【第12弾】開場100周年、大阪松竹座の歴史を紐解く資料を未来へ。

お早うございます。松竹大谷図書館の武藤祥子です。

プロジェクトの募集終了までいよいよ残り7日と迫ってまいりました！現在155名の方から195万1千円のご支援をいただき達成率が78％となっております。目標額まであと55万円となりました！引き続きご協力・応援を何卒よろしくお願い申し上げます。

さて、１万円以上ご支援下さった方には、当館が所蔵する台本を保護する、スタッフ手作りのカバーにお名前を記載するというリターンをご用意しております。今回は、本年生誕100年、没後10年の映画俳優、三國連太郎(1923年1月20日-2013年4月14日)の映画台本をご紹介します。

▽【映画台本】作品リストはこちら

※番号は台本作品リストの番号です

左上より
165 『善魔』 1951年 木下惠介(監督)
166 『命美わし』 1951年 大庭秀雄(監督)
167 『稲妻草紙』 1951年 稲垣浩(監督)
168 『本日休診』 1952年 渋谷実(監督)
169 『警察日記』 1955年 久松静児(監督)
170 『ビルマの竪琴』 1956年 市川崑(監督)
171 『異母兄弟』 1957年 家城巳代治(監督)
172 『夜の鼓』 1958年 今井正(監督)
173 『荷車の歌』 1959年 山本薩夫(監督)
174 『今日もまたかくてありなん』 1959年 木下惠介(監督)
175 『大いなる旅路』 1960年 関川秀雄(監督)
176 『飼育』 1961年 大島渚(監督)

左上より
177 『飢餓海峡』 1965年 内田吐夢(監督)
178 『にっぽん泥棒物語』 1965年 山本薩夫(監督)
179 『復讐するは我にあり』 1979年 今村昌平(監督)
180 『親鸞 白い道』 1987年 三國連太郎(監督) ※監督作品
181 『釣りバカ日誌』 1988年 栗山富夫(監督)
182 『利休』 1989年 勅使河原宏(監督)
183 『大病人』 1993年 伊丹十三(監督)
184 『夏の庭 The Friends』 1994年 相米慎二(監督)
185 『三たびの海峡』 1995年 神山征二郎(監督)、樹木希林出演
186 『美味しんぼ』 1996年 森﨑東(監督)、樹木希林出演
187 『北辰斜にさすところ』 2007年 神山征二郎(監督)
188 『釣りバカ日誌20 ファイナル』 2009年 朝原雄三(監督)

本年生誕100年、没後10年をむかえた三國連太郎ですが、そのデビュー作は名匠木下惠介監督の松竹作品『善魔』 (1951年)でした。平成以降は松竹の名シリーズ『釣りバカ日誌』のスーさん役で親しまれ、松竹に縁の深い俳優です。

当館は本年3-4月に、第96回目の閲覧室ミニ展示として「映画俳優 三國連太郎 生誕100年、没後10年」を開催しており、以下の第11弾の活動報告でご紹介しております。ぜひご一読ください。

▼三國連太郎3－4月ミニ展示
・2023年03月16日活動報告「3－4月ミニ展示:映画俳優 三國連太郎 生誕100年、没後10年」
・2023年04月14日活動報告「ミニ展示「三國連太郎」展関連資料ご紹介：演劇台本とプログラム」

さてこの台本リストのなかで、三國連太郎が監督をつとめた作品があります。『親鸞 白い道』( 1987年)です。三國連太郎が十数年の歳月をかけて書下ろした『白い道　法然・親鸞とその時代』の映画化で、原作、企画、監督、脚本(共同)、出演の計5役で取り組んだ作品です。

上の写真は全て台本です。映画は、製作各段階でさまざまな台本が作られます。最初に準備稿が作られ、続いて改訂稿、決定稿、撮影稿など改訂が反映された台本が作られます。作品によっては、何種類も作られ、ときには10冊以上になることも。『親鸞 白い道』は、この各段階での台本が特に多い作品で、計9冊の台本があります。

当館手作りの台本カバーをかけた状態です。このように厚みがあるので、書架でも大変存在感があります。

ぜひ、三國連太郎の映画作品の台本カバーにお名前を入れてみませんか？

次回の【映画台本】作品リストご紹介は、本年共に生誕100年となる作家、池波正太郎と司馬遼太郎の映画化作品をご紹介いたします。

これまでの【映画台本】作品リストご紹介
・【映画台本】作品リストご紹介1「大阪松竹座上映作品(初開場から『道頓堀松竹座映画祭』まで)」
・【映画台本】作品リストご紹介2「小津安二郎監督(生誕120年・没後10年)」
・【映画台本】作品リストご紹介3「山田洋次監督（9-10月閲覧室展示関連）」