津波で壊滅した徳泉寺を救った「はがき一文字写経」恩返しを今。

「歌には力がある」と信じて，ウタがわない。

1曲3分そこそこの歌でも、30分も1時間も話すよりは、ずっと説得力があることもある。聴く人に大いなるエネルギーを与えてくれる。まさに「歌力発電」である。電気は起こさないが、元気を興してくれる。

徳泉寺復興の「はがき一文字写経」は、「納経者第一号永六輔」という冠が、望外の呼び水となった。

しかし、「写経で本堂再建」は、気の遠くなる話である。広範囲に息の長い呼びかけを続けなければならないことは、容易に想像できた。そのためには「歌の力」だ、とも即座に感じた。前述（6月13日発信）の如く、「まけないタオル」は、やなせななさんの歌の力によって、全国に広まった。

ということで、徳泉寺の一心本尊に因んで、『ひとつの心』という「はがき一文字写経」のイメージソングを作詞した。

やなせななさんに作曲と歌を依頼。ご快諾をいただき、とても力強く、しゃれたアレンジの楽曲に仕上がって、ＣＤにもなった（ＣＤ『春の雪』に収録）。

やなせさんは、私とは宗派が異なる浄土真宗の僧侶でもある。「歌う尼さん」として注目を浴びて、震災当初は、全国のお寺を中心に、連日コンサートを行っていた。その時に、『ひとつの心』を披露し、徳泉寺復興にも触れて、写経の呼びかけをしてくださった。

やなせさんは、ここ山元町をはじめ、各被災地に何度も足を運び、惨状を目の当たりにして、歌を通して被災者に手を差し伸べてこられた。

歌もさることながら、時に涙して語るその言葉が、多くの人の心に響かないはずはない。そのおかげもあり、北海道から沖縄に至る全国の方から、写経が寄せられた。これまで延べ2200人の方が、1900枚を超える「はがき一文字写経」を納経して下さった。

永六輔さんとやなせななさんという二枚看板は、「はがき一文字写経」で徳泉寺復興へ向かうにあたり、絶大な説得力をもってアピールして下さった。ありがとうございます。

やなせななさんの歌う『ひとつの心』がＢＧＭに流れる徳泉寺復興「はがき一文字写経」アピール映像はこちらからご覧いただけます。