走る事で日本と台湾の友好を深化させたい

2016年の東北チャリティランは17日間の行程中、初日の距離が最も長く、静岡県富士市から神奈川県横須賀市まで、94kmありました。
途中湘南海岸沿いを通りましたが、鎌倉に近い七里ヶ浜のコンビニの駐車場で休憩していると、20代と思わしき若い男性二人が声を掛けてきました。
「僕たち『禅』の研究をしている者なのですが、関家さんの今回の活動にすごく関心を持ちまして、応援に来ました。良かったらこれ受け取って下さい」と、私にTシャツを差し出しました。
「ありがとう。せっかくだから今着るよ」と、白いTシャツを受け取り、その場で着替えます。
Tシャツには中国禅宗の開祖である菩提達磨の肖像が大きく描かれ、その下に「無功徳」という字が書かれていました。
「無功徳」とは「善い行いのつもりで物事に当たっていても、その事に対して見返りや報いを求めない」という姿勢を指します。
なるほど、当時この東北チャリティランを行うキッカケになった米軍のトモダチ作戦、そして自衛隊の震災直後の行動は正にこの無功徳の姿勢そのものであり、その事に心を打たれて行動を起こした私の姿勢もまた無功徳であって然るべきという事を　この言葉が教示していたように思いました。
東北チャリティランは、特に身体的にかなり厳しい走りになりましたが、初日に頂いたこのTシャツのメッセージを思い出すと、何だか気持ちが楽になるような気がしました。
何故なら私が完走しようがしまいが、世界が大きく変わるようなものでもなく、神様のご加護があるわけでもない。
結果や何かの見返りを求めているわけでもないので、却って今現在の自分自身に気持ちが集中できたのではないかと思います。
先の事は誰にも分かりません。
今回も「魔さかの坂」が幾つも現れる事だと思いますが「無功徳」の精神で全てを受け入れながら、臨みたいと思っています。