なごり雪の日に、記念のシルバーリング作りが無事できました。
クラウドファンディング達成の日から1か月半が経ち、あのプロジェクトはどうなっただろうかとお気に留めいただいていたかと思いますが、心配されたコロナウィルスの問題が徐々に拡大していく中、所要の対策をしながら無事シルバーリング作りの集まりを持つことができました。完成した白銀に輝く小さな指輪をはめて、嬉しそうに見つめる9人それぞれの表情は周りの気持ちを一層温かくしてくれました。皆様からの篤いご支援のおかげです。ありがとうございました。
今回のシルバーリング作りは、このプロジェクトが予定していたとおりの時期である、3月14日(土)に実施しました。今回も計画段階では、紫翠苑の入所者・退所者、BBSのメンバーがそれぞれ作成するほか、ギャラリーとして保護観察所職員、クラウドファンディングを支援していただいた独立行政法人職員、東京芸術大学の関係者など、総勢20名近い参加者での実施となる見込みでしたが、コロナウィルスの蔓延が懸念される時期と重なったことから、検討の結果、紫翠苑と保護観察所・東京芸術大学の関係者に限定して実施することに変更しました。
最終的に、入所者7名、職員等2名、保護観察所職員1名、東京芸術大学職員1名の、計11名がシルバーリング作りに取り組み、ギャラリーとして紫翠苑の評議員1名が参加され、講師陣と合わせると総勢15名での実施となりました。
今回リングに取り組んだ入所者7名は、下は17歳から上は77歳までの幅広い年齢層でした。完成した時の喜びは十代も七十代も同じらしく、他の人の席を回って自分が作った指輪を嬉しそうに、誇らしそうに見せている最高齢者の様子は微笑ましいものでした。
今回、皆さまからご支援頂いた資金から得た資金116,312円から今回のイベントに支出したのは、講師謝礼50,000円、材料費(純銀の棒)20,790円、工具送料1,610円、合計72,400円です。
資金の残金43,912円は、来年度の同時期に予定しているシルバーリングの費用に充当させていただきます。大助かりです。ありがとうございました。
リターンの発送は未了ですが、今回のシルバーリングの実施状況を記事に入れた紫翠苑だより2020春号を作成し次第、当該の方には順次郵送させていただく予定ですので、今しばらくお待ちください。なお、リターンのうち施設見学と体験のご案内については、後日計画が整い次第ご連絡いたします。
紫翠苑が初めて取り組んだクラウドファンディングが私たちにもたらしたものは小さくありませんでした。目標額が少ないのか多いのか、それすら分からず自信を持てないまま投稿のボタンを押したのがついこの間のこと。初めて募金していただいた時のワッという思いは忘れません。募金の一つ一つ、一人ひとりの思いをお聞きする機会はまだありませんが、紫翠苑がしていること、取り組んでいることの一端でも知っていただけたことは、私たちスタッフの背中を押してくれました。
ところで、紫翠苑が当面している課題の一つに、施設建物の全面改築という大きな問題があります。さ来年度に予定している工事の期間中は、シルバーリングも一度中断しますが、その大きな壁を乗り越えたらまた継続していくこと、できたら色々な方にこの感動を広げていきたいと東京芸術大学の講師の方たちと話をしています。
もしかしたら、次のクラウドファンディングは、紫翠苑の改築の際にかかる費用の一部を募金という形でお願いするかもしれません。東京芸術大学の講師の方からは、モニュメントとか、金属で作るものだったら応援できるよと力強い言葉をいただいています。
新しい時代に向けて、更生保護施設がどういう形になっていけばいいのか、私たち自身も手探りなところがありますが、将来への夢を描いていく上で、今回のクラウドファンディングを通じて肌で感じた世間のこと、その推移を見守ってくださった大勢の方々のことが今回一番の財産となりました。ありがとうございました。