生命危機が迫る外傷患者を一人でも多く救う、研究・臨床の継続へ

寄付総額

5,693,000

目標金額 5,000,000円

寄付者
188人
募集終了日
2020年6月8日

    https://readyfor.jp/projects/Acute_Care_Surgery?sns_share_token=
    専用URLを使うと、あなたのシェアによってこのプロジェクトに何人訪れているかを確認できます
  • Facebook
  • X
  • LINE
  • note
2020年05月25日 09:00

患者の幸せや価値観に目を向けられる医師でありたい -恩田 禎子-

【アキュートケアサージャリー】一一このAcute Care Surgery(ACS)について、今回のクラウドファンディングで初めて聞いた方も多いと思います。

日本では一般的に「外科医」と「救急医」を、異なる分野として考えます。それぞれ高める技術の専門性が違うため、例えば、<重篤な患者が緊急で運ばれてきた場合、手術に秀でた外科医が救急の時間帯にいなければ、それで救えない命がある>というのが日本の現状です。ACSは、救急と外科手術の高い知識と経験を持ち合わせ、迅速に高度な治療を行うことのできる「救急外科医」が働く、新しい分野です。

加えて、感染症専門医ではありませんが、新型コロナウイルス感染症の影響が続く中で、「災害医療」の専門家として、未曾有の事態に日々対応もしています。この困難な状況下で、冷静かつ柔軟に力を発揮すべく、医療・研究活動に邁進しているのがACSです。

READYFORのキュレーターが、ACSで活躍する先生たちへのインタビュー取材を行いました。第4回は、恩田 禎子(おんだ ていこ)先生にお話をお伺いしました。

 

ACSは理に適った医療体制で「働き方に改革」を。出産・育児を考える女性医師にとっても活躍できる環境

一一 恩田先生は、今年4月から後期研修医としてACSに入局されたんですね。ACSで、これからずっと務めることになるのでしょうか。

まだ始めたばかりなので、今はとにかく“仕事に慣れる”という状態で、技術の習得に専念をしている段階なので先のことは未定ですが、救急科専門医の資格取得のために、最低3年間は後期研修医をここで務める予定です。

 

ただ、この先の進む道によっては、ACSに来る前に外科医として活躍されていた先生方がいるように、私自身も専門分野を決めて、その腕を磨くために、ACS以外の場所に移ることもあり得ると思います。

 

 

一一 また、先生はACSに入局した初めての女性医師と言うことで、(個人的には性別も関係なく“医師”として活躍されていることが素晴らしいと思いますが、)非常に期待されていることがあるとお伺いしました。

「救急」だけであれば活躍している女性医師は多いのですが、「外科」の領域には女性医師は少ないことは確かです。更に、そもそも救急外科医自体が少ないので、女性はほぼいなくて、今ACS講座にいるのは私だけです。

 

 

一一 そうなんですね。「外科医の場合には体力がないとダメ」など、男性優位な観点が存在するからでしょうか。

もしかしたら、それもあるかもしれませんが……。女性でも全然できるとは思っていますし……、大きな問題は別のところにあると思います。一般的に、女性外科医は少ないと言われていますが、内科に比べると技術の修練に時間もかかり、時間的拘束が多くハードワークであるために、一人前になる前/なった後、どのタイミングを取っても、いつ妊娠して出産して子育てを行うのか……という問題に直面してしまいます。

 

私もACSに入るにあたって迷う部分はありましたが、普通の外科と救急外科の異なる点で、「シフト制」で働けるところに魅力を感じて入局を決めた部分もあります。ACSでは、1日24時間、週7日間を緊急症例に対応できるように日勤・夜勤のシフト制を含んだチーム制を取ることで、急性期外科患者さんへの迅速な処置ができるような体制を組んでいます。

 

医師全員が全ての患者さんの状態を把握しているので、自分が出勤していない時間でも誰か他の医師がカバーできる体制です。産休・育休を取得しにくいと懸念される女性でも働きやすいと思います。もちろん、男性も働きやすい環境ですよね。

 

 

