このプロジェクトでは継続的な支援を募集しています
国立科学博物館マンスリーサポーター|地球の宝を守りつづける
マンスリーサポーター総計
応援コメント
【はじめにお読みください】真鍋コレクションディレクターが考える「地球の宝」とは?
総額916,025,000円、支援者56,584人。
昨年「かはく史上最大の挑戦」と銘打って実施したクラウドファンディングは、金額・支援者数ともに国内クラウドファンディングの最高記録を更新いたしました。
これも皆さまからの期待と激励の表れと、職員一同身の引き締まる思いです。
現在、残りの返礼品の準備を鋭意進めております。
4月中には発送できる見込みですので、今しばらくお待ちいただけますと幸いです。
さて、今回のプロジェクトで、多くの賛同の声をお寄せいただいた「地球の宝を守れ」というメッセージ。
このメッセージに込めた想いと、これからのかはくのビジョンについて、副館長 / コレクションディレクターの真鍋にロングインタビューを敢行いたしました。
後半に「大事なお知らせ」もありますので、ぜひ最後までご覧ください!
展示されているコレクションは全体の◯%以下
ー はじめに、国立科学博物館の成り立ちを教えていただけますか?
1877年に創立されて、2027年に150周年を迎えます。当時は、西洋文化を取り入れて文明開化を進めるための国民の教育機関という位置付けで「教育博物館」という名前でした。ちょうど100年前に関東大震災があって、大部分のコレクションが焼けてなくなってしまうということもありました。
ー 100年前に、コレクションが一度リセットされてしまったと…。
そうなんです。それから第二次世界大戦の時は、空襲を受けるだろうということで標本を疎開させました。いろんなピンチがありながら、今日に至るんです。ちなみに「国立」とつく自然史の博物館は、全国で当館だけです。
ー 現在はどのようなコレクションが保管されていますか?
調査研究が済んで登録番号がついているものだけで500万点あります。それだけでなく、まだ番号がついていない整理中のものも山ほどあるので、実際にはもっとたくさんの標本・資料を抱えています。さらに、今も毎年およそ8万点ずつ増え続けているんです。上野の博物館に展示されているのは2万数千点なので、実は全コレクションの1%以下なんですね。
ー 1%以下...!例えば同じ場所で収集された同じ種類の標本がいくつもあった場合、ひとつずつ登録して管理しているのですか?
そうです。ヒトという種を見ても、男性がいて女性がいて、大人がいて子どもがいて、大きさや形が様々です。同じヒトでもアジア、アフリカ、ヨーロッパと地域によって違う人たちがいます。1個体だけ調べても、その種のことは分からないわけです。だから同じ種でも多くの個体を研究しなくてはなりません。
ー 確かに。コレクションはどのように収集しているのでしょう?
メインは研究員による収集です。かはくには現在62名の研究員がいますが、それぞれが研究テーマに沿って調査に行って集めています。それから、寄贈もあります。大学の研究室から譲り受けたり、一般の方からも「収集家だった祖父の形見を引き継いでくれないか」など問い合わせをいただくこともあります。
また、2011年に東日本大震災がありましたよね。あの時、東北地方の博物館は大きな被害を受けて。僕もボランティアで通って、被災した標本・資料の修復をしたりしながら、かはくでお預かりしたものもありました。コレクションのレスキューと呼ばれる活動ですね。
ー コレクションの受け入れ先の不足、という問題もあるんですね。コレクションを守る上ではどんなところが課題ですか?
まずは、広大なスペースが必要になることです。例えば、クジラの骨や恐竜の化石は大きくて重いので、そういったものを保管するとなると、相応のスペースが必要になります。それから、保管場所の空調が重要です。例えば、植物の押し葉標本は、気温18℃・湿度50%をキープしないと劣化してしまう確率が高くなります。動物の剥製も、18℃から23℃の間、湿度50%に保たないと表面がひび割れてしまったりします。定期的に害虫駆除も必要不可欠です。場所の確保と温度湿度の管理に、膨大なコストがかかるわけです。せっかく100年以上も歴代の研究者が集めて積み上げてきたコレクションなので、末永く継承されるようにしていかなくちゃいけないですが、大変ですよね。
ー 保管と言っても、単に置いておけばいいわけではないんですね。
はい。地球も温暖化していて、去年の夏も記録的に暑かったですよね。こうなってくると、昔は大丈夫だったものが、どんどん難しくなってくる、保管・継承のハードルが上がっているんです。だからといって簡単には諦められないので、今後も責任持って対応していかなくちゃなりません。
つくば市にある収蔵庫の様子
たった100年では、気付けないこともある
ー 素朴な疑問ですが、そもそもコレクションはどれぐらいの期間残すつもりで保管されているのでしょう?
