宮崎 飫肥藩の名家伝来の刀を里帰りさせ、持ち主に返礼したい
支援総額
目標金額 3,000,000円
- 支援者
- 33人
- 募集終了日
- 2018年7月20日
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- 1,070,000円
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- 50人
- 残り
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プロジェクト本文
「刀狩り」とは、豊臣秀吉が検地と一緒に行った史実が有名ですが、実は太平洋戦争の後にも、大規模な刀狩りがあった事をご存知でしょうか?
終戦直後から進駐軍は全国に残る刀剣類を接取し始め、もし隠した場合には罰せられるという噂も流れた中、全国で20万振り以上とも言われる数が集められました。これらは、海に投げ捨てられたり、ガソリンをかけて焼却処分されました。
多くの方の努力により、5,600振り程は返還されましたが、殆どは行方知れずとなり、その中には、国宝に指定されていた「蛍丸」や「本庄正宗」なども含まれています。関東地方で集められた刀が一時期赤羽に保管されていたので、総称して「赤羽刀」と呼ばれています。
そのうちの一振りである、宮崎県飫肥藩の名家・伊東氏が家宝として所有していたと推察される日本刀が米国で発見されました――。
「昭和の刀狩り」で接収された太刀の返還プロジェクト。
こんにちは。矢野貴志と申します。普段は、日本の伝統工芸を海外に発信する仕事をしています。2017年秋、ネット上に一枚の日本刀の写真を見つけました。
その刀には、宮崎県飫肥町十文字(現在の日南市)の伊東松作と書かれた木札がついていました。赤拵えの見事な太刀(銘藤原国筧=山城国1644年没)で、第二次世界大戦後、「昭和の刀狩り」で接収され、米兵によって本国に持ち帰られた一振りと考えられます。
現在の持ち主である同米兵の子孫にコンタクトをとってみたところ「元の持ち主の子孫が見つかるのなら、無償で返却したい」という意向を伺うことができました。
日南市と協働し、この刀の返還プロジェクトを実施できるようになったのですが、返還に際し、日本に持参・移送するために必要な費用やその他諸費用を負担する予算がありません。また、米国の子孫の方に善意でご提供・協力いただくのに対し、返礼品も無しに手ぶらで返すわけにはいかないと考えており、現代の日本刀を作刀し、贈呈したいと考えております。
この返還プロジェクトの実現のためには、合計300万円の資金が必要です。昨年秋から多くの方々のお力添えをいただいて、ここまで形にすることができました。あとは資金面での工面ができれば、プロジェクトを実現することができます。皆様のご支援をよろしくお願いいたします。
2017年、秋。ネット上にて日本刀を発見!
私は仕事の情報収集のため、普段から日本の職人技や工芸品についての海外ネットにアクセスするのですが、そのようなサイトでは、かなりの頻度で海外の方が持つ日本刀の素性についての質問を目にします。
そんな中、昨年2017年10月、ネット掲示板Redditを見ていたら、アメリカ人からこんな写真が投稿されていました。
「この刀、何かの木札がついてるけど何だろう?」とのコメント。
私は、「これ、元の持ち主の名前と住所だよ。」と、返してみました。
木札の鮮明な写真を再アップして貰って、よくよく見てみると「飫肥」という文字。最初は読み方さえ分かりませんでしたが、なんとか「オビ」であると調べ、「宮崎県飫肥町十文字にいた伊東松作さんって人が持っていた刀だな。大切にされてた家宝だよ。」と返信しました。
すると、「じいさんが戦争でフィリピンに行って、持って帰ってきた刀なんだ。元の持ち主が分かるなら返したいなぁ」とのこと。フィリピンは関係無いだろうとは思いましたが、そこは無視して「返す気があるのなら調べてみるよ」とコメントを繋ぎ、とりあえず飫肥町のある日南市の市役所に電話をしてみました。
すると日南市の方から「伊東って、飫肥藩の藩主の苗字ですが。」と衝撃の回答。
丁寧にご対応いただき、松作さんなる方の素性を調べて貰える事になりました。
「昭和の刀狩り」
GHQに接収された赤羽刀とは――。
1945年(昭和20年)9月、当時日本を占領していた連合国軍(GHQ)は、日本の武装解除の一環として全国に刀剣などの武器類の提出を命じ、警察署を通して集められた刀剣類の大部分は海洋投棄などの処分とされてしまいました。また、兵士によってアメリカに持ち去られていたものも数万に及ぶと考えられています。
関東及び東海地方の民家から接収された20万口を超える膨大な刀剣類(脇差、鎗、薙刀などを含む)は、アメリカ軍の米陸軍第8軍兵器補給廠(当時、東京都北区赤羽に所在)に集められました。これらの刀剣類は保管された場所から「赤羽刀」と呼ばれています。他の地域でも同様に接収が進められ、全国では数百万の刀剣類は集められたと見込まれますが、実数は明らかになっていません。
