【第９弾】演劇史を紐解く、歌舞伎座の絵本番付と筋書を後世へ。

お早うございます。松竹大谷図書館の武藤です。

当館は現在、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、開館時間を10時から16時までに短縮し、ご利用は「前日までの予約制」とさせていただいております。詳しくは当館HPの「現在のご利用について」のページをご覧ください。

さて、当館閲覧室では、ミニ展示「松竹家庭劇 -朝ドラのモデルとなった喜劇団-」展を開催中です。そこで、今回の新着情報では、展示資料以外の関連資料として、浪花千栄子出演作の映画台本をご紹介します。

今月フィナーレを迎えた朝ドラ『おちょやん』。主人公のモデルとなった浪花千栄子の人生は、松竹新喜劇退団後、花菱アチャコと共演したラジオドラマで女優として再起したところまでが描かれていましたが、その後の浪花千栄子は、映画やTVドラマ、CMで大活躍することになります。

今回ご紹介するのは、浪花千栄子が出演した1950～1960年代の映画台本です。所蔵資料から、25冊を選びました。

前回の新着情報で浪花千栄子の自著『水のように』をご紹介しましたが、この著作の「私をささえてくれた人々」と題した章で取り上げられた7人のなかに、映画の巨匠、溝口健二監督の名があります。『祇園囃子』(1953年)で初めて溝口作品に出演した浪花千栄子は、この作品でブルーリボン女優助演賞を受賞し、以来溝口監督作品の常連となり、『山椒大夫』(1954年)『近松物語』(1954年)などに出演しました。他の名監督の作品にも次々と起用され、昭和期の日本映画界を代表する名優となっていきます。

写真の台本の中にも、溝口健二の他に、木下惠介、小津安二郎、豊田四郎、斎藤寅次郎、吉村公三郎、内田吐夢など、錚々たる監督の作品が並んでいます。

そして、ラジオドラマ『アチャコ青春手帖』『お父さんはお人好し』の映画化作品も！

当館OPACで台本を検索することができますので、是非検索してみてください！
https://opac315.libraryexpert.net/lib-shochiku-otani/
 

左上から:『アチャコ青春手帖第三話 まごころ先生の巻』『アチャコ青春手帖第四話 めでたく結婚の巻』『祇園囃子』『山椒大夫』『近松物語』『女の園』『二十四の瞳』『女囚と共に』『お父さんはお人好し　かくし子騒動』『お父さんはお人好し　産児無制限』『お父さんはお人好し　優等落第生』『お父さんはお人好し　迷い子拾い子』『雪国』(1957年)『大阪物語』『喜劇　駅前旅館』『彼岸花』『浪花の恋の物語』『続悪名』『宮本武蔵　般若坂の決斗』『憂愁平野』『新・夫婦善哉』『古都』『波影』『雪国』(1965年)『宮本武蔵　巌流島の決斗』

閲覧室ミニ展示「松竹家庭劇 -朝ドラのモデルとなった喜劇団-」展
展示期間：2021年 5/12(火)～7/28(水)
展示場所：松竹大谷図書館　閲覧室
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