どれをいつまで保管しなければいけないかは、誰にも決められないんです。人間がつくったものだったら、人間の時間軸で判断することが出来るかもしれません。有史時代はたかだか数千年ですが、地球の46億年の歴史の中で生物は40億年以上途絶えることなく、栄枯盛衰を繰り返してきました。だから、まだまだ分かっていないことの方が多いんですよね。今はどこにでもいるものだから、まだ博物館で保管しなくてもいいだろうと思っていたら、姿や形が変わっていたり、生息地や生態が変わっていたり、気がついたら絶滅していた、というようなことがたくさんあるんです。大切なのは、次世代に継承していくことによって、私たちが気づかなかったことを、私たちが解明できなかったことを、標本や資料やデータとともに未来の人類に託すことなんだと思います。
ー 人間の時間軸で判断できることではない、と。
僕は恐竜が専門ですが、6600万年前の鳥類以外の恐竜絶滅と現代の生態系を比べると、今静かに緩やかに種の多様性がどんどん失われていて、それは6600万年前の第五の大量絶滅よりも深刻な状態になっていくのではないかと考えられています。100年くらいのひとりの人生のスパンで見ていると気が付かないんだけども、大きな流れに気が付くにはもっと長い時間軸と照らし合わせることが必要です。
ー どのコレクションも、ゆくゆく「地球の宝」になる可能性を秘めているんですね。
そうなんです。昨年、筑波に新しい収蔵庫が建ったのですが、昨今の建材費や人件費などの高騰で、想定を遥かに上回るお金がかかることになってしまいました。今、予算が逼迫していない組織なんて、ほとんどないのではないでしょうか。何が重要で、何を優先すべきなのか、現代の私たちがいくら議論してもその選択が正しいという確証を得るのは難しいでしょう。だからこそ、未来の研究者、さらには一般の人たちに、出来るだけ多くの新しい発見の種のようなものを、リレーするように託す意識が大切なんだと思います。
新たな収蔵庫の中はまだがらんどうで、これからここがたくさんの標本・資料で満たされていく
「わかった」という喜びの瞬間のために
ー そんなコレクションを支えているのが研究員の方たちだと思いますが、どのような活動をしているのでしょう?
まずは、やっぱり調査と研究です。これは他の分野の研究者と同じで、基本の「き」です。ただ、博物館の研究員が他とちがうのは「一般の方たちに広く伝える」という役割があるところです。博物館の展示を通してコレクションや研究成果を幅広い方々と共有することができます。博物館を通して、新しい興味や関心に出会っていただくためには、専門知識がなくても「もっと知りたい」と思っていただけるように展示する、この「科学をコミュニケーションする」ことが大切な仕事です。
ー コレクションを通じて、科学の輪が広がっていくような。
そうですね。今の世の中、いろんな分野で後継者不足と言われているのですけど、研究も同じです。研究って、地味だったり、外から見えにくかったりするのですが、研究したいという人たちが「絶滅」しないで、「発展」することが人類にとっても大切です。標本・資料だけじゃなくて、それに関心を持つ人たち。それを一生懸命研究してくれる人たち。そういう次世代を絶やさないようにするっていうことを、地道にやっていかなくてはならないんです。だから、生物進化と同じように、人の興味関心、気持ちも途絶えさせることなく続けていくことですよね。
ー 地球の宝を“守る人を守る”という側面もあるんですね。
そうなんです。こういうと、なんとなく「僕たちの職業がなくならないでほしい」とか「博物館が潰れないでほしい」みたいに聞こえるかも知れないけど、そういう話ではありません。本当の専門家だけじゃなくて、周りにもっと知りたいと思う人たちがいて、その輪が、学問はもとより社会全体を育てていくと思うんです。そのような動きの中で、点と点が線になって、線と線が交わり面に広がっていきます。そこにはたくさんの気づきや、「わかった」という喜びの瞬間が生まれるんだと思うんです。だから、そういう可能性というものを失わないように、みんなで「地球をもっと知りたい、分かりたい」っていう気持ちを育てていきたいですよね。
ー そういう意味では、今回のクラウドファンディングはゴールではなくスタートですね。