一一 性別の区別なく仕事に情熱を持ち、同じような能力にもかかわらず、出産・育児のために休むと評価がされない、あるいは離職しなければならないのは、どんな職種においても課題ですが、ACSの取り組みに是非注目が集まって欲しいです。

そうですね。なので、ACSの新しい魅力というか、「医療の働き方改革」のような観点から、私が女性医師の第一号として、この制度を実際に運用・改良に貢献すること、あるいは、ACSを通じて女性医師が働きやすい体制を国内に普及していくことも狙いとしてあるのかなと思います。

 

 

 

憧れだった医師の姿をそのままに、「救命」ができることを目指して常に走ってきた

一一 恩田先生は、なぜ医師を目指して、ACSへの入局を決めたのでしょうか。

中学3年生くらいの時に、医療ドラマにはまってしまって。「本当にカッコいい!」という憧れのイメージを抱いたまま、親にも「医学部を目指す」と言って、田舎から進学校に進んで、そのまま現在まで来てしまいました(笑)。

 

ここに来る前は、産婦人科と迷っていました。研修医として産婦人科でもたくさん学ばせていただいたのですが、ACSでは、妊婦さんに関わらず、救急車で運ばれてきてから退院するまで、急性期から準急性期程度まで、一貫して全身管理して診ることができます。まさに突き進んできた「自分の憧れ」が、目の前にいる患者さんの救命だったので、ACSを選択しました

 

 

一一 今、現場に出て患者さんへの手術や治療もされるんですよね。

例えば、必要に応じてその場で迅速に開胸をしたり、大動脈遮断をしたり……そういうことができる一人前になるまで、一人でドクターカーに乗ることはできないんですが、そういった鍛錬を開始したところです。

 

当たり前ですけど、最初はわからないことばかりで。もちろん先輩医師がしっかり対応するんですが。「目の前に横たわる患者さん……、それで、この状況どうにかしないといけない……、どうする?」という局面に立たされて、しっかりできない自分に凹む暇もなく、とにかくがむしゃらに駆り立てられながら経験して、体で覚えて後で理論付けて勉強して、その繰り返しで毎日あっという間ですね。

 

 

患者さんの幸せや価値観に目を向けることにエネルギーを注ぎ、治療ができる医師でありたい

一一 日々、本当に大変だと思うのですが、先生が医師として頑張っていくために支えにしている言葉や考え方はありますか。

産婦人科での研修時の話になってしまいますが、「日々忙殺されつつ症例をどんどん消化して学ぶことも大事だけど、患者さんと丁寧に向き合って『自分の心で考える経験』をたくさん積みなさい」と言われたことは印象に残っています。

 

たくさんの妊婦さんを診る機会があって、時には宗教や国籍が異なるお母さんもいました。そんな中で過去には、「羊水の状態から障がいを持った子が生まれる可能性があるかもしれない」ということが分かった時……、その場で医師のできることは「診療」の域を超えているというか、もはやそこで求められていることが診療を逸脱していて、医療だけでは完結できない事例に直面しました。

 

 

一一 確かに……、非常に難しい場面ですね。

医師の視点からは、赤ちゃんが生まれたとしても人工呼吸器は必ず必要になる未来が見えている。でも、お母さんをはじめ家族にとっての幸せはそれぞれに異なるし、これから生まれてくる赤ちゃんの未来の幸せなんて想像しても分からない。

 

「これからどうしよう」という不安に対して、単純かもしれませんが、「寄り添って一緒に考える」ということの重要性を身を以て理解しました。医療の技術に付随して「様々な人々の多様な考え方に触れて、自分の心で考える経験を積む」ということを、意識してできないと、これは一生身に付かないことだと感じました。

 

 

一一 今でも意識する場面はありますか。

特に救急では、看護師さんの方が、患者さんの精神面でのサポートをする時間が長くて、医師としては「救命」こそ第一です。しかし、「患者さんの実態を見る」という意味で、その人にとっての幸せや価値観に対しても、目を向けることにちゃんとエネルギーを注ぐ必要性がある。それを医師として忘れないようにしています。私たちとの接点がなくなった後も、患者さんにも当たり前に未来の暮らしがありますから。

