その場所にはいつでも静けさが漂っています。
山門を越えると周りの空気とは違う独特の空間、立ち並ぶ地蔵の列、五重塔もそびえ立ち、正面には大きな本殿がデーンと控えます。
本殿の脇、寺院裏手のお墓へと続く道の途中に、「こんこんさん」と呼ばれるそれはあります。

仙台駅東口から10分あまり、「孝勝寺」というお寺の中にある小さなお稲荷さん。

かぜのこ組(2歳児)からは少し恐れられ、でも楽しみでもある場所となり、数年前から何度も通わせてもらっています。

 

時には、街なかの公園で拾った木の実をお供えするため足を延ばしたりします。

お社に向かう道に連なる赤い鳥居の列やお社を囲うように生える木々が、どんな時でもお社の周りに影を作り、ドキドキを高める雰囲気を醸し出しています。

 

そんなお稲荷さんに1人ずつお参りしにいくかぜのこさんたち。

 

いつもはやんちゃで強気なJ君もその場所に行くといつもの威勢はどこへやら、そろーりそろーり一歩ずつ前進する慎重な姿に。

ザワザワと時折揺れる木の葉の音にビクッと立ち止まったり、途中まで行っては引き返したり。

後ろ姿を見守るみんなにも緊張が伝わるくらい。

数段しかない階段も果てしない道のりに感じられるのでしょう。

ようやくたどり着きパンパンと手を打ちお参りもそこそこに飛ぶようにみんなの元へ走り戻ってきます。

でも、「ぜんぜんこわくなかったよ!」誇らしげです。

 

そんな友だちの姿に励まされるように、1人、また1人と挑戦する子どもたち。

中にはどうしても足がすくんでしまい動けない子も。

R君は最初は10分くらいかけて階段の下まで。

次に来たときは階段を2段。

そして3度目でやっとお社までたどり着くも、脇に控える狐と目が合ってお参りせずにみんなの元へ転がるように走ってきました。

 

どうしても1人では向かえなくて困っているAちゃん。

すると「いっしょにいってあげるよ」と助け舟を出してくれるMちゃん。

2人で手を繋いでゆっくりゆっくり参道を進み、ようやくお参りができました。

でも帰りは我先にとてんでばらばらに走って帰ってきます。

「おまいりできたよー!」と晴々とした表情です。

 

怖いことに立ち向かうドキドキを感じながらも、自分の中の勇気を奮い起こしたり、仲間に支えてもらうことで頑張れたりと、乗り越えた充実感を感じながら日々自信を深めている子どもたちなのでした。
 

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