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映画を通じて、知り考えてほしい。新しいHIV予防法「PrEP」

カラフル@はーと

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映画を通じて、知り考えてほしい。新しいHIV予防法「PrEP」
支援総額
199,000

目標 170,000円

支援者
35人
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2017年10月18日 12:14

文化人類学者 砂川秀樹さんの寄稿「HIVの歴史の中のPrEP」

応援寄稿「HIVの歴史の中のPrEP」

▼1990年 代の大きな変化

私が、HIV/AIDSの問題に関わり始めたのは1990年です。

当時、日本でHIV陽性者に対する偏見、差別には厳しいものがありました。メディアで顔や名前を出している人も限られていて、血液製剤で感染した血友病の人たちだけでした。血液製剤による感染が拡大したのは、当時の厚生省が、国内メーカーを守るため加熱製剤の認可を遅らせたせいでした。

HIVの問題に関わり始めた頃、私は、血友病の方達の厚生省(当時)との交渉や、国会議員へのロビー活動に参加しました。AIDSで子を亡くされた親御さんが、その最後の様子を涙ながらに 語っていた様子は、今でもはっきりと覚えています。

その後、1992年に平田豊さんが性感染によるHIV陽性者として記者会見を開きます。しかし、その2年後には亡くなってしまいました。その頃、HIV感染症は、発症したら5年以内には必ずなくなると言われていた病気でした。

しかし、HIVに対する薬が増え、それらを組み合わせて使う多剤併用療法の効果が国際エイズ会議で発表された1996年以降、状況が劇的に変わります。今では、治療によりHIVを検出限界値以下にすれば、他の人にはまず感染させないだろうと言われています。また、他の病気との関連がなければ、平均余命は、感染していない人とあまり変わらないということもわかっています


▼早めの動きの有無が左右したHIV問題

実は、1990年代前半までは、HIVに限らず、海外で開発された薬の認可には時間がかかっていました。しかし、1996年、菅直人厚生大臣(当時)が、血液製剤で感染したHIV訴訟原告らへ、国の責任を認め謝罪し、裁判の和解が成立したことをきっかけとして、海外で開発されたHIVの薬の認可にはほぼタイムラグがなくなりました。

国が責任を認めた年と、多剤併用療法が発表された年は同じ年です。その偶然の重なりが、多くの人の命を救ったとも言えます。

今回、PrEP(抗ウイルス剤の事前予防服用)という新しいHIVの予防方法について<正しい>知識を広げようとするこのプロジェクトについて考えるとき、私は、これまでのHIVの歴史を思います。

加熱製剤がもっと早く認可されていれば救われた人たち、多剤併用療法の導入により救われた人たち…。和解の前、海外で認可されている薬の日本での認可を早くして欲しいと厚生省に要望しながらも、必ず亡くなった方の姿も思い出され、胸が痛みます。

もちろん、先に書いた通り、今は、HIV感染後の治療の状況ははるかに良くなりました。しかし、今でも、HIVに感染することは、その人の体、気持ち、生活に大きな負担をかける面があることは否めません。予防する手段が増えることは重要です。


▼なぜPrEPか

よく、「HIVの感染経路ははっきりしているわけだから、挿入行為等でコンドームを使うなどの予防措置を自らとればいいだけのこと」という意見もあります。

しかしまず、これは、PrEPかコンドームかという議論ではないということです。今回観るドキュメンタリーにもそのような話は出て来ます。基本的にコンドームを使いつつも、関係性やアクシデントにより使えない場合がある、そのようなときのために、PrEPを使いたいという人たちがいます。

とはいえ、確かに、PrEPは、コンドームを使わない人/あまり使わない人たちのことを、ある程度想定していることも事実です。だからこそ、PrEPが導入された国々でHIV感染の数が激減し始めているのです。ある種の性行動には、依存の問題も関係します。また、変化させることが難しい面もあります。

PrEPは、これまで、コンドーム使用の啓発では限界のあった層の人たちに、あらためてHIVのことを考えるきっかけや、医療につながる機会を提供することにもなります。


▼重要なことを伝えていく!

ただし、PrEPにはとても重要なことがあります。それは、始める前のHIVなどの検査、そしてHIVや性感染症、腎機能などの定期的な検査が必要ということです。そうしなければ、耐性ウイルスをつくってしまったり、本人の体に大きなダメージを与えてしまうことがあります。

今、日本ではPrEPについて知っている人は少ないのが現状です。しかし、これから、世界の情報が入り、自分で手に入れやすい状態が広がったときに、誤った使い方をする人がいるのではないか、という心配があります。だからこそ、このようなプロジェクトがとても大切なのです。


自分がHIVに関わり始めてからの27年間を振り返るとき、このPrEPをめぐるテーマがHIVをめぐる様々な歴史の流れの中にあるのだということを、強く思います。そして、その立場だからこそ、このテーマがとても重要であることを強く確信しています。何より、世界の各地で、このPrEPはHIV予防において、非常に大きな存在となっているという事実があります。

この文章を書きながら、ずいぶん昔に別れてしまった、HIVを抱えながら生きた仲間、活動を一緒にした仲間に、「HIVの状況は、こんなに変わったんだよ、すごいね」と報告したいなぁ、と思いました。


そして最後に…

「リスキーな行為を勧めてるようなもの」といった誤解を含めて、厳しい批判の目や声をむける人もいるこの難しいテーマに彼らが中心となって取り組んでいることに、心から敬意を表し、応援したいと私は思っています。

そういう人たちが、常に社会環境を変えてきたことを、私はよく知っています。難しいプロジェクトに挑戦してくれて、ほんとうにありがとう。
 



砂川秀樹

文化人類学者/博士(学術)、明治学院大学国際平和研究所研究員。HIV/AIDS、LGBTに関する活動を1990年より続け、東京レズビアン&ゲイパレード(後の東京プライドパレード)の実行委員長、ピンクドット沖縄の共同代表として、大きなプライドイベントを手がけてきた。単著『新宿二丁目の文化人類学』、共編著『カミングアウト・レターズ』

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リターン

3,000

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オリジナルポストカードをお送りします!

・サンクスメール
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支援者
12人
在庫数
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発送予定
2017年12月

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・ご協力者として、映画の最後にお名前(ハンドルネーム・企業名可)を掲載※ご希望者のみ

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2017年12月

10,000

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支援者
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