プロジェクト概要

当園のご紹介

 

 当園は、湯田温泉で有名な山口県山口市で旅館業を営んでいます。昭和11年(1936年)に開業した老舗旅館です。かつては皇族の利用もあるなど、歴史と伝統のある由緒正しき旅館です。

 

 当園の開業は昭和11年ですが、建物自体は大正時代に別荘として建造されたもので、昭和11年以降も増築しながら現在の形となっています。当園は大正時代の建造物である風合いを残しながら、戦後増築部分は、京都の著名な数寄屋師・笛吹嘉一郎(うすいかいちろう)の意匠で、随所に数寄の技と遊び心を満載した仕上がりとなっています。歴史建造物の専門家は、「まるで木造建築の博物館」との言葉を頂いています。これらの歴史的背景をふまえ、昨年、当園は文化庁の「登録有形文化財」に指定されました。(第35-0085号)

 

 

 

数寄屋師・笛吹嘉一郎(うすいかいちろう)

 

 数寄屋師・笛吹嘉一郎(うすいかいちろう)は数寄屋造りの第一人者であるとともに、茶人としての知識を活かし当園の14の客室をはじめ、茶室の設計も手掛けた。14の客室は一つとして同じつくりのものはなく、笛吹嘉一郎の遊び心あふれる、自身の代表作ともいえる造りとなっている。

 

 

三種の庭園

 

 当園は、北と東西の三方を山に囲まれた静かな環境に立地しています。当園には、日本庭園の三つの様式、すなわち池泉庭園・枯山水庭園・露地(茶庭)が巧みに配置され、四季の花や新緑・紅葉をお楽しみいただいています。この三つの庭園は、連続していながら其々が独立しているという点でも評価をいただいています。池泉庭園は回遊式で、大正期の作庭。また枯山水と露地の作庭は昭和二十年代、京都の庭師・後藤重栄の手によるものです。

 

 

①池泉庭園

 

 山を借景として、中心に池を置き、自然の土地の起伏を生かして池の周りに回遊路が造られている回遊式庭園です。5つの入江と1つの島を持つ池は水に接する部分が長く、美しい表情を作り出しています。二つの滝から二本の温泉水の川が池に流れ込んでおり、温泉水のせいで池の鯉は冬眠することなく、一年中元気に泳ぎ、訪れる人々を楽しませています。

 

 池のほぼ中央に架かる石橋は特徴的で、庭園のアクセントになっています。北側の入江には自然石と石橋を、南側の入江には飛び石を配して対岸に渡れるように造られています。

 

 

②露地

 

 露地は、外待合、砂雪隠、内待合、中門、梅軒門、つきあげ門、井戸、さらに枯れ流れまで備えた本格的な茶庭となっております。枯れ流れには沢飛石、流れ蹲(つくばい)、そして石橋が設けられています。

 
 昭和20年代後半、笛吹嘉一郎が連れて来た、京都の庭師・後藤重栄の作庭で、庭石等の石材、垣のクロモジ、一部の樹木等は京都より運び込まれたものです。

 

 

 

③枯山水

 

 枯山水は、露地に続いて、後藤重栄により作られました。数個の石と松等の植込みのある島と白砂から成る部分は、地面よりも低く造られているのが特徴的です。三方から小路をたどればそこへ下りてゆくことができ、それぞれ違った角度からの庭の表情が楽しめます。

 

 

 

このプロジェクトでお願いしたいこと

 

 国の文化財でもある当庭園入口には、茅葺き屋根で2階に2畳の茶室が設けられた「いばらき門」があります。いばらき門は茅葺(かやぶ)き屋根の情緒あふれる姿で、当園の象徴といえる建物ですが、老朽化による茅葺き屋根の架け替えが必要です。茅葺きの架け替えは、今は貴重な素材となった萱と日本で数少ない茅葺き架け替えの伝統技術を持った職人による工事で、茅葺きの架け替え工事だけで890万円、木工事を合わせると1千万円を超える費用が必要です。当園で工事費用を負担する必要がありますが、その一部でも当庭園の維持にご賛同いただける方にお力添えをお願いしたいと考えています。

 

 国の文化財となった当庭園の象徴であるいばらき門の改修は当園のみならず日本の伝統文化を後世に伝えるために必要です。一方で、茅葺きの架け替え工事だけで890万円の費用が必要となるなど、当園だけで費用を負担するには非常に重い負担であることが事実です。そこで、皆様のお力添えを一部でもいただければ、当園も相応の負担をしたとしても、日本の伝統文化を維持できると考え、このプロジェクトを実行することといたしました。

 

 国の文化財である当庭園の象徴であり、また入口でもあるいばらき門を美しく改修することは、日本国の伝統文化を日本人はもとより外国の方にもご覧いただくことで、日本文化の素晴らしさを全国・全世界の方々に感じていただきたいと考えております。

 

いばらき門

 

 敷地の南側(枯山水の角)に、茅葺きのいばらき門が設えられており、その二階洞雲は二畳中板の茶室となっています。この門は、大和郡山にある慈光院の茨木門の写しで、笛吹嘉一郎の設計・施工です。いばらき門からほどなく堀に架かる石橋(大正時代のもの)を渡り小路を辿ると露地に参ります。

 

 

(建設当時のいばらき門(大正時代))

 

 

改修工事中のいばらき門

 

 現在(2016年2月)、いばらき門はすでに改修工事中です。予定では2016年3月下旬~4月中旬ごろの工事完了を予定しています。新しく生まれ変わったいばらき門を是非ご覧になってください。

 

 

 

 


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