幻の巨大魚イトウの棲む川の氾濫原を復元したい

幻の巨大魚イトウが棲む川の氾濫原を復元したい。  

北海道の北、日本でも最も寒い記録を持つ幌加内町。そこにある巨大な湖・朱鞠内湖には、日本で最も大きい淡水魚イトウ（1メートルを超える）が棲んでいます。イトウは2006年に国際自然保護連合・IUCNによって最も絶滅の危険が高いとされるCRに定められた、まさに幻の魚です。

（IUCNイトウ絶滅危惧種https://www.iucnredlist.org/ja/species/61333/12462795)

イトウは朱鞠内湖とそこに流れる川を行ったり来たりしながら生涯を過ごしていきます。川で卵を産み、川で成長し、やがて大きくなると朱鞠内湖へ行く。川がなくてはイトウは生きていくことができません。

そんな川のひとつにブトカマベツという川があります。朱鞠内湖周辺の川がある森は、北海道大学の研究林として120年以上、原生林に近い状態で守られてきた豊かな自然が残された世界でも貴重な場所です。ブトカマベツにはイトウをはじめとした魚たち、そして鳥や虫、木々などたくさんの命があふれています。自然の中でのびのびと流れている川は、大雨が降ったり雪がとけたりし、水が増すたびに氾濫を繰り返します。そしてつねに川の流れを変えていきます。氾濫することで自ら水の勢いを制御しているのです。氾濫し、あふれ出た水が小さな池をつくり、その中に魚の稚魚たちが流れ、そこで安全に成長し、次の氾濫で川へと戻っていく。そんな自然がつくりだした奇跡のようなサイクルの中でイトウをはじめとした魚たちは命を謳歌しています。

氾濫によってできた湿地帯や小さな池は生物たちにとって命の楽園のような場所です。その一帯を氾濫原と言います。氾濫原は森が豊かに生きている証しでもあります。  

▲ブトカマベツ川と幻の巨大魚イトウ

元の流れにも戻りたがっているブトカマベツ。

イトウたちが棲んでいるブトカマベツは、今、氾濫するたびに、元あった流れのほうに行こうとしているのです。実はだいぶ前に、森と川にとって大切な調査・研究のために林道をつくりました。

今、ブトカマベツは新しい流れを流れているのですが、どうしても元の流れに行こうとしているのです。川の自然の流れをつくることが森にとって一番大切なこと。人間の意志をできる限り加えない「そのまま」が、自然にとってはいい。でも、林道も森のために、豊かな自然のためになくてはならない。川の想いと、研究に必要な林道のために、木橋をつくることになりました。

木橋をつくるための資金が足りません。

豊かな自然を未来に残していくための資金です。

ブトカマベツは幌加内町にとって、北海道にとってかけがえのない自然。それを持続していくために幌加内町や北海道大学の先生たちが一緒になって木橋をつくろうとしています。幌加内町も支援してくれています。しかし、まだ、橋をつくる資金が足りません。世界に誇れる自然を、ぜひ一緒にこれからの未来に残していきませんか。（河川構造物許可を取得済み/名称掲載の許諾を取得済み）

▲木橋は近自然工法。 森にある木をつかいます。　

みなさまのご支援をお待ちしています。

ブトカマベツについての詳しい話は特設サイトへ ▶︎ https://butokama-hanrangen.com/