 

 

 

ACSにおいて臨床や研究が進めば、それによって救える命がまだたくさんある

一一 クラウドファンディングを通じて、ACS講座を是非日本国内での認知がより高まればと思っています。恩田先生が思い描く、ACSが当たり前の社会はどう言ったものですか。

やはり最初の方で伝えた、女性のライフスタイルに合った医療制度を、ACSを通じて開拓することができたらと思います。私のようにずっと憧れていた職業としての外科や救急外科に、働き方のせいで諦めるなんてことがない未来を作りたいです。

 

あとは「心臓が動いている段階でACSに来たら死なない」ということを、ACSの他の先生が言っていたんですけど、実際に働いてみて、それは嘘じゃないと実感しています。ACSの仕組みが全国に構築されて、最適な環境で、迅速な手術が行えるようになれば、例えば不慮の事故で亡くなってしまうというようなことを、少なくできるんじゃないかと本当に思っています。

 

ACSが普及することもそうですが、今のACSだけでも臨床や研究が進めば、従来の治療法に大きなインパクトが与えられて、それによって救える命がまだたくさんあると思っています。是非クラウドファンディングを通じて、大勢の皆様にご支援をいただけるととても嬉しいです。

 

【救出困難と考えられる外傷や疾患を救命できるように、研究を重ね、一人でも多くの患者さんを救命可能に】

今回のクラウドファンディングhttps://readyfor.jp/projects/Acute_Care_Surgeryでは、一年間、重症外外傷患者の治療に関する研究(研究成果の発表による出張費用、英文校正費用、研究実施費用(実験動物等を含む)など)を行うための資金として、500万円の寄附を募っています

救命が困難と考えられる外傷や内因性疾患を救命できるよう、「治療法の研究」を行うこともACSの大切な役割です。全国に一つしかないこの場所で、多くの若き外傷外科医が研究と臨床を実践できるよう発展させることが、日本全体の外傷死を減らし、家族や大切な人が外傷によって命を落とすことのない社会へ一歩近づけることに繋がります。どうか皆様のご支援をよろしくお願いいたします。

インタビュアー/READYFORキュレーター・田島沙也加

◆プロフィール:恩田 禎子(おんだ ていこ)

島根大学医学部 Acute Care Surgery講座 専攻医

出身大学:

島根大学(平成30年卒業)

専門分野:

Acute Care Surgery(外傷外科、救急外科)、救急医学

 

本プロジェクトへのご寄附は以下から

※本プロジェクトにいただいたご寄附は、税制上の優遇措置を受けることができます。

 

 

 

ギフト

3,000


alt

①領収証発行およびお礼状の送付 ※1
②進捗報告の活動報告冊子(PDFデータを電子メールにて送付)

※1 領収証は本クラウドファンディング成立後、2020年8~9月頃の発送予定

寄付者
54人
在庫数
制限なし
発送完了予定月
2021年8月

10,000


alt

①領収証発行およびお礼状の送付 ※1
②進捗報告の活動報告冊子(冊子郵送)
③活動冊子にお名前掲載(希望者のみ)
④本学における研究成果報告会開催 ※2

※1 領収証は本クラウドファンディング成立後、2020年8~9月頃の発送予定
※2 研究成果報告会は2021年夏~秋頃を予定

寄付者
86人
在庫数
制限なし
発送完了予定月
2021年8月

30,000


alt

①領収証発行およびお礼状の送付 ※1
②進捗報告の活動報告冊子(冊子郵送)
③活動冊子にお名前掲載(希望者のみ)
④本学における研究成果報告会開催 ※2
⑤報告会開催後にハイブリッドERおよびドクターカーの見学会を行います ※2

※1 領収証は本クラウドファンディング成立後、2020年8~9月頃の発送予定
※2 研究成果報告会は2021年夏~秋頃を予定

寄付者
24人
在庫数
制限なし
発送完了予定月
2021年8月

50,000


alt

①領収証発行およびお礼状の送付 ※1
②進捗報告の活動報告冊子(冊子郵送)
③活動冊子にお名前掲載(希望者のみ)
④本学における研究成果報告会開催 ※2
⑤報告会開催後にハイブリッドERおよびドクターカーの見学会を行います ※2
⑥当医局HPに寄付者名掲載(個人のお名前のみ、法人名掲載不可) ※3

