
プロジェクト本文
▼自己紹介
はじめまして、ホビー向け超音波式風向風速計を開発している新井と申します。
私の長年の趣味は電子工作ですが、十数年前からパラグライダ-もやっていて、現在は両方の趣味が組み合わさったような感じで風向風速計を作っています。
▼プロジェクトを立ち上げたきっかけ
自分が練習しているパラグライダーエリアに風向風速計がほしいと思うようになったのが開発を始めたきっかけです。
最初は市販の風向風速計を購入することも考えましたが、丈夫で長期間高い信頼性を発揮してくれそうなものは高価で、安価なホビー向けの風向風速計は経年変化が大きく、台風が来るとよくプロペラが飛ばされてしまうという話も聞きました。
そこで自分で自作することを決意し、頑丈で長期間安定して高い信頼性で風向風速を計測でき、しかも安価なことを目標に開発に着手しました。
すべての要件を満たせそうな方式として超音波式に着目し、数年間の試行錯誤を経て2017年に実用レベルの風向風速計WM7の試作に成功し、自分たちのパラグライダーホームエリアの発着場に設置して運用を開始しました。
この風向風速計は大型台風の暴風にも耐え、4年以上経過した現在も正確な風向風速を送信し続けています。WM7はMakerFaire 2018でも出展し好評価をいただきました。
風向風速計の開発を進めているうちに、超音波式なら実用的な風向風速計をホビー向けキットとして提供することが可能だと考え、DIY超音波式風向風速計キットWM10の開発に着手しました。
▼プロジェクトの内容
皆様から頂いたご支援で試作段階のWM10を完成させ、キットの製作、完成品の製作等を行います。
すでに原理試作は完了していて良好な結果が得られています。
超音波式風向風速計WM10について
■ どうやって超音波で風向風速を測定できるのか ■
計測機本体にはステンレスのスペーサー(柱)で隔てられた30mmの隙間が開いています。
この隙間の上の面に三つの超音波送受信機が取り付けてあり、それぞれの送受信機から順に超音波が発射されて下側の反射板に反射して受信側に届き、計測機のマイコンがその伝達時間を測っています。
計測機の隙間を風が通り抜けるとき、超音波が追い風に乗って伝わっていればその分だけ早く伝わり、向かい風なら遅く伝わります。
この時間差から三つのベクトル成分の風速を計算し、さらに幾何学的計算でXY軸方向の風速に変換します。
さらにXY軸を東西、南北方向としてベクトル演算することで風向と風速を計算することができます。
■ シンプルで組み立てやすい ■
風向風速計本体のプリント基板は直径が約6cmのおむすび型の基板1枚で、実装する電子部品はすべてDIP部品を採用していますので容易にハンダ付けできます。
※WM10ケーブルキットのレシーバー基板では2個だけ表面実装部品がありますが、はんだごてで実装しやすいように比較的大きめの部品を採用しています。
■ 難しい校正が不要 ■
機械式の風向風速計を自作した場合はプロペラの回転力や軸受けの抵抗などがあらかじめ精確にわからないので、風洞を用いた初期校正を行わなければ高い精度で測定ができません。
しかし、ホビーとして初期校正を行うのは困難です。
超音波式は音速やセンサーの間隔などの物理量があらかじめ精確にわかっており、音波が伝わる時間を計測することで直接空気の動きを測定しますので初期校正が不要です。
組立後に一回だけ無風の条件におけるキャリブレーションが必要ですが、キャリブレーションはパソコンからコマンドを送るだけで自動的に行われます。
■ シンプルな構造で堅牢かつ経年変化しません ■
プロペラ式や風杯式などのメカニカルに動作する風向風速計は風向の測定と風速の測定それぞれのメカニズムが必要で、しかも摩耗などの問題があるため経年変化してしまいます。
また、プラスチックなどの素材でできたメカ式の風向風速計は強風で破損しがちです。
超音波式は空気の動きを直接測定するので風向と風速が同時に測定でき、メカニカルに動く部分がないので摩耗による経年変化がありません。 故障しない限り高い計測精度を維持します。
強風で破損する可能性もほぼありません。
また、ケースに用いる塩ビパイプは耐候性にも優れています。
返礼品として提供するキットについて
超音波式風向風速計WM10を自作できる組み立て式キットとして3mケーブルと20mケーブルの2種類の形態で提供します。
WM10ベーシックキット
3mのモジュラーケーブルとUSBインターフェースボードが付属していて、風向風速測定の実験などができます。
ベーシックキットは後から電子部品を追加することでケーブルキットと同様の仕様にアップグレードすることが可能です。
WM10ケーブルキット
20mのモジュラーケーブルとUSBインターフェースボードが付属していて、屋外に設置した風向風速計からケーブルを屋内に引き込み、パソコンでモニタリングできます
WM10ベーシックキットに電源電圧昇圧回路とRS232Cインターフェース回路を追加したものです。
キットの組み立て手順と塩ビパイプの加工方法等はWM10紹介ページで詳細に説明します。 それぞれのキットは数量限定で完成品の提供もいたします。
またパソコン上で風向風速をグラフィックに表示できるモニターソフト(WM STATION)を無償提供します。
Windows OS向けのみで、動作保証、アフターサービス等はありません。
WM STATIONを使わなくても、一般的なターミナルソフトで風向風速計から送られてくるデーターをモニタリングできます。
▼使用上の制約
WM10は計測ギャップの中に雪などの異物が詰まることや、雨水が溜まることがあると超音波信号が弱くなり、正しい計測ができなくなる場合があります。
超音波の反射板に塩ビキャップを利用しているため反射板上に雨水が溜まりやすく、雨が止んでもしばらくは計測できない場合があります。
雨水が蒸発して正常に計測できるようになると自動的に復帰します。
計測の異常を検出するとNMEA0183センテンスのステータスがVになります。
塩ビパイプの加工はパイプのカットとVUキャップに穴あけするだけですが、穴あけの精度は計測精度に影響します。 できるだけ精確に穴あけ加工してください。
風向風速などの測定結果を気象観測情報として公開する場合は気象業務法の規制があります。
法令を遵守して運用してください。
▼保証
万一キットの部品の欠品、破損などがあった場合は代替部品を送らせていただきます。
組立後の保証はいたしかねます。
万一完成品到着後の動作確認で動作不良となった場合は無償修理いたします。
完成品到着後一か月以内に動作確認をお願いいたします。
ご質問はDIY 超音波式風向風速計のFacebookページまたはParawind Lab.問い合わせフォームからお問い合わせください。
▼風向風速計の仕様
組み立てキットのため、仕様に記載の数値は設計上の値で保証値ではありません。
▼プロジェクトの展望・ビジョン
私の知る限り、ホビー向けとして風向風速計そのものを組立てられるキットというものは市販されていないと思います。
WM10はシンプルな標準規格のNMEA0183センテンスで風向風速を送信しますので、電子工作の心得がある方なら風向風速を利用するいろいろなアプリケーションを構築することができると思います。
電子工作を趣味とする皆様と共に応用の幅を広げ、改良を進めたいと思っています。
また、今回のプロジェクトを皮切りに、従来なかったようなガジェットも開発したいと思っています。
- プロジェクト実行責任者:
- 新井達夫
- プロジェクト実施完了日:
- 2022年6月20日
プロジェクト概要と集めた資金の使途
集まった資金は以下の用途に使用します。 最終版プリント基板の製作と最終バージョンの試作および機能の確認を完了させるための費用。 返礼品のキットおよび完成品の部品を購入する費用。 ファームウェア書き込むための装置(ギャングプログラマー)を製作する費用。 完成品の製作費用。 返礼品を梱包および発送する費用。
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プロフィール
物心ついたころから手当たり次第に電気製品を分解するようになり、10歳からハンダごてを握る。 大学時代のサークル「エレクトロニクス研究部」でマイコンと出会い、マイコンを使った電子工作にのめり込む。 第一回、二回マイクロマウス大会に出場。 就職後は主に新商品開発に従事。 赤外線通信規格団体IrDAにおいて静止画像通信規格IrTran-Pの策定に参画。 無線通信規格団体BluetoothSIGにおいて静止画像通信規格Basic Imaging Profileおよび環境センサー通信規格BLE Environmental Sensing Profileの策定に参画。 2008年に始めたパラグライダーのエリア向け風向風速計を作り始めてから電子工作の世界に回帰。
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リターン
5,800円