1947年(昭和22年)に、関係者の努力により美術的価値の高いもの約5,600口が日本に返還され、その後、現所有者への返還が始まり、1,132口が所有者などに返還されましたが、4,576口が所有者不明のまま、国の所有として東京国立博物館の収蔵庫で保管されました。
戦前より国宝に指定され名刀として名高かった「蛍丸」や「本庄正宗」をはじめ、数多くの名刀がいまだ行方不明のままです。
宮崎県飫肥町十文字 伊東松作氏ご子孫の消息が判明
伊東松作さんは、飫肥藩4代目藩主から分家した家老の家柄の方で、昭和36年までご存命だったそうです。その住居「旧伊東伝佐ェ門邸」はなんと、状態良く保存された武家屋敷として、現在では飫肥町の観光名所となっているそうです。
ご子孫はどちらに、と追加調査をお願いしたところ、方々に手を尽くして調べていただき、お孫さんが大阪にいらっしゃると判明しました。ご本人に電話で経緯を説明したところ、大層驚かれて、ありがたいお話だと仰っていただきました。
やはり、戦後の刀狩りで20振り程あった家宝の刀は、取り上げられてしまったとの事でした。ここまでが、昨年末までのお話です。
松作さんの写真もお借りしたので、米国の持ち主の方へスキャンして送ったところ、子孫の消息が分かったことを大変喜んでくれました。
日向・飫肥藩の名家 伊東氏。
伊東氏は、平安時代末期から鎌倉時代にかけて伊豆国田方郡伊東荘(現静岡県伊東市)を本貫地としていた豪族で、藤原南家・藤原為憲の流れを汲む工藤氏の一士族です。
伊東氏と日向国の関係は、「曾我兄弟の仇討ち」で知られる工藤祐経の子伊東祐時が、鎌倉幕府から日向の地頭職を与えられて庶家を下向させたことが始まりです。室町~戦国期を通じて、伊東氏は隣国の島津氏と抗争を繰り返しながら日向国を中心に版図を広げていきましたが、元亀3年(1572年)、木崎原の戦いで島津義弘に敗北したのを契機に衰退し始めました。一時的に国を追われたものの、伊東祐兵が中央に逃れて羽柴秀吉の家臣となり、天正15年(1587年)の九州平定で先導役を務め上げた功績を認められ、日向の大名として復活しました。
慶長5年(1600年)の関ケ原の戦いでは、祐兵は病の身であったため、家臣を代理として東軍に送っています。その功績により所領を安堵され、以後、伊東氏は江戸時代を通じて廃藩置県に至るまで飫肥藩主として存続することになりました。なお、この伊東氏の一族からは、天正遣欧使節の主席正使としてローマに赴き、教皇(グレゴリウス13世)に拝謁した伊東祐益(マンショ)などを輩出しています。
日本への返還が決定!
子孫の方も見つかり、今後の事もあるのでお互い顔出しして話をしようと、2月に入ってからようやくSkypeでのコンタクトが実現しました。そこで、「是非、日本に行って子孫の方にお返ししたい。」との申し入れがありました。
持ち主は、アメリカ某州でハンティングキャンプを経営している方でした。ネットに上げていたのは、実は息子のSamさん。持ち主ご本人はJeffさんで、陽気な奥さんも合わせて絵に描いたようなアメリカン一家でした。
これから春にかけ狩猟シーズンで忙しくなるので、日本へ行けるとすれば秋頃だろうという話でとりあえず落ち着きました。
持ち主の意向を松作さんのお孫さんに伝えたところ、刀の返還はありがたいことだけれども、研磨や保管の事を考えると、とても個人で保有するのは無理なので、日南市に寄贈したいとのご意向です。
調整の結果、返還後は日南市によって正式に鑑定等がなされ、保管・展示されることになりました。銃刀法等に関する手続きも日南市によって実施される予定です。こうして、返還の手筈は整いました。
江戸初期作刀の由緒ある日本刀を返還いただけるのに対し、戦争直後のゴタゴタで取り上げられたものとはいえ、それを善意で返しに来ると言ってくれているアメリカ人を手ぶらで帰して良いものか? 日本人として、それは如何なものか? と、考えました。
そうして思いついたのが、刀を返してくれるのなら、こちらも刀をお返ししてはどうかということです。地縁を考え、宮崎に名工はいないものかと探したところ、日向市在住の名工、松葉國正氏のことを知りました。
日本刀の国際化にも積極的に取り組まれており、正にうってつけの刀匠です。日南市から打診していただいたところ、魂を込めて刀を打ってくれるとのお返事をいただきました。
費用は、短刀なら60万円、脇差なら80万円、白鞘の太刀で150万円。納期は3カ月。持ち主は自費で日本に来るつもりではありますが、出来れば、交通費や滞在費などもこちらで負担して、招待という形にしたいと考えています。必要な経費、Readyforの手数料を含むと300万円の費用が必要になります。項目は以下の通りです。
個々費用 税込み 積 算 項 目
600,000 648,000 -----------> 短刀
800,000 864,000 -----------> 脇差
1,500,000 1,620,000 -----------> 大刀(白鞘)
