色とは》

 痰や尿などを試薬を用いて染色することで感染症を起こしている細菌を推定する検査です。

メリット

 5-10分で結果が分かり、抗生物質の選択や治療効果の判定に利用できます。

デメリット

 菌の数が少ない場合や、結核菌やマイコプラズマなどは検出できません。

 手技の熟練度が精度に影響します。

【表:グラム染色の感度、特異度】

          感度と特異度からひもとく感染症診療のDecision Making より

【図:痰から推定したモラキセラ・カタラーリス】

【図:尿から推定した大腸菌】

 

 

⑧風邪のセルフメディケーションでの煎じ漢方販売

 一般の方にはまだあまり知られておりませんが、風邪は症状が2日から14日以上持続しますが風邪は自分で治せる病気です2)。治療は基本的には十分な休養と栄養の取れた食事になります。漢方薬をうまく使うことで早く治療することが可能です。漢方薬は煎じ薬といって生薬をお湯で煮出して成分を抽出して飲むことが特に有効ですが市販はあまりされておりません。当薬局では「タキザワ漢方廠」3)のパックされた漢方を採用し、効果の高い漢方で風邪のセルフメディケーションを後押しします。 

2)Kirkpatrick GL. The common cold. Prim Care. 1996 Dec;23(4):657-75. doi: 10.1016/s0095-4543(05)70355-9. PMID: 8890137; PMCID: PMC7125839.

3)https://www.takizawa.asia/chinese_medicine/

 

⑨海外渡航者への感染対策商品の販売

 コロナウイルスの影響で海外渡航が減少していますが、海外渡航には感染症の危険があります。特に蚊に刺されることによって感染するマラリア、デング熱、ジカ熱などはワクチンでは回避できないために虫除けを使用する必要があります。日本では1年中虫除け商品を販売しているところは少なく、海外渡航の感染症対策としての虫除けの専門的なアドバイスをできる施設はほとんどありません。また、世界で推奨されているペルメトリンという虫除け薬品を染み込ませた衣類も日本ではあまり浸透しておらず一般的な虫除けスプレーとの違いを説明して販売する必要があります。

 また、トラベルワクチン接種を行っている名鉄病院、金山ファミリークリニック、藤が丘オーキッドクリニックと連携し、虫除けが必要な地域へ渡航する方に当薬局を紹介してもらえるようにします。

 

⑩薬局から外部へ情報発信ツールとしてのデジタルサイネージの設置

 コロナウイルス感染症によって、生活の質の維持・向上のために健康や医療に関する情報を活用する能力としての「ヘルスリテラシー」が不足していることが問題となっております。インターネットやSNSなどで様々な情報に簡単にアクセスできる反面、それが正しい情報か分からないまま鵜呑みにしてしまう行動が多々見られました。例えば、あまり有効ではないとされている次亜塩素酸水や空間除菌の流行です。薬局は正しい医療情報の発信を担う施設です。そこで外壁にデジタルサイネージを設置し、通行者に向けて信頼できる情報を発信します。

 

⑪郵送検査キットの販売

 感染症の早期発見のために、HIV、B型肝炎、C型肝炎、梅毒、クラミジア、淋菌などの検査を患者さんご自身で自宅にて血液、尿などを採取して郵送することで検査ができるようにします。なかなか病院に行けない方が検査を受けやすくなることを目指しています。

 

▼プロジェクトの展望・ビジョン

 感染症対策を整えた薬局のスタンダードモデルを築き、その必要性を発信したいです。2002年に重症急性呼吸器症候群(SARS)、2012年に中等呼吸器症候群(MERS)、などが流行しました。コロナウイルスはワクチンの普及により収束を迎えるかもしれませんが、今後も新たな感染症が突然起こるはずです。また、もともと冬にはインフルエンザやノロウイルスなどの感染症が流行します。多くの感染症に対応できる構造、知識、医薬品を備えた薬局を作ります。

 

 

「グラムスキー薬局」

建設完了予定日:2021年9月31日

オープン予定日:2021年10月1日

場所:愛知県名古屋市東区山口町16-16

 

事業内容:処方箋調剤、風邪のセルフメディケーション、オンライン服薬指導、

     トラベルファーマシー、グラム染色を利用した起炎菌推定による抗菌薬処方提案、

     感染対策商品の販売、アンチドーピング情報提供、郵送検査の販売(感染症)

 

支援金の使用内訳

・物件(保証金、仲介手数料)   492,000円

・建築工事            8,000,000円

    (内:隔離用個室 3,000,000円)