はい。今回、5万人を超える方々にご支援をいただいて、実は僕らが一番驚いているんです。同時に、勇気づけられたし、責任も感じました。クラウドファンディングをやらなかったら、これだけたくさんの人が科学と博物館に関心を寄せて下さっていると実感できなかったと思うんですよね。皆さんの想いに応えるためには、やっぱり、かはくが魅力的な博物館であり続けて、僕ら研究員が科学を少しでも前進させるとともに、科学をもっと広くコミュニケーションしなければいけないと思っています。
ー 今回のプロジェクトでつながった全員が「地球の宝を守る仲間」なのですね。
いただいたコメントの中には、「親子四世代でかはくを楽しんでいます」という方もいらっしゃいました。今まで100年以上積み重ねてきたように、ちゃんと一歩一歩進んでいけば、きっとそれが未来につながると思うので、末永くお付き合いいただけると嬉しいです。僕がよく申し上げるのが「生き物たちに国境がないように、科学を知りたいという気持ちにも国境がない」ということです。だから、自然科学への関心で、世界中の人びとは通じ合えると思うんです。かはくに限らず、日本中、世界中に博物館はあります。みんなが自然科学に興味を持って、その興味でもっとつながっていけるといいなと思います。皆さんと守っていくのは、「かはくの宝」ではなく、「地球の宝」なので。
皆さまからの多大なるご支援のお陰で、かはくは当面の危機を乗り越えることができます。改めて心より感謝申し上げます。
一方で、かはくの活動に終わりはありません。
標本・資料や活動成果の継承をより確実なものとするため、一層の自助努力に加え、「仲間集め」も継続したいと思います。
今回生まれたたくさんのご縁を未来へ繋いでいくために、継続的な支援の窓口を用意いたしました。
<ポイント>
① 月1,000円からご支援いただけます。税制優遇もございます。
② 研究員やコレクションに関する限定特典をご用意しています。
③ 今回クラファンにご参加いただいた方は、追加のアカウント登録不要です。
皆さまのご参加を、心よりお待ち申し上げます。
コース
3,000円 / 月
【スタンダード】毎月3,000円コース
●寄付領収証(電子メールでお送りします)
●【特別連載】研究者インタビュー 閲覧権
●年1回のオンラインパーティーご招待
●【動画版】研究者インタビュー 視聴権
●オンラインパーティー見逃し視聴権
●【拡大版】かはくメールマガジン閲覧権
※詳細やご注意事項については、概要ページの「◆各返礼のご紹介」を必ずご確認ください。
1,000円 / 月
毎月1,000円コース
●寄付領収証(電子メールでお送りします)
●【特別連載】研究者インタビュー 閲覧権
●年1回のオンラインパーティーご招待
※詳細やご注意事項については、概要ページの「◆各返礼のご紹介」を必ずご確認ください。
5,000円 / 月
毎月5,000円コース
●寄付領収証(電子メールでお送りします)
●【特別連載】研究者インタビュー 閲覧権
●年1回のオンラインパーティーご招待
●【動画版】研究者インタビュー 視聴権
●オンラインパーティー見逃し視聴権
●【拡大版】かはくメールマガジン閲覧権
●直接質問も!研究者インタビュー参加権
●オンラインパーティー特別 二次会参加権
●かはく館内で実施されたディスカバリートークアーカイブ閲覧権
※詳細やご注意事項については、概要ページの「◆各返礼のご紹介」を必ずご確認ください。
10,000円 / 月
毎月10,000円コース
●寄付領収証(電子メールでお送りします)
●【特別連載】研究者インタビュー 閲覧権
●年1回のオンラインパーティーご招待
●【動画版】研究者インタビュー 視聴権
●オンラインパーティー見逃し視聴権
●【拡大版】かはくメールマガジン閲覧権
●直接質問も!研究者インタビュー参加権
●オンラインパーティー特別 二次会参加権
●かはく館内で実施されたディスカバリートークアーカイブ閲覧権
※返礼内容は、5,000円/月コースと同じです。
※詳細やご注意事項については、概要ページの「◆各返礼のご紹介」を必ずご確認ください。
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