275,000 297,000 1,917,000 飛行機代 米国~成田(往復)
25,000 27,000 1,944,000 羽田~宮崎(往復/一人)
50,000 54,000 1,998,000 飫肥飲食・宿泊 (二泊/一人)
90,000 97,200 2,095,200 東京飲食・宿泊 (三泊/一人)
275,000 297,000 2,392,200 飛行機代(二人目) 米国~成田(往復)
25,000 27,000 2,419,200 羽田~宮崎(往復/二人目)
25,000 27,000 2,446,200 飫肥飲食・宿泊 (二泊/一人分追加)
45,000 48,600 2,494,800 東京飲食・宿泊 (三泊/一人分追加)
戦後に行われた昭和の刀狩りは、日本人が刀に対して抱いてきた魂が大きく損なわれたものではありました。しかし、70年以上が経過し、こうして好意的な形で返還が行われる事は、日米間の友好の成熟を示すと共に、ある意味で一つの戦後の終わりとも言えるかと思います。
多くの方々の支えがあって、今回のプロジェクトを実現することができます。特に、伊東氏や飫肥に縁のある方々にもご賛同頂ければと願っております。
プロジェクトの詳細につきましては、Facebookも立ち上げましたので、こちらもご覧下さい。
https://www.facebook.com/Obi.no.Katana/
どうぞ皆様、ご支援のほどよろしくお願いいたします。
物品としてお返しできるものは何も無いのですが、主催者として以下を考えています。
1. 返礼の刀に添える目録に賛同者のお名前を記載
2. 飫肥の旧伊東伝左衛門邸で実施予定の返還式へのご出席(人数調整のうえ)
3. プロジェクト詳細経緯報告書
4. 飫肥と東京で開催予定の持ち主を交えた懇親会へのご参加
その他、ご希望やアイディアがあれば、可能な範囲でお応えしたいと考えています。
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プロフィール
昨年、27年間勤めたIT企業を辞め、日本の伝統工芸を海外に発信する事業を立ち上げました。今は、特に手漉き和紙に力を入れており、全国の職人さんを一人づつ訪ね歩く日々です。日本の職人さんが作るモノは、今回の日本刀のように何百年経っても色褪せないものだと、改めて実感しました。実は、宮崎県は、大分から鹿児島に車で移動中に、都城でから揚げ定食を食べた(旨かった)という経験しかなく、返還式で飫肥に行くのを楽しみにしています。
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リターン
5,000円
5,000円コース:報告書送付と懇親会へのご案内
■ プロジェクトの詳細経緯報告書、及びお礼の手紙をお送りします。(メール又は郵送)
■ 飫肥と東京で開催予定の持ち主を交えた懇親会へのご参加案内をお送りします。
- 申込数
- 29
- 在庫数
- 制限なし
- 発送完了予定月
- 2018年12月
10,000円
10,000円コース:返礼品目録に賛同者のお名前を記載
■ 返礼の日本刀に添える目録にご賛同頂いた方のお名前を記載致します。
※ 自筆署名をデータでお送り頂き、手漉き和紙巻き紙に印刷する予定です
■ プロジェクトの詳細経緯報告書、及びお礼の手紙をお送りします。(メール又は郵送)
■ 飫肥と東京で開催予定の持ち主を交えた懇親会へのご参加案内をお送りします。
- 申込数
- 16
- 在庫数
- 制限なし
- 発送完了予定月
- 2018年12月
5,000円
5,000円コース:報告書送付と懇親会へのご案内
■ プロジェクトの詳細経緯報告書、及びお礼の手紙をお送りします。(メール又は郵送)
■ 飫肥と東京で開催予定の持ち主を交えた懇親会へのご参加案内をお送りします。
- 申込数
- 29
- 在庫数
- 制限なし
- 発送完了予定月
- 2018年12月
10,000円
10,000円コース:返礼品目録に賛同者のお名前を記載
■ 返礼の日本刀に添える目録にご賛同頂いた方のお名前を記載致します。
※ 自筆署名をデータでお送り頂き、手漉き和紙巻き紙に印刷する予定です
■ プロジェクトの詳細経緯報告書、及びお礼の手紙をお送りします。(メール又は郵送)
■ 飫肥と東京で開催予定の持ち主を交えた懇親会へのご参加案内をお送りします。
- 申込数
- 16
- 在庫数
- 制限なし
- 発送完了予定月
- 2018年12月
プロフィール
昨年、27年間勤めたIT企業を辞め、日本の伝統工芸を海外に発信する事業を立ち上げました。今は、特に手漉き和紙に力を入れており、全国の職人さんを一人づつ訪ね歩く日々です。日本の職人さんが作るモノは、今回の日本刀のように何百年経っても色褪せないものだと、改めて実感しました。実は、宮崎県は、大分から鹿児島に車で移動中に、都城でから揚げ定食を食べた(旨かった)という経験しかなく、返還式で飫肥に行くのを楽しみにしています。