
支援総額
目標金額 3,000,000円
- 支援者
- 314人
- 募集終了日
- 2022年8月31日

《昭和の電車で古本市》地域発信イベント「しましま本店」を開催したい

#地域文化
- 現在
- 239,000円
- 支援者
- 43人
- 残り
- 1日

「防衛技術博物館を創る会」のマンスリーサポーターを募集します!

#地域文化
- 総計
- 378人

火災で焼損、安堵町の中家住宅。代々守り継いできた文化財を修復したい

#地域文化
- 現在
- 19,866,220円
- 支援者
- 698人
- 残り
- 7日

焼津神社|日本武尊の御事蹟を称え、千六百年の歴史と文化を未来へ繋ぐ

#地域文化
- 現在
- 7,285,000円
- 支援者
- 66人
- 残り
- 37日

平家物語ゆかりの寺|京都東山 長楽寺|茶室「折々庵」修繕にご支援を

#地域文化
- 現在
- 5,545,000円
- 支援者
- 200人
- 残り
- 7日

心華寺金港辯財天|不滅の法灯を後世に。観音堂改修で「法灯堂」建立へ
#地域文化
- 現在
- 4,325,000円
- 支援者
- 96人
- 残り
- 7日

菅原道真公を生前より祀る「生身天満宮」|令和の大修復事業へご支援を

#地域文化
- 現在
- 4,305,000円
- 支援者
- 276人
- 残り
- 1日
プロジェクト本文
終了報告を読む
【目標金額達成の御礼と、ネクストゴールについて】
まつもとフィルムコモンズのクラウドファンディングに多くのご支援をありがとうございます。
この度、200人を超える皆さまのサポートにより第一目標金額の300万円を成立させることができました。ご支援と共に、温かい応援のメッセージをいただき、コモンズスタッフ一同、心より感謝申し上げます。
私たちの活動の目的は、地域映画の上映や座談会を通して、世代を超えた市民が対話する場をつくり、地域コミュニティの再生を目指すことです。市民が記録したフィルムを中心におきながら、市民に開かれた共有地をつくり、世代や立場を超えた考えを共有する。コロナ禍により閉塞してしまった社会にこそ必要なのは、対話する場ではないでしょうか。
今回、クラウドファンディングの実施と共にはじまったフィルム収集活動において、高齢化によるフィルムの散逸がここ数年で加速度的に進行している現状を目の当たりにしました。フィルムがご自宅にあっても倉庫の奥にあるので探し出せない。あったはずなのにどこにあるか思い出せない。フィルム収集を呼びかけている期間に、残念ながら他界された方もいらっしゃいました。貴重なフィルムを救済するのは待った無しの状況です。
まつもとフィルムコモンズの活動は、現時点で3年間の継続的な活動を考えております。来年度、再来年度にも改めてフィルム募集をする予定ではいますが、この危機的状況から、フィルムの収集を前倒しし、出来る限りのフィルムを収集したいと思っています。
これを実現するために、クラウドファンディングの残りの期間、ネクストゴールとして第二目標の450万円を目指し、さらなるご支援の呼びかけを続けさせていただくことにしました。
いただいたご支援は、フィルムの修復及びデジタル化、上映会の運営や、地域映画の制作を充実させるための費用、また、来年度以降の継続的活動のための資金の一部として活用させていただければと思います。
※仮にネクストゴールの金額を達成できなかった場合、ご支援いただいた資金の範囲で実施はさせていただく予定です。
まずは、クラウドファンディングが終了する8月31日23時まで、さらなる応援とご支援をいただけますようお願い申し上げます。残りの時間は短かくなりましたので周知拡散にご協力いただけると、私たちにとっても大きな励みになりますので是非お力添え下さい。
私たちの活動はクラウドファンディングの成功がプロジェクトのゴールではありません。今後SNS等で活動の近況を発信していきますので、ここから創り上げていく場を継続的に見守っていただけたらと思っています。
皆さまの応援が、まつもとフィルムコモンズの活動の支えになりますので、引き続きの応援、よろしくお願いいたします。
2022年8月22日追記
まつもとフィルムコモンズ一同
