1匹でも多くの命の幸せのために、保護活動を継続していきたい！

プロジェクト達成からしばらくして

里親さんからお電話が入りました。

 

里親さんの元で幸せに過ごしていた興ちゃん（元華子ちゃん）が亡くなったとのことです。

高熱が出て病院に行ったけど、その後急変したそうです。

 

短い命でしたが、大好きな里親さんと出会って

幸せだったと思います。

 

興ちゃんを偲んで、興ちゃんの思い出話に付き合ってください。

 

華子（興ちゃん）は去年の6月に仲間入りした子です。

華子を保護された方が

里親探しをしながら大切に育てられていたのですが

なかなか里親が見つからないとのことで

バトンタッチしました。

既に9カ月だった華子

ワンコにビビリ、成猫に威嚇され、子猫にちょっかい出され

散々なスタートでしたが

少しずつ自分の居場所を確保していきました。

 

華子はポテチ親分には擦り寄りますが

それ以外の成猫には威嚇しまくっていました。

でも子猫にはとても優しく

子供を産んだこともないのにお母さん代わりをしていました。

ひとみちゃん

としくん

イブちゃん

この3匹はいつも華子のお乳を吸っていました。

華子の写真を見ると

周りにはいつも華子を慕う子猫達がいました。

 

本当はすごい甘えん坊なのに、他の猫に遠慮して

上手に甘えることのできない子でした。

どうしても甘えたい時には

ちょっと離れたところからとてもセクシーな鳴き声で呼ぶんです。

控え目で可愛い子でした。

 

 

華子は今の里親さんの家に行く前に

他の家にお試し入りしていたことがあります。

私はそこで華子にとても辛い思いをさせてしまいました。

 

通常お試し期間は一週間なのですが

その里親候補の方はとても優柔不断な方で

飼うとも返すとも決められなかったので

ついついお試し期間の延長を許してしまいました。

 

華子はとても愛情深い子です。

この人が飼い主だと思ったら、全身で愛情表現をします。

特に日中留守にする時間の長い方だったので

その方が帰宅すると、ずっとおしゃべりをしてつきまとったそうです。

猫飼いにはたまらないシチュエーションなのですが

その方にとっては、重たく感じたようです。

 

3度目の延長を申し出られた時に

「前向きな気持ちであればいいけど、こちらに遠慮してるのであれば

　気にしなくてもいいので、返してください」

と伝えたのですが

「前向きに飼いたいと思っているけど、決断ができない」と言われ

そんな会話が幾度となく続き

1カ月半経って「やっぱり返します」と言って返されました。

 

帰ってきてからの華子は

一番最初にうちに来た時より

何倍も怯えて、何倍も気が立っていました。

それは悲しさの裏返しのよう感じました。

 

私がお試し期間の延長を許さなければ

ここまで傷つけることはありませんでした。

 

ほごっこ達は今の家（ほごっこＣＡＦＥ）が

仮の家であることを知っています。

だから新しい家に行くと

数日かけてそこが自分の家であることを認識します。

1週間程度であれば、まだ自分の家だと認識しない内に

返されるので傷も浅いですが

さすがに1か月半ともなれば、完全にそこが自分の家だと

思ってしまっているので、

きっと捨てられた感覚になるのだと思います。

 

華子は、いたずらにお試し期間を延長することが

どれだけ猫にとって残酷なことかを教えてくれました。

 

里親さんが迎えに来てくれるのを待つ数日

少しずつ傷が癒えて元の華子に戻るのに数日

 

そんなこんなで1か月がすぎた時

「是非とも華子を家族に迎え入れたい」と

言われる方が現れました。

華子の心の傷も理解してくださる方で

今度こそ幸せになって欲しいという思いで

その方に託しました。

 

華子は興ちゃんという名前をもらって

正式に家族として迎え入れてもらえることができました。

 

興ちゃんの深すぎる愛情表現で

ご家族を悩ませたこともありましたが

ご家族はその都度真剣に考えて

時には相談されたりして

興ちゃんとしっかり向き合ってくださいました。

 

2カ月ほど前に興ちゃんを連れて遊びに来てくださったのですが

その時の興ちゃんはとても穏やかな顔をしていて

里親さんのことが大好きというのを感じました。

 

興ちゃんとの突然の別れは、とても辛いものだと思います。

でも愛情深い興ちゃんは、ご家族のためにきっと何かを

残してくれているはずです。

 

興ちゃん、たくさんの愛をありがとう。

大好きだよ。