プロジェクト概要

アカウミガメが来る表浜海岸で、産卵が出来ない事態、時には死に至るというウミガメの悲劇。絶滅危惧種のウミガメを守るお手伝いをしていただけませんか?

 

NPO法人表浜ネットワーク理事長の田中です。愛知県の南東、太平洋の外洋に面する表浜海岸で、10年間、絶滅危惧種に指定されるアカウミガメや砂浜の調査、保全活動をしています。表浜海岸は、アカウミガメが毎年産卵に訪れる砂浜海岸で、多くのサーファーや釣り人、観光地引網漁が行われる自然豊かな海岸です。

 

しかし、その一方で、海岸の人工化が進み、砂浜減少が問題となっています。また、砂浜の真ん中に延々と連なる消波ブロックが設置されていることで、ウミガメの上陸が阻害される問題が生じています。ウミガメは上陸しても産卵ができないだけでなく、海に戻ることが出来ず時には死に至るほど、今や表浜海岸はウミガメにとって危険な海岸となっているのです。

 

(ウミガメの正面に回る時は、産卵を終え、ある程度埋戻しが終わるまで静かに待ってから。産卵を終えたウミガメは安心したように帰海準備をします。)

 

 

ウミガメの足あとは「産卵ができない」という悲鳴です。

 

下の写真はウミガメのタートルトラック(ウミガメの足跡)です。ブロックに行く手を阻まれ、何度もブロックの向こうにある砂丘を目指していることが分かります。

 

夏のピーク時は、毎朝、この様なタートルトラックがいくつもあります。
この時は、安全な産卵場所に辿りつけず、8回目のトライで諦め、波打ち際に近い場所に産卵をしてしまいました。波打ち際は、産卵巣が流失する可能性が極めて高い位置ですが、未産卵で止む無く帰海し、海の中で卵を産んでしまう事例もあります。

 

(この写真は2005年に全国のメディアで取り上げられました。)

(右が海、左がウミガメが目指す砂丘です。)

 

 

産卵を終えたウミガメは、何時間も、消波ブロックに沿って往来し、隙間が見付からなければ海に帰ることはできません。

 

このウミガメは、ブロックの隙間を見つけ、砂丘に辿り着き産卵を終えたのですが、海に帰る際には隙間が見つからず、延々と続くブロックに沿って移動し続け、夜明けまで取り残されてしまいました。手前にも足跡がありますので、ブロック沿いを往復していることが分かります。また、その距離から考えると、上陸してから5〜6時間が経過していることでしょう。

 

通常であれば、海から砂浜に上陸し、産卵を終えて帰るまでの時間は約1時間。海の中で生活するウミガメが、地上で歩くことには適さないヒレを使い、100キロ近くある体重を長時間支えている訳ですから、体にかかる負担は相当なものです。

 

(ウミガメは陸のカメと違い、歩くための手足を持ちません。100キロ近い体重で数時間動きまわることは、命を削るに等しい行為なのです)

 

 

真夏の海岸で、海に帰ることが出来ないアカウミガメが増えています。

 

ウミガメは変温動物です。外気が上昇すれば体温も上がります。海で生活するウミガメが未明に上陸し帰海する大きな理由はそこにあるのですが、真夏の海岸で、海への道筋が見つからないままブロック沿いを這うような事を続ければ、ウミガメは体温が上がるだけでなく、体力も失われ、最悪の場合死に至ります。

 

下の写真は、ブロックに落ちてしまったウミガメですが、これほどの段差がある場合、ウミガメは這い上がる事ができません。この場合は、見つける事もかなり難しいです。連絡を受けた時には既に死んでいましたが、あと1日早く見つけることが出来れば、助け出すことが出来たかもしれないと思うと無念でなりません。表浜海岸では、毎年こうした悲しい事例がありますが、見つけられない個体もあるのです。

 

 

(ブロックにはまり込んだアカウミガメ、ウミガメはバックする事が出来ない為、顔が水に浸かり窒息死してしまいました。)

 

(ブロックが障害になるのは親ガメだけではありません。)

 

 

これからも絶滅危惧種のウミガメを守り、表浜海岸を次世代に残す為に活動します。ウミガメの来る表浜海岸の10年間の成果を詰め込んだ1冊を作ります。

 

あまり知られていませんが、北太平洋域のアカウミガメの産卵地は、日本の海岸だけです。その為、日本の産卵地が失われれば、それは絶滅に繋がります。

表浜海岸もアカウミガメの重要な産卵地であり、私たちは産卵地を保全することを使命としていますが、現場の保全活動は大変地道な活動です。地域だけで活動していては、ウミガメの置かれた現状を伝えることはできません。

