2頭の犬を捜索犬・セラピー犬に育て、沢山の人達を笑顔にしたい
【プロジェクト終了報告】
たくさんの方々の心温まるご支援のお陰で目標額を達成し、それを資金として活用させていただき、「もみじ」と「三太郎」の2頭は国際救助犬、嘱託警察犬、セラピー犬のライセンスを取得して、目標としていた活動をすることが出来ました。特に「もみじ」は静岡県熱海市の土石流災害の現場にスタッフと共に出動し、行方不明者の捜索活動を展開しました。
今後さらに訓練を継続して技術を向上させ、さらにたくさんの方々に笑顔を届けたいと思います。
【結果報告】
■ 警察犬嘱託審査会に「もみじ」が合格しました(青森市)
《日時》
2020年6月12日 9:00から15:00まで
《場所》
青森市大字新城字天田内130-5 青森県警察学校敷地内
《認定審査合格犬》
・「もみじ(上部写真)」「きろ」「ぶちょお」「ピット」の4頭
《まとめ》
今年も嘱託警察犬認定審査会の「捜索科目」に出場し4頭が合格しました。「そら」と「三太郎」は残念ながら不合格でしたが、さらに練習に励んで来年また挑戦して欲しいと思います。初めてこの認定審査会に出場し、見事合格した「ピット」は今後、さらに実戦的な訓練を行って認知症患者の捜索などで貢献してほしいと思います(岩本良二)。
■ 国際救助犬の研修を2頭が受講しました(長野)
《日時》
2020年6月27日(土)9:30~16:00及び翌日28日(日)9:30~12:00
《場所》
長野県諏訪郡富士見町落合6729 RDTA国際救助犬育成センター
《講師》
NPO法人救助犬訓練士協会 理事長 村瀬英博
《参加者 / 参加犬》
・岩本良二 / もみじ、三太郎
・山口最史 (山口利正) / ぶちょお、そら
《状 況》
「もみじ」の遠隔指示訓練 「三太郎」の捜索訓練
《まとめ》
長旅にも関わらず、犬も人も元気に研修会に参加できました。ご指導くださいました村瀬先生に感謝いたします。来月行われる予定の国際救助犬の認定審査に向けてアクセル全開です(岩本良二)。
■ 高齢の行方不明者の早期発見に貢献した「もみじ」が黒石警察署長から表彰されました(黒石市)
《日時》
2020年7月13日(月)14:00~14:30
《場所》
青森県黒石市北美町2丁目47-1 黒石警察署 署長室
《受賞犬(指導手)》
嘱託警察犬「もみじ」(岩本良二)
《状況》
まとめ
一般に犬による高齢の行方不明者の捜索は、5~6時間経過後の捜索が多く、行方不明者がはるか前方を歩いているのを後ろから追いかけるパターンとなり、犬の集中力が1時間から2時間前後であることを考えると、行方不明者がとどまっている場合を除き、その発見はなかなか困難であると言えます。今回は、犬の進行方向を同行の捜査員が無線で随時、細かに本署に連絡し、警察車両がその情報をもとに先行して検索し発見に至ったものです。警察犬任せにせず、連携した捜索が実を結んだと言えます。高齢の行方不明者の捜索方法を示した好事例だと思います(岩本良二)。
■ セラピー犬の認定試験に「もみじ」が合格しました。(青森市浪岡)
《日 時》
2020年9月21日(月祝)10:00~12:00
《場 所》
青森市浪岡大字樽沢字村元365-4 災害救助犬、嘱託警察犬、セラピー犬の訓練所「イヌヒトくらす」
《状 況》
いろいろな人に触られる試験 車いすの音に対する反応試験
《まとめ》
私たちのセラピー犬の認定試験は、日本動物病院協会(JAHA)のセラピー犬認定試験に準じて行われます。今回は4頭が受験し2頭が合格しました。合格犬は、今後、老人福祉施設、心身障害児施設、児童関係施設などで5回以上の実習を行い、問題がなければセラピー犬の認定書が交付されます(岩本良二)。
■ IRO公認国際救助犬試験を2頭が受験しました(長野県富士見町)
《日 時》
2020年10月30日(金)8:00~15:30
《場 所》
長野県諏訪郡富士見町落合6729 RDTA国際救助犬育成センター
《合格犬(指導手)/受験科目》
・三太郎(岩本良二)/広域捜索試験 前段階
・きろ(三上修悦)/ 広域捜索試験 A段階
《状 況》
向かって左側の黒いのが「三太郎」
《まとめ》
今回、「もみじ」がIRO国際救助犬のA段階試験に不合格となりましたが、適性試験である前段階試験に「三太郎」が合格しました。今後、「もみじ」と「三太郎」がA段階に合格し、当チームとして、複数の救助犬がいつでも災害現場に臨場して要救助者を捜索できる体制を確立すべく、日々訓練を続けていきたいと思います。今まで「災害救助犬」として最後まで一人で頑張ってくれた「イチゴ」、本当にご苦労様でした(岩本良二)。
■ 国際救助犬の訓練会に参加しました(長野県富士見町)
《日 時》
