こんにちは!

本日メッセージリレーを担当するヴァイオリンの見渡です。

 

今回の演奏会で取り上げるS.Reich(スティーヴ・ライヒ)はミニマルミュージックと呼ばれる現代音楽の手法を用いるアメリカの代表的作曲家です。

現代音楽と言われると取っ付きにくいイメージですが、彼の作品はとても聴きやすいものが多く、その着想は幅広い層から支持を得ています。

また、彼は言葉や声への興味からそれらの録音を曲の中へ取り込むという試みを行っています。

 

"Different trains"、"WTC 9/11"はこれらを融合させた作品であり、大きな社会的テーマを持つ作品です。

"WTC"は世界に衝撃と混乱を与えた2001年の9.11テロの作品であり、当時6歳だった私もタワーに飛行機が突っ込んで崩れ落ちていくショッキングな映像を今でも思い出すことができます。

また"Different trains"は、Reichがユダヤ系であるというルーツから「もし第二次世界大戦中の幼き自分がアメリカではなくヨーロッパの汽車(Different trains=収容所行きの汽車)に乗っていたら」という着想から生まれたものです。

 

世界の距離が縮まっている今でも、地球の裏側で起きる非日常な出来事を私たちの身に降りかかったこととしてとらえるのは難しいことです。

ですが、それは誰かの日常であり現実なのです。

 

この2曲は実際の当時の録音や証言者の言葉を、楽器を通してその場に現実の音としてもう一度生まれさせ観客に追体験させるという試みです。

音は目には見えませんが、TVやネットを通じて見る遥か彼方の出来事ではなく一番直に誰かの日常の痛みを生々しく感じさせる手段なのではないでしょうか?