第一回放流を中日新聞に取材・掲載いただきました

　報告いたしました第一回親うなぎ放流を取材いただいた中日新聞に2019年11月2日朝刊に掲載いただきましたので転載して報告いたします。

浜名湖へ戻ると信じて

　マリアナ海溝へ産卵に向かう浜名湖の天然ウナギを市場で仕入れ、遠州灘に放流する「浜名湖発親うなぎ放流事業」の今季１回目の放流が１日にあった。稚魚のシラスウナギの不漁が続く中、業界関係者らは資源回復を願い、浜名湖から約2キロ離れた海上に、229匹（101キロ）を放した。

　ウナギは、10月半ばから地元の漁協支所に持ち込まれたも天然もの。漁船二隻に積み込み、舞阪漁港を出港。遠州灘と浜名湖を結ぶ今切口の沖推進10m、水温23度の海上で放した。放流は12月までにあと2回行う予定で、計800匹（約400キロ）の放流を目標としている。

　産卵を控えたウナギは、メスは7歳前後、オスは4歳前後で白い腹が銀色になり、産卵のため海に向かう。遠州灘からマリアナ海溝までは約半年かかると見られ、そこで生まれた稚魚がまた半年かけて日本の周辺に戻ってくるとされる。今年は長野大（長野県上田市）の研究で、親ウナギ一匹に発信機を付け、８カ月後にどこにいるかを調べる取り組みも同時に行われた。

　放流事業は、浜松、湖西市や養殖業者、ウナギ料理店の関係者らでつくる「浜名湖発親うなぎ放流連絡会」が2013年に始め、毎年実施。インターネットで出資を募るクラウドファンディングで事業費の一部を募り、今年は県内外かの32人から33万6千円が集まった。

　加茂仙一郎会長（59）は「必ず戻ってきてくれるはず。来年の漁期が楽しみと話した。（篠塚辰徳）