2021年2月27日(土)9:30~16:30 及び28日(日)9:30~12:00
《場 所》
長野県諏訪郡富士見町落合6729 RDTA国際救助犬育成センター
《参加者/参加犬》
岩本良二/もみじ、三太郎
山口最史/ぶちょお、そら
山口利正
《スケジュール》
2月27日(土) 山中での広域捜索訓練
2月28日(日) 服従熟練訓練
《状 況》
「三太郎」の捜索訓練 「もみじ」の捜索訓練
《まとめ》
雪がないのですが、朝から気温が-5度前後で、充分着込んでの訓練でした。村瀬先生が1頭1頭について、現状の問題点を指摘、訓練の仕方の指導をして下さいました。4月の国際救助犬認定試験に向けて、皆で練習しなければと思います(岩本良二)。
■ 国際救助犬の訓練会に参加しました(長野県富士見町)
《日 時》
2021年3月20日(祝土)9:30~16:30 および 3月21日(日)9:30~12:00
《場 所》
長野県諏訪郡富士見町落合6729 RDTA国際救助犬育成センター
《指導者》
NPO法人救助犬訓練士協会 理事長 村瀬 英博 他スタッフ数名
《参加者/参加犬》
岩本良二/もみじ、三太郎
山口最史/ぶちょお、そら
山口利正、中村裕治
《状 況》
捜索開始の「もみじ」 捜索開始の「三太郎」
《まとめ》
4月の国際救助犬認定試験を見据えての訓練会でした。両日とも悪天候で、特に2日目の21日は雨が降り最悪のコンデションでしたが、村瀬先生はじめスタッフの皆さんがずぶぬれで指導してくださいました(岩本良二)。
■ RDTA国際救助試験を受験し、2頭目のIRO国際救助犬が誕生しました(長野県富士見町)
《日 時》
2021年4月10日(土)8:30~15:30
《場 所》
長野県諏訪郡富士見町落合6729 RDTA国際救助犬育成センター
《合格犬/ハンドラー》
・もみじ/岩本良二(広域捜索A段階)~ 初回
・きろ/三上修悦(広域捜索A段階)~ 2度目
向かって右が「もみじ」
《まとめ》
沢山の方々のご支援で、東北に2頭目のIRO国際救助犬『もみじ』が誕生しました。「きろ」に続くべく訓練した成果です。
今後、国際救助犬の適性試験に合格している「ぶちょお」「三太郎」、適性試験を目指す「そら」がこの2頭に続いてほしいと思っています。
また、この2頭もさらに上級のB段階を目指し、訓練に励んで欲しいと思っています。
そして、災害があったとき、一人でも多くの命を救うべく活動ができるように、私たちは体制の整備を急がなくてはと思います(岩本良二)。
■ 嘱託警察犬審査会に「もみじ」と「三太郎」が合格しました(青森市)
《日 時》
2021年6月17日(木)9:00~17:00
《場 所》
青森市大字新城字天田内130-5 青森県警察学校敷地内
《指導手/合格犬(いずれも捜索科目)》
岩本良二/もみじ(書類審査)
岩本良二/三太郎
三上修悦/きろ(書類審査)
村田道子/ピット(同上)
山口最史/ぶちょお
「もみじ」 「三太郎」
《まとめ》
今年は書類審査を含め5頭が合格できました。たくさんの方々のご支援のお陰であり、チーム一同お礼申し上げます。特に三太郎は昨年の失敗のリベンジでしたが、試験直前まで仲間に励まされて運よく合格することが出来ました。これから、先輩の4頭に負けないように、実戦訓練をして、嘱託に備えなければなりません。今後とも応援よろしくお願い致します(岩本良二)。
■ 静岡県熱海市に発生した土石流の行方不明者の捜索に災害救助犬「もみじ」が参加しました(静岡県熱海市)
《日 時》
2021年7月10日(土)、11日(日) 6:00~18:00
《場 所》
静岡県熱海市
《災害救助犬/ハンドラー》
・もみじ ~ IRO国際救助犬(広域捜索A段階合格) / 岩本良二
《スタッフ》
・中村裕治 ~ 安全管理、写真記録
・山口利正 ~ 写真記録
・山口最史 ~ 後方支援
・岩本久子 ~ 後方支援
《主な日 程》
・7月9日(金)12:00 浪岡の訓練所出発→浪岡IC→東北道→久喜白岡JC→圏央道→八王子JC→蝦名JC→小田原厚木道路→小田原西IC→静岡県熱海市内
・7月10日(土)0:00 熱海市役所到着 ~ 同所駐車場で車中泊
・同日6:00 ニューアカオホテル駐車場に集結、待機
・同日16:12 出動指示あり現場へ
・同日16:54 現場到着、「もみじ」瓦礫の捜索開始
・同日17:30 捜索終了
・同日19:00 宿泊先到着
・7月11日(日)6:00 ニューアカオホテル駐車場に集結、待機
・同日6:56 出動指示あり現場へ
・同日7:59 現場到着、待機
・同日10:30 「もみじ」瓦礫の捜索開始
・同日10:45 捜索終了
・同日12:30 熱海市を出発、帰路へ
・7月12日(月)0:00 浪岡訓練所到着、解散
《状 況》
