プロジェクト概要

 

株式会社「セラフィム」代表・原田和広です。

 

セラフィムは、山形市を本拠に、主に求職者の方々の就労支援を行う会社です。私自身も約15年間一貫し、失業者・障がい者を対象としたキャリアコンサルタントとして、2000人を超える方々の就労支援に携わってきました。

 

その中で特にまざまざと感じるのが、小さいお子さんを抱えたシングルマザーの方々の、就労環境の劣悪さです。

 

一人で問題を抱え込み、精神疾患を発病する人。

生活保護を受給したものの自立できずに長らく苦しむ人。

昼の仕事の就活にことごとく失敗した結果、生きるためにやむを得ず水商売や性風俗で働く人……。

 

行政から専門の支援を受けられないならば、私自身が社会起業家として「子どもたちとお母さんたちが尊厳をもって生きていける、子育ての共同体を創りたい」と考えるようになりました。

 

その第一歩として、今年4月、シングルマザー向け・保育園つき・仕事つきの格安シェアハウスをオープンします。すでに建設は終わっているのですが、室内設備の費用がまだ不足しています。

 

一人でも多くの方にこの取り組みについて知っていただき、仲間になっていただきたいという思いもあり、オープンまであとわずかながら、思いきってクラウドファンディングに挑戦することにしました。

 

シングルマザーの自立を助け、貧困の連鎖をたちきるために。


 

 

このような問題と向き合うきっかけとなったのは、働きながら通った大学院での研究でした。私は、「キャバクラ嬢」、そして「女性の貧困」をテーマに調査・研究を進めていました。


調べていくと、キャバクラ嬢や風俗嬢など、社会的偏見に晒されがちな女性の多くが、貧困の問題を抱えていることが分かってきました。小さな子を抱えるシングルマザーとなれば、なおさらです。

 

物質的にも、精神的にも社会との繋がりを欠いており、時に劣悪な労働環境の中で搾取され、騙され、傷つけられ、一層貧困になるという負のスパイラルに陥っている女性が大勢いるのです。

 

「時給が高そう」という社会のイメージに反して、
過酷な現実と戦っている女性たちがたくさんいることに気がつきました。


例えば、離婚したばかりの20歳のシングルマザーは、キャバクラで働く理由をこのように語ってくれました。

「働きたくても、働ける場所が昼の仕事には存在しません。子どもが保育園で熱を出しても、迎えに行ってくれる人はいません。何度かお迎えで早退したら、仕事はクビになりました。

生きていくためには、家賃、光熱費、水道代、保育園代、通信費、車の維持費、食事代だけでどんなに節約しても月に最低20万はかかります。でも慰謝料も養育費ももらえないダメな男と結婚して離婚した高校中退の私には、キャバクラか風俗以外にそのお金を稼ぐ手段がないんです」。

私はそのとき、思わず「生活保護を受けないのはなぜですか?」と口にしました。すると彼女は、

「生活保護受けるって、人生の一番最後じゃないですか。もう何も自分になくなった人が国にお情けで生かされてるだけじゃないですか。そんな人生だったら、セクハラがあってもパワハラがあっても、時に滅茶苦茶ひどい目にあっても、私は夜の世界で働きます」。


昨今の生活保護や貧困に対する社会的なバッシング。福祉制度に対する無理解と偏見。行政の怠慢。一般人の知識不足。その結果、意にそぐわない生き方を彼女は選ばざるをえなかったのです。

 

私は調査研究の中で、彼女のようなシングルマザーと多く出会いました。

 

苦しい思いをして働いて、生きている女性たちの状況を、一人でも変えていきたい。「キャバクラや風俗で働く道」と「生活保護を受ける道」の間に、もう一つ選択肢を作ることができないだろうか。

 

その思いに突き動かされ、立ち上げたのがこのプロジェクトです。

 

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キャリアコンサルティングでは、仕事の悩み以外にも、
ご本人やご家族の病気や障がいなど、さまざまな相談が寄せられます。

 

 

 

今回は、その「もう一つの選択肢」への第一歩として、シングルマザー向けのシェアハウス「マグナ・マーテル穂積」を作ります。

 

なぜ、まず「家」なのか。それは、若いシングルマザーたちが性風俗から離れて自立するにあたって、最初の大きな壁となるのが住居だからです。

 

アパートを借りようにも、多くは、保証人の問題をクリアすることができません。また、仮に保証人がいたとしても、アパートの賃貸借には、引っ越し費用に加えて、敷金・礼金や不動産会社への仲介料等、非常に高い金銭的ハードルが存在します。

 

だからこそ、最近では寮を完備した性風俗店が増えてきたのですが、そこにはまさに、自分で住居を確保できない女性たちの弱みにつけこむ「貧困ビジネス」の悪意があります。

 

そこから逃れるためには、まず何よりも、身一つで子どもと一緒に入居でき、自立できる態勢が整った安価な住居が必要です。

 

住宅のセーフティネットとなるような
「低額のシェアハウス」が、一つの突破口になるのでは?

