＜体験談①＞　善き隣人として、エンディングに寄り添う

昨年の春、私と同世代の男性から、ご自分の葬儀についての相談が入りました。彼は、若い頃、事故で半身不随となり、不自由な体でずっと生きてこられましたが、追い打ちをかけるように、癌の末期と診断されていました。

試練の中におられる様子を電話でお聞きし、すぐに訪問したい旨をお伝えしたところ、快く受け入れてくださいましたので、祈りつつご自宅を訪問しました。

訪問すると、初対面でしたが、同世代ということもあり、すぐに親しくなり、会話の中で、ご自分の思いを素直に語ってくださいました。

ご家族、ご友人をこよなく愛し、エンディングを通し、良いメッセージを残したいと切に希望しておられましたので、毎週通わせていただき、その思いを詳しくお聞きすることにしました。

召されるまで半年余りしかありませんでしたが、毎週の出会いは、とても新鮮で和やかなものになりました。時折、ご家族やご友人も加わって下さり、彼の思いを直接伝える場にもなりました。

夏を過ぎたころより、急激に体調が悪くなりましたが、彼の温かいメッセージは、彼の弱さを通し、多くの方に伝わっていきました。

召される直前には、天国での再会を約束し、障害や病から解放されることを共に期待して、お別れの祈りをさせていただきました。

彼の身体の死は、間もなく訪れましたが、彼の良いメッセージはそれぞれの心に深く刻まれています。

そして、彼との天国での再会は、ご家族やご友人、そしてエンディングに関わらせていただいた私にとっても大きな希望になりました。 　　　   広田