WM10ベーシックキット
プリント基板と電子部品のみのキットです。
組み立てるために基本的な電子工作の工具が必要になります。
3mモジュラーケーブルとUSBインターフェースボードが付属しますので、パソコンのUSBポートに接続して風向風速測定の実験などができます。
ケースになる塩ビパイプは付属しません、別途購入し、パイプのカットとキャップの穴あけなどの加工が必要です。
- 支援者
- 23人
- 在庫数
- 制限なし
- 発送完了予定月
- 2022年4月
6,900円

WM10ケーブルキット
プリント基板と電子部品のみのキットです。
組み立てるために基本的な電子工作の工具が必要になります。
20mのモジュラーケーブルとUSBインターフェースボードが付属しますので、風向風速計を屋外に設置してケーブルを屋内に引き込み、パソコンでモニタリングすることができます。
ケースになる塩ビパイプは付属しません、別途購入し、パイプのカットとキャップの穴あけなどの加工が必要です。
屋外に取り付けるための補助具は付属しません。
WM10紹介ページの設置例を参考にしてください。
- 支援者
- 30人
- 在庫数
- 制限なし
- 発送完了予定月
- 2022年4月
15,000円

WM10ベーシック完成品
WM10ベーシックキットの組み立て済です。
- 支援者
- 3人
- 在庫数
- 7
- 発送完了予定月
- 2022年5月
17,000円

WM10ケーブル完成品
WM10ケーブルキットの組み立て済です。
屋外に取り付けるための補助具は付属しません。
WM10紹介ページの設置例を参考にしてください。
- 支援者
- 9人
- 在庫数
- 完売
- 発送完了予定月
- 2022年6月
プロフィール
物心ついたころから手当たり次第に電気製品を分解するようになり、10歳からハンダごてを握る。 大学時代のサークル「エレクトロニクス研究部」でマイコンと出会い、マイコンを使った電子工作にのめり込む。 第一回、二回マイクロマウス大会に出場。 就職後は主に新商品開発に従事。 赤外線通信規格団体IrDAにおいて静止画像通信規格IrTran-Pの策定に参画。 無線通信規格団体BluetoothSIGにおいて静止画像通信規格Basic Imaging Profileおよび環境センサー通信規格BLE Environmental Sensing Profileの策定に参画。 2008年に始めたパラグライダーのエリア向け風向風速計を作り始めてから電子工作の世界に回帰。