昨年、2014年夏に永遠ボディー様で分解され、カマド本社へ搬入されたフロントとリヤの足回りです。

腐食が酷いボディーに比べれば、錆びてはいるものの程度は良好です。

この錆の塊を見て、怯んではいけません!

原型が残っていれば何とかなる(する?)ものなのです。

 

フロントデフケースを分解して行くと、綺麗なヘリカルギヤーが現れました。

通常は2輪駆動(後輪駆動)なので、フロントのギヤーはあまり使用されていなかったと推察できますが、手元にある昭和17年~19年頃に製造された日本戦車の部品と比べても、切削加工や溶接状態などが明らかに良いです。

 

また、金属の材質もしっかりしているようで、錆びているのは表面のみで、漏油に泥や埃が付着している部分は清掃すると下地塗装が残っている部分もありました。

 

熟練工が戦時動員され、女学生が機械加工に参画したために工業製品の品質が落ちたと根拠も示さずに言われる方が居りますが、実際にはアメリカの経済制裁による原材料の手配困難と、舶来品であった加工機械の故障や消耗部品(切削金具等)の入手難が主な理由だと感じます。

 

自分が見聞きした範囲では、自動車や戦車の部品に関しては、日米開戦直後から物凄い勢いで品質低下している様なので、この推論はそれなりに当たっていると思いますが、いかがでしょうか?

 

さてさて、次の写真は現代に時計を戻して、先週のカマド本社での撮影です。

ベアリングやシール類は、交換が必要なモノは新品に交換しましたが、再利用が可能なモノはあえて当時の部品で再組み立てして頂きました。

そして本日現在の状態はこんな感じです。

 

一年前のサビサビの状態から、ここまで山あり谷ありですが、何とか形になって来ました。

 

メカニカルな部分も、一年間の作業内容を追ってご紹介できるところまで来ております。

 

欠損していたフロントドライブシャフトは、ロシア取材の資料に基いてリプロダクションすることになり、現在国内で製作中です。

 

また、リアデファレンシャルのサイドギヤーに全周に渡る欠損が発見されたので、ギヤーをリプロダクションするか?それとも修理して再使用できるのか?現在調査、検討中です。

 

こちらも追ってご報告して参ります。

 

最後に、前回予告しましたエンジンの分解組み立ての様子は、もう少し作業が進んでからまとめさせて頂きますので、もう少々お待ち下さい。

 

実行者:小林 雅彦

 

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