 

もちろん、シングルマザー限定のシェアハウスはすでにいくつか前例があります。ただ、「仕事」と子どもを預ける「保育園」が付属しているものは、私が調べたところ、全国でも他に例がありません。

 

 

①家賃は公営住宅並みの定額

母子の自立を阻害しないように、公営住宅並みの低額に設定します。また、すでに生活保護を受給している方でも入居できるように、部屋ごとに独立した世帯とみなされるよう、あえて電気系統と水道メーターを個別に設置しました。

 

②必ず仕事を提供

シェアハウスに入居するお母さんたちには、弊社「セラフィム」から必ずフルタイムの仕事を用意します。本人のやる気と成果に応じて、資格取得などもバックアップします。

 

③病児保育室つきの保育園が隣接

シングルマザーが昼間働くためには、保育園が確保されていること、しかも子どもが病気になったときでも預かってくれる(仕事を休まずに済む)ことが必要不可欠です。

母子がハウス内に閉じこもらず、外との繋がりを作れるように、地域の子どもたちも積極的に受け入れます。

 

④退寮後の仕事・生活もサポート

子どもが就学年齢に達したあとは、職業訓練を利用してもらい、退寮と地域社会での自立に向けてサポートします。職業訓練は、長年就労支援を行ってきたセラフィムならではのプログラムを生かします。

 

⑤入居者同士が支え合える風土に

掲げたいのは、「現代版の長屋」。父親に代わって、お互いに助け合う「もう一人の母親」が常に複数人いるということ、「多くの人に愛されている・支えられている」という意識を持てることは、子どもたちにとってもお母さんたちにとっても大きな助けになるはずです。

もちろん、共同生活ではすれ違いや軋轢が発生するかもしれません。でも、問題が起きたら、私たち運営者も間に入りつつ、お互いに納得するまで徹底して話し合う。ガチガチのルールで縛る「管理」ではなく、「自主・自立」を原則としたいと思っています。

 

■概要

オープン日:2018年4月1日

所在地:山形県山形市穂積116-3

運営:株式会社セラフィム

定員:8組(シングルマザーと子ども)

 

山形市で初めての、病児保育室を備えた保育園。
私自身「認定病児保育スペシャリスト」の資格を取得しました。

 

まだできたばかりで殺風景ですが、床暖房が整った温かい保育スペースです。
今は、毎日かわいらしい手作りの装飾が増えています。

 

 


 

シェアハウスと付属の保育園の建物自体は、幸い金融機関の融資で新築できました。ただ、8室ある個室と、共用スペースの設備・備品がまだ揃っていません。

 

■最低限購入したいもの

空調設備×12台、空気清浄機×8台

ミニ冷蔵庫×8台、共用冷蔵庫、炊飯器、レンジ×3台、キッチン用品

ソファーベッドと寝具×8部屋分、棚、机×8部屋分

掃除機×3台、共用洗濯乾燥機×2台
パソコン×8台+Wi-Fi機器、テレビ×8
レゴなど子ども用おもちゃ

※必要なものを挙ればとめどないのですが、この一部をご支援いただきたいと考えております。

 

各母子が暮らす個室。しかし中の設備はまだなく、がらんどうです。

 

わざわざテレビやパソコンなどは不要ではないか、と思う方もいらっしゃるかもしれません。ただ、これらは格別に贅沢なものというよりは、現代の一般家庭には「ごく普通に」あるものです。

 

よその家にはあるものが、うちにはないんだ……。どうせ、うちはお金がないから……。

 

子どもたちがそう思うこと・周りにそんな目で見られることが、それだけで子どもの自尊感情を低下させ、その積み重ねが、貧困の連鎖に繋がるのだと私は考えています。

 

「健康で文化的な"最低限度"の生活」だけでは足りません。「自分は、"普通の家"と同じ環境で、不自由なく暮らしてきたんだ」。その意識が、子どもたちが自信を持って前を向いて生きていく、足がかりになります。そしてそれは、決して大げさではなく、貧困の連鎖から子どもたちの未来を救い出すことになるはずです。

 

いずれ日本全国のモデルとなるようなシェアハウスにすべく、本気で取り組むことをお約束します。どうかご支援のほど、よろしくお願いいたします。

 

 

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“日本初”の取り組みなので、マグナ・マーテル穂積の理念を共有するために、
設計の段階から何度も入念な打ち合わせを行いました。

 


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