プロジェクト概要

プロジェクトの終了が報告されました

はじめまして。雷鳥社と申します。弊社は荻窪にある小さな出版社です。

「撮る・書く・つくる・演じる人のための出版社」として、普段は実用書や芸術書などを刊行しています。今回、弊社の長い歴史でほとんど初めてといえる「絵本」を制作したいと考えました。そこには理由があります。

 

 

 

この物語は、実話を基にしたフィクションです

 

2006年2月1日早朝、京都市伏見区の河川敷で起きた「息子が母親を殺害する」という事件が起きました。大好きな母親が認知症にかかり、仕事を辞めて介護を続けなければならなかったのですが、お金が底をつき、家賃や食費にも困窮して、将来に絶望しての犯行でした。ただ、母親もこれ以上息子の介護は受け続けられないと、心中を覚悟していたといいます。(朝日新聞 2006年7月21日 朝刊 25ページ参照)

この事件は、家庭内介護や生活保護行政のあり方など、現代の日本社会が抱える歪みが、殺人という最悪の形で噴出したものといえます。なぜこのような悲しい事件が起こってしまったのか、どうすれば同じような事件が起きることを防げるのか、それを考えるきっかけになるような本を作りたいと考えました。

 

 

今回制作する絵本について

 

今回のプロジェクトでは、絵本という誰にでも手に取りやすい形にすることで、「介護」という重いテーマを、より多くの方に考えていただくきっかけになればと思っています。

 

原稿やイラストなど、絵本の制作は既にスタートしています。イラストレーターは、夜久かおりさん。温かさと同時にどこか寂しさも感じさせるタッチは、今回のテーマにぴったりだと思っています。

 

印刷や製本、デザインなど、出版に必要な基本的な費用は、通常の出版物と同様弊社が負担いたします。ただし、みなさまにいつまでも大切にしてもらえる本を作るため、クオリティは妥協したくないと考えています。

 

夜久さんの描く緻密なイラストは、どうしても制作に時間がかかってしまいます。そんなイラスト制作費の一部として、20万円を目標に設定させていただきました。みなさまにご支援をお願いできればと思っています。

 

 

 

◇仕様など

タイトル:『さいごの散歩道』

文:長嶺超輝/絵:夜久かおり

仕様:A5サイズ/ハードカバー/80ページ/オールカラー

出版完了予定日:2019年2月上旬

発行部数:2500部

絵本の内容・仕様につきましては、一部変更になる場合もございます。ご了承ください。

 

 

リターンについて

 

①本のラストにお名前を記載

ご支援いただいたみなさまのお名前を、本のラストに記載させていただきます。

 

②サイン本プレゼント

絵と文を担当した著者二人のサイン本をプレゼントいたします。

 

③出版記念イベントへのご招待

出版後に予定している記念イベントへご招待いたします。

 

④原画プレゼント(1ページ)

夜久かおりさんが描いた世界に一枚の原画をプレゼントします。

 

⑤原画プレゼント(見開きページ)

見開きで使用した大きなイラストをプレゼントします。

 

 

著者からのメッセージ

 

イラスト担当・夜久かおりさん

 

 

今回のお話をいただくまで、恥ずかしながらこの親子に起こった出来事を知らずにおりました。

絵を描きながら、この親子の楽しかった頃や苦しい時期を想像し、自分ならどうしただろうと考えました。この絵本を読んで、いろんなことを考えるきっかけにしていただければ幸いです。

 

 

文章担当・長嶺超輝さん

 

 

このプロジェクトに興味を持ってくださった皆さま、こんにちは。

『さいごの散歩道』本文の制作を担当いたしました、フリーランスライターの長嶺超輝です。

『裁判官の爆笑お言葉集』(幻冬舎新書)が代表作です。

他にも着々と、法律や裁判、社会問題をテーマにした書籍を発表しており、本作が13冊目の著書となります。

 

この『さいごの散歩道』は、実際にあった事件をベースとした物語を通じて、「日本の介護問題」をテーマとして扱う「大人の絵本」です。

原稿制作につき、常に納得の指示や提案をくださった若き敏腕編集者の望月さん、そして、挿絵を描き下ろして提供してくださっている夜久さんの協力を得て、まもなく完成しようとしています。

奇しくも、私も含めて3人とも、九州出身です。

 