7月10日(土)
7月11日(日)
《まとめ》
1 今回発生した熱海市土石流災害は、警察・自衛隊・消防など数千人規模の防災関係者が投入されたいわゆる災害対策基本法に基づいた大規模災害に当たると考えます。その中で当北東北捜索犬チームが活動できたことは、きわめて有意義なことであることは言うまでもございません。当然、反省点・改良点も多く見つかったものの、後方支援に関しては、ホットな情報のみならず、現場からの欲しい情報も取れ、まさに緊急援助隊(RD)と現場を相互補完する中継役も果たした事で、さらに効率的な活動が出来たと思います。しかしながら、大規模災害における現場活動はまだまだ装備の面や、他防災関係者の中での安全管理を含めたチームの動き方など見直す部分は多いものと感じました。今回の現場で得た貴重な体験をさらにフィードバックし、検討を加え、小さいな事を一つづつ積み重ねることで、よりリスクの少ない安全な捜索活動ができるのではないだろうか。近年を鑑みれば、毎年のように襲う豪雨や専門家が予想している大地震等、人々の命を奪う自然災害が後を絶たない。そういう中で、これからも社会から信頼されるような北東北捜索犬チームになれればと思います。
結びに、今回の災害により被災された皆様や、未だ安否不明の方々の早期発見及び当該地域の1日も早い復興をお祈り申し上げます(中村裕治)。
2 今回は、外部団体とのやりとりや情報収集という形で現場スタッフをサポートしました。現場スタッフがスムーズに活動ができるように、必要な情報や他の救助犬団体とやり取りをしその結果を現場スタッフに送る形を取りました。この点について、少しでも後方支援として役立つことができたのではないかと思います。また、今回の現場をきっかけに、緊急救助犬援助隊(SD)の連絡に加えてもらい、また全国各地で活躍される日本レスキュー協会の方々とやり取りをし、現場における救助犬団体のコーディネートについてはとても良い経験ができました。各団体の規模把握や各救助部隊の要望のマッチング、救助犬団体の現地におけるサポート、なおかつ、対策本部のやり取りを超え各団体の整理と大規模災害時の裏方の重要性は考えるきっかけとなりました。今後、青森県で同様のことが発生した場合の初動活動における対策本部と各救助犬団体との橋渡しについての当チームの果たすべき役割についても検討の上、行政と事前に協議することができればと思います(山口最史)。
3 今回は他団体と集合場所が一緒で捜索も合同となりました。その連携を通してチームの存在をアピールする事ができたのは次に繋がり、参加して良かったと思います。それから長時間にわたる待機に備えた人と犬の体調管理、捜索における現場に精通した人のサポートが重要だと思いました。特に今回は暑かったのと、過酷な現場で犬の怪我などが心配されたからです(山口利正)。
4 東日本大震災、熊本地震、北海道胆振東部地震では、初期情報の収集、他団体との連絡,現場までのルート調査など、ほぼ一人でこなしていましたので、なかなか犬のことを考える余裕がありませんでした。今回、災害現場での捜索に参加する際に、チームとして初めて必要な業務を分担して行い、成果を上げることが出来ました。特に後方支援の必要性を体感することが出来ました。それによってハンドラーが犬の管理と捜索に専念できた意義は大きいと思いました。また、安全管理と活動情報のリアルタイムでの広報は素晴らしかったと思います。今回のチーム内の連携を忘れることなく、次回につなげていきたいと思います(岩本良二)。
【収支報告】
皆様からご支援いただいた資金 856,000円 は,
・READYFOR社成功報酬 220,000円
・医療費 99,967円
・ペット保険代 71,140円
・餌代など飼育費 306,083円
・国際救助犬認定試験料 34,000円
・返礼品代 42,360円
・ウンチ袋などの消耗品代 82,450円
にそれぞれ使わせていただきました。
【リターンの発送状況】
全てのリターンを支援者の方々に発送致しました。
【今後について】
「もみじ」は国際救助犬の上級であるB段階の資格取得を目指しています。この資格を取得すると、外国での災害現場に出動し行方不明者の捜索に従事することが出来ます。
また、「三太郎」は国際救助犬の中級であるA段階の資格取得を目指しています。この資格を取得すると、国内の災害現場に「もみじ」と一緒に出動し、行方不明者の捜索に従事することが出来ます。
この2頭とも、毎年行われる嘱託警察犬の試験に合格して、犯罪捜査や認知症の行方不明者の捜索に貢献します。
以上のように、社会に貢献し多くの人達に笑顔を届ける『もみじ』と「三太郎」の仕事は、今後も継続致しますので、引き続き皆さまのご支援をよろしくお願い致します。