九州北部豪雨緊急支援へのご寄付のお礼と活動報告
この度は九州北部豪雨緊急支援にご寄付をいただきましてありがとうございました。九州北部豪雨が発生してから約1年が経とうとしていますが、皆さまからのご支援により、九州北部豪雨の影響を受けた子どもたちやその家族(計1,273名うち、子ども495名)に支援が届けられましたので活動報告をいたします。
セーブ・ザ・チルドレンは2017年7月の九州豪雨発生を受け、ニーズ調査、緊急支援物資の配布に続き、以下の支援を実施しました。
■子どもに対する心理社会的支援
①ものづくりワークショップを実施
被災によりいつもと違う夏休みを過ごしてきた子どもたちのストレスを和らげ、安心・安全な環境の中で、子どもらしい時間を過ごしてもらえたらー。
8月19日と20日には、被災の影響で、川遊びやプール遊びもできず、遠くに出かけることなども難しかった子どもたちのこころのケアのために、福岡県朝倉市の学童保育所と東峰村の2か所でものづくりワークショップを実施し、合計77人の子どもたちが参加しました。
今回のものづくりワークショップは、セーブ・ザ・チルドレンの緊急時の「子どもの心のケア(心理社会的支援)」の活動の一環として実施しました。活動を通じて、被災した子どもたちや家族、そしてコミュニティの日常性の回復やレジリエンスを促進しました。
②「子どものための心理的応急処置」の研修を実施
セーブ・ザ・チルドレンは、8月2日の夜、福岡県朝倉市において緊急下の子どものこころのケア「子どものための心理的応急処置」の研修を実施しました。同市から、公立・私立保育所の保育士、放課後児童クラブ支援員を対象とし、約140人が参加しました。
研修では、災害時における一般的なストレス反応、子どもの認知発達段階別のストレス反応、「見る・聴く・つなぐ」というPFA*(下記参照)の行動原則、とりわけ「聴く(傾聴)」のポイントや一人で問題を解決しようとせず専門家に「つなぐ」大切さなどを伝えました。
※「子どものためのPFA」とは?
「子どものためのPFA」は、世界保健機関(WHO)などが作成したPFAマニュアルをもとにセーブ・ザ・チルドレンが2013年に開発した、子どもの認知発達段階の特性にあわせて、災害時にストレスを抱えた子どものこころを傷つけずに対応するための手法です。現在、災害医療をはじめとする緊急・復興支援に関わる関係者から注目を集めています。
■保育所・学童保育所への支援
被災した福岡県朝倉市の保育所・学童保育所計3ヶ所へ備品を提供しました。また、夏休みの保育を保障するために、大分県日田市の学童保育所1ヶ所に職員を派遣するほか、日田市の学童保育支援員を対象に研修を行いました。
■給付金の提供
子どもたちの学校生活、進学・就職に支障が出ないように、福岡県朝倉市・東峰村にて、住宅が半壊以上の家庭の中高生82人に給付金を支給しました。
セーブ・ザ・チルドレンは引き続き、困難な状況にある子どもたちやその家族の活動に取り組んでまいりますので、今後も活動を支えていただければ幸いです。
改めましてこの度のご支援に心より御礼申し上げます。