2016年の2月9日、日本からイラクへチューリップの形に折られた、折り紙に書かれた平和のメッセージが、イラクの子供たちの元へ届けられました!

 

 

 

モスル制圧からもうすぐ2年

2014年6月10日、過激派組織「IS」がイラク第2の都市であるモスルを一夜にして制圧。その影響により同年6月以降からイラク各地から多くの国内避難民が発生しました。JVCのパートナー団体「インサーン」が活動するクルド自治区キルクーク県でも、避難民の流入による影響から物価の高騰、労働賃金低下、病院における医薬品不足が起こりました。また、避難民に紛れて侵入する戦闘員に対する治安上の警戒心により避難民に反感を抱く地元住民と避難民の緊張が高まりました。
 

 

 

さらに深刻なのが、子どもたちの心の傷です

2014年のISの勢力伸長以降、イラクの危機的状況は新たな局面を迎えています。暴力が横行する中で、もっとも影響を受けるのは子どもたちです。過酷な体験をした子どもたちが、のちにPTSD(心的外傷後ストレス障害)やパーソナリティ障害と呼ばれる精神疾患を起こす可能性が指摘されています。

 

しかし、国内が混乱する中、子どもたちは適切な対応を受けられずにいます。紛争で負った心の傷は成長の過程で人格や行動に反映され、将来的に非行や暴力にはしる可能性が高くなるとも言われています。この地域で暴力が増幅することを予防するためにも、いま、子どもたちの心のケアを行う必要があります。

 

 

 

精神科医による心のケアが実施されました
キルクーク県ラパリン地区のインサーン事務所では「平和のひろば」が開設され、2016年1月28日~2月25日の期間で精神科医による治療が行われました。

 (アクティブティーを通じて子どもを観察するアドブリカリム医師)

 

 

 

内容は避難民の子どもたちの精神的なケアのため専門家による診察、治療。そして、「復讐をしない」というメッセージを取り入れた平和教育、「他の民族の歌」を歌うアクティビティー(キルクーク市ではアラブ、クルド、トルコマン、アッシリア民族など複数の民族の人たちが暮らしており、民族間の緊張があります)や人権というものの概念を教えるなどの平和のワークショップが実施されました。

(日本からのメッセージを手にし、微笑む参加者の女の子)

 

 

 

精神科医のアドブリカリム医師やファシリテーター達は、子どもたちの名前、性格、出身場所等を覚えて子どもたちを良く観察していました。授業自体は、子どもたちに強制的に座らせたりすることも無く、とてもおおらかに実施されていました。自分たちや家族に危害を加えうるISの大人達と違い、インサーンスタッフの温かく信頼できる大人たちに囲まれているだけで、子どもたちは安心感に包まれることが出来ました。

(イラクの男の子たちはサッカーが大好き!後方はINSAN代表のアリー氏)

 

 

 

避難民の子ども同士でも出身地によっては最初、交じり合って話すこともなかったそうですが、今では教室に来た時にお互いにハグを交わすようにまでなっています。また、子どもたちがストリートで遊ぶなど「平和のひろば」実施の効果が出ているようです。

 

 

 

みなさまの、あたたかいご支援本当にありがとうございました!

 

■主催・協力団体情報

JVCイラクボランティアチーム

https://www.facebook.com/jvciraqvolunteers

JVC(日本国際ボランティアセンター)

http://www.ngo-jvc.net/

INSAN(インサーン・救援と開発のためのイラク人協会)

https://www.facebook.com/insaniraq