・設備工事            2,000,000円

    (内:隔離用個室に関わる空調換気システム 1,000,000円)

・デジタルサイネージ       1,000,000円

・オンライン服薬指導システム導入 200,000円

・ホームページ作成、広告宣伝費  200,000円

・READYFOR手数料        396,000円

・建築設計料           1,000,000円

 

【図:ブラッシュアップ中の店舗イメージ】

 

瀧藤重道について

略歴

2006年     名城大学薬学部卒業

2006年~2009年 医療法人東恵会星ヶ丘マタニティ病院  勤務

2009年     株式会社ファーマアシスト このみ薬局 現在に至る

2010年4月   このみ薬局 管理薬剤師 就任

2011年     日本バレーボール協会アンチ・ドーピング委員会 就任

2015年4月   社会福祉法人やすらぎの郷 オアシスこども園 学校薬剤師 就任

2017年1月   株式会社ファーマアシスト 取締役 就任

2018年4月   名古屋市立第一幼稚園 学校薬剤師 就任

2019年4月   エリアマネージャー 就任

2019年6月   名古屋市薬剤師会理事 就任

2019年6月   東区薬剤師会 生涯研修担当 就任

2020年11月24日 中日新聞で「適切な抗菌薬 薬剤師が提案」として掲載

2021年5月 公益財団法人日本化学療法学会「外来抗感染症薬適正使用認定薬剤師制度検討委員会委員」 就任

 

活動参考HP

○中日新聞電子版

 https://www.chunichi.co.jp/article/159286

○一般社団法人薬局支援協会 みんなで選ぶ薬局アワード 発表レポート

 http://ph-support.jp/product/%E6%9C%80%E5%84%AA%E7%A7%80%E8%B3%9E%E2%98%86%E3%81%93%E3%81%AE%E3%81%BF%E8%96%AC%E5%B1%80%E5%A4%A7%E6%9B%BD%E6%A0%B9%E5%BA%97%E3%81%AE%E7%99%BA%E8%A1%A8%E3%83%AC%E3%83%9D%E3%83%BC%E3%83%88/

○ファーマシストライフ働き方研究所 【前編】薬局薬剤師の本当の仕事って何ですか?- 薬局アワード対談

 https://www.onenationworkingtogether.org/58234

○ファーマシストライフ働き方研究所 【後編】薬局薬剤師の本当の仕事って何ですか?- 薬局アワード対談

 https://www.onenationworkingtogether.org/58235

○杏林シンポジア

   https://www.kyorin-pharm.co.jp/prodinfo/useful/doctorsalon/upload_docs/190363-2-51.pdf   

 

論文

Takito S et al., Pharmacist-supported antimicrobial stewardship in a retirement home, J Infect Chemother, https://doi.org/10.1016/j.jiac.2020.04.008

 


【プロジェクト終了要項】

●オープン完了予定日    
2021年10月1日

●建築・改修場所    
愛知県名古屋市東区山口町16-16

●建築・改修後の用途    
感染症対策を整えた薬局の設立

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プロフィール

 名古屋の調剤薬局で薬剤師をしている瀧藤重道です。 私は、感染症発症時の抗生物質の使い方に興味があり2013年から「グラム染色」という検査を利用して細菌を推定し適切な抗生物質処方を医師へ提案する取り組みを行っています。特に在宅医療現場での感染症治療に力を尽くしてきました。 この度、感染症に力を入れた薬局を作ります! ご支援いただけましたら幸いです。

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リターン

3,000


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【A】感染症薬局を作る!

●支援のお礼のサンクスメール

申込数
51
在庫数
制限なし
発送完了予定月
2021年10月

10,000


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【B】感染症薬局を作る!

●支援のお礼のサンクスメール
●活動報告メール

申込数
91
在庫数
制限なし
発送完了予定月
2021年10月

3,000


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【A】感染症薬局を作る!

●支援のお礼のサンクスメール

申込数
51
在庫数
制限なし
発送完了予定月
2021年10月

10,000


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【B】感染症薬局を作る!

●支援のお礼のサンクスメール
●活動報告メール

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91
在庫数
制限なし
発送完了予定月
2021年10月
1 ~ 1/ 7

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 名古屋の調剤薬局で薬剤師をしている瀧藤重道です。 私は、感染症発症時の抗生物質の使い方に興味があり2013年から「グラム染色」という検査を利用して細菌を推定し適切な抗生物質処方を医師へ提案する取り組みを行っています。特に在宅医療現場での感染症治療に力を尽くしてきました。 この度、感染症に力を入れた薬局を作ります! ご支援いただけましたら幸いです。

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