 

私たちは、これまで表浜海岸の素晴らしさと問題、課題を子供達への環境学習や企業の社会貢献活動を通して伝えてきました。そして、マスメディアも利用して声を上げてきました。しかし、声を出し続けるには限界があります。そこで、10年間の取り組みを冊子にまとめ、一人でも多くの人にウミガメの悲劇を伝えることにしました。

 

(孵化した子ガメたちが海に向かう様子)

 

冊子には、ウミガメの生態についてはもちろん、日本でも稀有な長くて広い表浜海岸の季節、そこに自生する植物や野生動物、海外の利用(釣りやサーフィン)を紹介します。蓄積された写真を中心に、これまで行ってきた表浜ネットワークの海岸保全活動と表浜海岸に関わる人たちの寄稿集も掲載されます。

 

(表浜海岸で撮影した一枚)

 

 

プロジェクト実現のため、皆さまの応援、どうかよろしくお願いします。

 

先日、ある大学生から「自分は生き物は好きだけれども、守ろうと思ったことはない、どうしてそこまでしてウミガメを守ろうとするのですか」という質問を受けました。

 

北太平洋域のアカウミガメの産卵地は、日本の海岸であるにも関わらず、ウミガメが産卵できる砂浜の減少は加速度を増しています。世界的にも絶滅が危惧されている野生動物が、繁殖地を奪われようとしているのです。繁殖地が失われることは、絶滅に直結します。

 

ウミガメは、どんなに海岸が変化しようと、毎年産卵にやってきます。行く手を阻まれても何度もトライする個体、あらゆる障害物を乗り越え、産卵体制を何度も変える個体、砂浜が殆どなく緩傾斜堤を這い上がる個体、皆子孫を残す為に命をかけて上陸します。シーズン中、多い日は数カ所、稀に10ヶ所近く上陸がある日は、野生動物の生命力を最も強く感じますが、同時に日本の海岸環境に怒りも覚えます。こみ上げる怒りが原動力となり、私たちはウミガメを守る活動をしているのです。

 

日本の海岸は人工化が進み、人が近寄りづらい海岸は少なくありません。こうした現状はあまり知られていないのではなく、人工化が進んだ海岸が当たり前になっています。これが日本の海岸風景なのです。しかし、現実は、古くからそこに自生する多くの植物や生物が減少し、魚も捕れなくなっています。ウミガメも減り、昔の海を懐かしむ人も少なくなりました。

 

私たちは、ウミガメを海岸環境の指標と位置づけて、調査、研究を行っています。ウミガメは古くから人に親しまれてきた動物です。砂浜に営みがあった時代にはウミガメと共存する空間が保たれていました。

 

私たちは、ウミガメだけを保護する活動を行っているのではなく、ウミガメが産卵できる砂浜を保全しています。砂浜は、陸だけでなく海の中まで続いており、陸上では砂丘、丘陵、後背地(森、農地、人々の暮らし)へと連続する環境が重要です。私は、広い視野を持って活動を行っています。

 

(多くの方々に伝えるために、印刷費が必要です)

 

 

一人でも多くの人に伝えたい、その為にこの冊子を作りました。社会に対して何か貢献したい、でも何をしたらよいか分からない、なかなか行動に移せないという人にも、この冊子を手にして知ってもらいたい。それがこのプロジェクトの成功に繋がります。

 

私たちだけで、声を出し続けるには限界があります。声を出し続けなくては、表浜海岸は守れません。多くの方の力をお借りしてこの冊子を広めたいと強く願っています。

 

(ウミガメの悲劇 この映像を是非見て下さい。)


▶ 冊子の構成
【渥美半島は表浜】
 ・渥美半島のロケーション
 ・表浜の四季
 ・天竜川から遠州灘のつながり
 ・連続する海岸
【表浜の自然】
 ・アカウミガメ
 ・他の生物・波打ち際の小さな生き物
 ・海浜植物・丘陵の照葉樹林帯
 ・海浜植物の四季
【現在の表浜(課題)】
 ・海岸の変化
 ・アカウミガメの悲劇
 ・沿岸地域の課題
【これからの表浜(表浜まるごと博物館構想)】
【表浜ネットワークの活動紹介】
【寄稿集】

 

 

プロジェクト達成のために、皆様のご協力が必要です。どうぞ宜しくお願い申し上げます。

 


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