じつは、他の出版社の方から「どうして、こんな悲惨な事件を絵本にするんだ?」と、企画書の段階で質問責めにされたこともある問題作なのです。

私にとっては、著者としての新境地であり、意欲作であり、思い入れがあります。

ただ、夜久さんの制作負担がどんどん膨らんできている現状も見過ごせません。

そこで、クラウドファンディングによって、皆さまからの支援を頂き、夜久さんの努力と画才が経済的に報われる形としたいのです。
 

この絵本、原稿のボリュームは、6千字ほどです。

他の原稿であれば、ライターにとっては数時間あれば書ける程度で、「たった6千字」と言える分量ですが、「この絵本の6千字」に限っては、仕上げるのにほぼ1年を費やしました。

非常に重たい6千字でした。

 

直しを入れるたびに、登場する母と息子のことを思って、居たたまれない気持ちに襲われてしまうのです。

しばらく、この絵本の原稿から離れていた時期もありました。

しかし、どうしても多くの方々へ伝えなければならない現実が、確かにあるのだと覚悟を決め、歯を食いしばって書き上げるに至りました。

この物語の7割程度は事実に基づいて書きましたが、わからない部分を想像で埋めています。「せめて、こうであってほしい」という願望も含まれています。

 

国内の要介護者は、厚生労働省の最新の統計で約652万人となっており、増加の一途を辿っているようです(2018年8月現在)。

日本の人口の5%超。

もはや、介護を「他人事」として片付けられる人は皆無……といっても過言ではありません。

そして、要介護となった原因として最も多いのが「認知症」だそうです(2016年 厚生労働省国民生活基礎調査より)。

 

子どもの頃、愛情を注いで育ててもらった恩返しを、介護によって返す。

自宅で高齢の家族を介護することは、ひょっとすると「最後の親孝行」なのかもしれません。

この日本では、美談として語られがちです。

しかし、美談の裏には、家族介護をめぐる、社会の様々な「歪み」があるようにも感じられます。

 

家庭内で介護に関わっているのは、ほとんどが女性であるのが実態で、義理の父母を介護するケースも多くなっています。

しかし、精神的に極限まで追い詰められて、要介護者を殺害するところまで追い詰められるのは、ほとんどが男性の家族介護者です。

はたして男性は、終わりの見えない家族介護に向いていないのでしょうか。

他人に相談やグチを言えないプライドの高さのせいか。

それとも、介護によって満足に働けなくなった大黒柱の焦りか。

有効な解決策はあるのでしょうか。

 

もちろん、親を殺したくて殺すわけがありません。その絶望感は筆舌に尽くせません。

要介護者に手を掛けた時点で、自分自身がそれまで介護にかけてきた努力や時間、喜怒哀楽までも、皆殺しにしてしまうのです。

家族介護は、経済的・時間的リソースに十分な余裕がある家庭にしか許されないのでしょうか。

要介護となった親や配偶者を、高齢の家族が介護する「老老介護」の問題も忘れてはなりません。

 

日本に住む私たちの歴史において、介護は長い間、あまり深く掘り下げられてこなかった問題でした。

医療が発達し、人々の寿命が延びたことで、初めて『介護』の必要性とその担い手が意識されるようになってきたのです。

そのような、介護に関する制度や共通理解が決して盤石とはいえないこの国に、世界最速級のペースで容赦なく「超高齢化社会」の大波が押し寄せています。

 

主人公のハルのように経済的に追い詰められたとき、どのような介護の形がふさわしいのか、私自身、正解を知っているわけではありません。

この絵本の出版をきっかけに、読者の皆さまにもあるべき介護・支援の仕組みを考えていただきたいです。

そして、著者の私にも、良い解決策や海外での実例、介護保険の活用法など、皆さまからいろいろと教えてほしいのです。

ひょっとすると、日本国内に限らず、国境を超えても、問題や感情を読者と共有できる絵本になるのではないか……とも期待しています。

どうか、ひとりでも多くの皆さまからの御支援をお願いいたします。

 

出版記念イベントで、皆さまにお目にかかって、直接お礼を申し上げられる日を心待ちにしています!

もちろん、サイン絵本などでも、お礼のメッセージを心を込めて書かせていただきますね。


・プロジェクトの終了要項
2019/2/1までに、A5サイズ絵本を2500部発行したことをもって、プロジェクトを終了とする。

 

みなさまのご支援、どうぞよろしくお願いいたします!

 

 

 

 


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