1960年代半ばから80年代にかけて松本市で撮影された8mmフィルムを市民から募集し、デジタル化した映像をもとに、地域住民と協働しながら「松本の地域映画」づくりを目指すプロジェクトです。所有者の高齢化などで年々収集が困難になる8mmフィルムを“救済”し、市井の人々のホームムービーを地域の映画としてスクリーンによみがえらせたい、松本の昔の街並みや暮らしぶりを、子どもからお年寄りまでみんなで一緒に見たい!という思いからスタートしました。
これまで全国で制作されてきた「地域映画」には、その上映を通じて、世代を超えた対話や交流の場の創出、地域の記憶や文化の伝承、街づくりに関する議論の喚起、認知症の心理療法の一つである「回想法」への応用など、様々なメリットがあることが分かってきています。そこで私達は市民団体を立ち上げ、来年2月の完成上映会を目指して8mmフィルムの募集を始めるとともに、「松本の地域映画」の制作に必要な資金を募るクラウドファンディングに挑戦することに致しました。
頂いたご支援をもとに制作する映画は、地域の生きた資料として、各種イベントや、文化・教育機関、高齢者施設など、様々な場所で長期に活用していくことができます。松本の地域コミュニティを元気に、豊かにしてゆく映画づくりのために、皆さまのあたたかいご支援をいただけますよう、心よりお願い申し上げます。
松本城にあった児童遊園地 1964(昭和39)年
はじめまして。「まつもとフィルムコモンズ」代表の早川と申します。プロジェクトに関心を持って下さりありがとうございます。私達は松本市で撮影された8mmフィルムを市民から収集し、それをもとに「松本の地域映画」の制作を目指している市民団体です。「地域映画」の上映や座談会を通して、世代や背景の異なる人々がお互いの言葉に耳を傾け、自由に語り合う場、という意味の「共有地(コモンズ)」づくりに向けて、10代から80代まで約20名の松本市民が参加しています。
8mmフィルムとは高度経済成長とほぼ同じ時期、昭和30年代から50年代にかけて一般に普及した映像記録媒体です。その多くは一般市民が撮影した「ホームムービー」と呼ばれる家庭の記録でした。市井の人々の小さな営みが、その時代の空気感とともに閉じ込められた8mmフィルムは、日常生活の貴重な記録として、また、街の移り変わりを伝える映像史料としても、新たな価値を持ち始めています。
「8ミリの記憶」(2009年)より
監督:三好大輔 製作:すみだ8ミリフィルムアーカイブ
『8ミリの記憶』(2009年)より
「地域映画」とは、そんな8mmフィルムに魅せられた松本市在住の映像作家・三好大輔さんが提唱する、古くて新しい映画のジャンルです。まずは映画を制作する地域で、一般家庭の押し入れなどに眠る8mmフィルムを募集。ハイビジョンのデジタルデータに変換し、膨大な映像の中から一本の映画を作り上げます。撮影者や家族へのインタビューに加え、地元の子ども達や住民も合唱や音楽演奏という形でBGMづくりなどに参加する、とてもユニークな作り方の映画です。
2016年に制作された地域映画『よみがえる安曇野』は安曇野市市制施行10周年記念の市民協働企画として、8mmフィルム提供、合唱、音楽演奏、タイトル文字の制作、インタビューなど、多世代の市民が関わって出来上がりました。
地域映画『よみがえる安曇野 1』(2016年)より
監督:三好大輔 製作:あづみのフィルムアーカイブ
「地域映画」、その魅力の源泉は、制作過程において生まれ続ける「関わり」と「手間」にあります。「8mmフィルムを持っている人を知りませんか?」という声かけに始まる「フィルム募集」、撮影者とともに一つ一つフィルム内容を確認する「フィルム受付」、撮影者や家族へのインタビュー時には、提供フィルムの中からハイライトを編集したミニ作品を上映することも。過去の作品では、インタビュー撮影のために、4世代が全国から集まることもあったそうです。人と人が会う、家族や近所の人が集まる、それだけでどれほどたくさんの会話が生まれるでしょう。
『ドキュメンタリー 竹田ん宝もん』(2018年)より
大分県竹田市では住民から集めた8mmフィルムをもとに、効果音、カウントリーダー、インタビュー、BGM、ポスターなどの映画づくりに必要な要素を、竹田に暮らす小学生や大学生、シニアを含む多世代の市民が担いました。
地域映画『竹田ん宝もん』の制作風景
竹8シネマプロジェクト
