<上棟の日 近所の子供たちが集まってきた>

 

    談話室の建設に当たり、大勢のみなさまからご支援いただけると共に、仮設住宅地に建てた平屋の小さな木造の建物の話を、より多くの方々に知っていただける機会ともなり、大変嬉しく、また有難く思っております。

 

   談話室を建てた大工、白根工務店の白根伸浩と申します。このような形で支援を呼び掛けていただき、そして実際にご協力をいただき、感謝いたしております。

 

 談話室の建物の建設工事は3月末から4月にかけておこないました。建てた時の思い出を振り返りつつ、プロジェクトの様子を皆様にお伝えしたいと思います。

 

 どんな大工が建てたのか? 白根工務店は、埼玉県熊谷市で先祖代々家業を受け継いできた大工です。熊谷というと近頃は日本一暑い記録を持つ町で、夏場の最高気温でよく見る地名で、そんな灼熱の地で手刻みの仕事をしている工務店です。

 

                                      <柱に墨付けをする大工棟梁>

 

 最近の木造住宅は、木造といってもプレカットと呼ばれる機械加工で、柱や梁を金物で固定する方法が主流となっており建物に個性がなくなっています。

 

 個性的な家を昔ながらのやり方で建てればいいじゃないか、と思うのですが、これがなかなか簡単には出来ません。何故か?

 

それは今の法律の「建築基準法」に昔ながらの家の建て方が載っていないからです。

 

先祖や先達が長年受け継いできた伝統構法で家を建てるルールが無いのです。

 

  伝統構法による家造りがすたれると、大工の技術を始め、左官や瓦屋、木製建具屋などの職種の技術も衰えます。大工道具を仕立てる鍛冶屋や道具屋も消えつつあります。

 

 何かにつけ経済効率が優先される世の中で、法律だけが悪いわけでもありませんが、木造建築や日本文化が見直されつつある昨今、もう少し実際の現場や職人の仕事も見直されるようにならないものかと思ってしまいます。

 

            <上棟式には大勢の方々が集まった。お祝いの紅白の餅を振る舞った>

 

 伝統構法で家が建てられない現状に危機感を持ち、解決するための地道な活動しているのがNPO法人「伝統木構造の会」です。

 

 会長の建築構造家増田一眞をはじめ、建築家、大工、建築に興味のある人々が集い、木造の様々な知識を学び、より多くの人々に木造の良さを広めようと講習会や見学会などを行っています。

 

 今回の「気仙応援プロジェクト」も、伝統木構造の会の会員が中心となって復興支援委員会を立上げ、被災地の人々と交流の中から実践された企画です。

 

次回は、「談話室はどんな建物であるか」を詳しく紹介したいと思います。 

 

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