※1 領収証は本クラウドファンディング成立後、2020年8~9月頃の発送予定
※2 研究成果報告会は2021年夏~秋頃を予定
※3 掲載期間は1年間です

寄付者
13人
在庫数
制限なし
発送完了予定月
2021年8月

100,000


alt

①領収証発行およびお礼状の送付 ※1
②進捗報告の活動報告冊子(冊子郵送)
③活動冊子にお名前掲載(希望者のみ)
④本学における研究成果報告会開催 ※2
⑤報告会開催後にハイブリッドERおよびドクターカーの見学会を行います ※2
⑥当医局HPに寄付者名掲載(★法人名も掲載可能) ※3

※1 領収証は本クラウドファンディング成立後、2020年8~9月頃の発送予定
※2 研究成果報告会は2021年夏~秋頃を予定
※3 掲載期間は1年間です

寄付者
11人
在庫数
制限なし
発送完了予定月
2021年8月

300,000


alt

①領収証発行およびお礼状の送付 ※1
②進捗報告の活動報告冊子(冊子郵送)
③活動冊子にお名前掲載(希望者のみ)
④本学における研究成果報告会開催 ※2
⑤報告会開催後にハイブリッドERおよびドクターカーの見学会を行います ※2
⑥当医局HPに寄付者名掲載(★法人名も掲載可能) ※3
⑦Acute Care Surgery講座研究室内に寄付者名掲載(小サイズ) ※3

※1 領収証は本クラウドファンディング成立後、2020年8~9月頃の発送予定
※2 研究成果報告会は2021年夏~秋頃を予定
※3 掲載期間は1年間です

寄付者
0人
在庫数
制限なし
発送完了予定月
2021年8月

500,000


alt

①領収証発行およびお礼状の送付 ※1
②進捗報告の活動報告冊子(冊子郵送)
③活動冊子にお名前掲載(希望者のみ)
④本学における研究成果報告会開催 ※2
⑤報告会開催後に研究室の見学会を行います ※2
⑥本学HPに寄付者名掲載(★法人名も掲載可能) ※3
⑦Acute Care Surgery講座研究室内に寄付者名掲載(中サイズ)
⑧ドクターカー(車外)に寄付者名掲載(中サイズ) ※3

※1 領収証は本クラウドファンディング成立後、2020年8~9月頃の発送予定
※2 研究成果報告会は2021年夏~秋頃を予定
※3 掲載期間は1年間です

寄付者
2人
在庫数
1
発送完了予定月
2021年8月

1,000,000


alt

①領収証発行およびお礼状の送付 ※1
②進捗報告の活動報告冊子(冊子郵送)
③活動冊子にお名前掲載(希望者のみ)
④本学における研究成果報告会開催 ※2
⑤報告会開催後にハイブリッドERおよびドクターカーの見学会を行います ※2
⑥当医局HPに寄付者名掲載(★法人名も掲載可能) ※3
⑦Acute Care Surgery講座研究室内に寄付者名掲載(大サイズ) ※3
⑧ドクターカー(車外)に寄付者名掲載(大サイズ) ※3

※1 領収証は本クラウドファンディング成立後、2020年8~9月頃の発送予定
※2 研究成果報告会は2021年夏~秋頃を予定
※3 掲載期間は1年間です

寄付者
1人
在庫数
1
発送完了予定月
2021年8月

記事をシェアして応援する

    https://readyfor.jp/projects/Acute_Care_Surgery/announcements/133266?sns_share_token=
    専用URLを使うと、あなたのシェアによってこのプロジェクトに何人訪れているかを確認できます
  • Facebook
  • X
  • LINE
  • note

あなたにおすすめのプロジェクト

注目のプロジェクト

もっと見る

新着のプロジェクト

もっと見る