個人的な記録に過ぎなかった8mmフィルムが数十年ぶりに押し入れから引き出され、光を浴びる。映像を通じて蘇る、今はもういない家族の記憶や笑顔。あの頃みんな生きていた、みんな若かった!巻き起こる様々な感情を受け止めながら作品は作られていきます。上映会は当時を知る人達の止まらないおしゃべりと、子どもや若者の「へえ~」の嵐。ただ過去のフィルムをつなげただけの記録映像でなく、「映画」として新たな命を吹き込まれることによって、完成後も交流が生まれ続ける“地産地消”のエンターテインメント。それが「地域映画」です。
「昭和の同窓会」と銘打って市内各所で開催された上映会
竹8シネマプロジェクト
「地域映画」をつくることのもう一つの意義として、8mmフィルムの喪失を食い止める、ということがあります。撮影から半世紀が経って撮影者が亡くなったり、引っ越しの際に処分されてしまったり。プライベートな記録である8mmフィルムは、その価値を認識されないまま廃棄されているのが現状です。私達が活動を始めて以来、貴重なフィルムが見つかる一方で、「捨ててしまった」、「どこに行ったか分からない」というケースも多く、すでに多くのフィルムが失われたこと、そして残されたフィルムの救出には「一刻の猶予もない」ことを切実に感じています。
松本市民により持ち込まれた8mmフィルム
8mmフィルムの保存 〜 ヨーロッパの事例
国立のフィルムアーカイブ機関が映像資料の収集・保存を進めるオーストリアでは、2012年からの5年間で10万本のアマチュアフィルムを市民から収集し、無償でデジタル化、フィルムを長期保存用倉庫に収蔵しています。保存された映像データは、地域の映像アーカイブ(映像の図書館)で閲覧することができ、また、国営放送の映像素材としても活用されています。
「1920~1990年代に撮影された様々なゲージのアナログフィルムは、一世紀のうち4分の3という長期にわたりプライベートな映像制作という文化的活動の中心であったにもかかわらず、我々の視覚的遺産(visual heritage)としての価値を不当に無視されてきた。これらのフィルムは永遠に失われようとする、まさにその瀬戸際にあり、その収集とアーカイブに関する政策が緊急に必要である」 (フィルムアーヒフ・オーストリア公式サイトより抄訳)
撮影:Harald Hubich 使用許諾:CC BY-SA 3.0
「地域の遺産」としての8mmフィルム
今日、自然災害や気候変動、パンデミックなどの影響で、人々の日常生活、郷土の文化、その風景が失われることも稀ではありません。日本では8mmフィルム・ホームムービーは公的な保存の対象になってきませんでしたが、地域の人々だけでなく、次世代、ひいては国内外からの関心を呼ぶことにもつながるデジタルアーカイブ、その原資料となるアナログフィルムは一度失われたら取り戻すことができない、かけがえのない「地域の遺産」であると言えます。
東日本大震災で被災した岩手県大船渡市では、ヘドロによって損傷した8mmフィルムがNPO法人映画保存協会・災害対策部の専門スタッフにより修復され、多くの市民の協力の下、地域映画『よみがえる大船渡』が制作されました。
『よみがえる大船渡』(2014年)より
監督:三好大輔 製作・著作:東京藝術大学
全国各地で地域映画を制作してきた三好大輔さんが、松本市に拠点を移して二年。コロナ禍が収束の兆しを見せ始めた今年2月から、月1、2回のペースで市内のカフェ山山食堂(さんさんしょくどう)や築150年の古民家「松本深呼吸」などで、地域映画の過去作品を上映、市民が集う『8mm映写室』を開いてきました。
この上映会がユニークなのは、映画の上映中も「おしゃべり自由」ということ。当時を知る世代のリアクションやコメントを副音声のようにして聴きながら、時ににぎやかに、時に静かに映像の世界に引きこまれます。
『8mm映写室』の参加者の様子 撮影:3丁目ちひろ
『8mm映写室』の参加者の様子
上映後は車座になって一人ひとりが感想や思いを語ります。地元で生まれ育った人と県内外からの移住者が混ざり合い、10代から80代まで様々な世代の人達が互いの言葉に耳を傾ける、とても豊かで刺激的な時間です。
上映会後の座談会の様子(山山食堂)
中でもお隣の安曇野市でつくられた『よみがえる安曇野』には松本市と共通する伝統行事や北アルプスの風景が映りこんでいて、一層盛り上がります。校庭でスケートを楽しむ子ども達、足首を縛り合った大人たちが全力疾走するムカデ競争など、今では考えられないほど危険な(?)「村民運動会」の盛り上がりぶりを見て「うらやましい」という中学生がいたり、古民家を親族が手作業で解体するシーンひとつとっても、昔の人の技術に感心する人もいれば、茅葺きの古民家が壊される様にショックを受ける人もいて、実に様々な想いで見ていたことが分かります。
郷土のシンボル・常念岳 地域映画『よみがえる安曇野 1』より
8mm映写室 参加者の感想
「心がギュッとした。古いものはいいな、すごくよかった、貴重と思った」
「昔父親が自分を撮ってくれていたことが蘇ってきた、あったかい気持ちになった。」
「はじめの数十秒で涙が出てきた。撮影者の眼差しに自分が入ってる感覚、動揺した。実家に残っている写真にも切り取られた眼差しを感じるが、動画はもっと心が揺さぶられる。この眼差しをとっておいて欲しいと思った。また来たい。」
「昔を知ることは、今を知ることと思いました。脳の刺激になり、急に血流が良くなりました。」
「裕福ではなかったと思いますが、皆が笑って過ごせて幸福だったと思います。生活が便利になるとともに置いてきてしまった大事なものがあるようにも思いました。」
「男の人が休憩しているときも、女性はいつも忙しかった。新聞を読みたい、と言っていた母のことを思い出している」
「わかってはいたけど、アナログの大切さ、残さなくてはいけないこと、あらためて伝わった。」
「今、フィルムでかつての生活史を一般市民が目撃できるということは結構すごいことで、とても新しいことだと思う。」
「松本でもこの数年で幾つもの古い建物が壊され駐車場になった、ということを思い出した。」
市民の8mmフィルムをもとに「地域映画」が制作された地域
『8mm映写室』で上映された全国の地域映画には、それぞれの土地の魅力が色濃く映し出されています。しかし松本にいる私達が一緒に観て、一番盛り上がるのはやはり松本の映画に違いありません。何より、人口24万人の松本市に眠っている8mmフィルムは今、どれくらいあるのでしょう?そこに何が映っているのか?「田んぼやお濠でスケートができたって本当?」「路面電車はどこを走っていたの?」など、「松本の地域映画を観たい!」という声が生まれたのは自然な流れでした。
かつては厚い氷が張り、スケートリンクとして賑わった美鈴湖 1963(昭和38)年頃
「上映会と映画づくりによる地域コミュニティの再生」、という私達のプロジェクトは、今年発足した「信州アーツカウンシル」(長野県芸術振興事業団)の助成金事業として採択されました。寄せられた期待に身の引き締まる思いで準備を進めているところです。そして本助成金は事業費の2分の1以内を上限とするため、残り半分を広く皆さまから募るクラウドファンディングに挑戦することに致しました。まずは松本で一本目の「地域映画」づくりを何としても成功させたいと思っています。頂いたご支援は映画制作に必要な高画質でのデジタル変換費用ほか、プロジェクト実行に必要な経費として、大切に使わせていただきます。
以下、プロジェクト概要をご覧いただき、現在の松本をつくってきた市井の人々からの無形の遺産を受け継ぎ、将来にわたって対話と交流の場を創出する「地域映画」づくりにお力添えを下さいますよう、心よりお願い申し上げます。
<概要>
目標金額 : 300万円
資金使途 : 8mmフィルムのデジタル変換費、地域映画制作費(撮影/録音/デザイン/印刷/会場使用料等)、運営費、手数料、税
<制作スケジュール>
2022年
7月〜:8mmフィルムの提供を呼びかけ、受付、収集、8mm映写室
8月〜:フィルム調査・クリーニング・フィルム修復・デジタル化、8mm映写室
9月〜:インタビュー、撮影、音楽制作教室、8mm映写室
10月〜:ホームムービーの日、インタビュー、撮影、デザイン教室、映像編集
11月〜:編集教室、撮影
12月〜:映像編集
2023年
1月:映像編集、MA
2月25日(土)26日(日):完成上映会 松本市公民館 Mウィング6F
「8mmフィルムの保存・活用を通したコミュニティ再生と多世代が参加する地域映画づくり」
団体名:まつもとフィルムコモンズ
支援:信州アーツカウンシル(一般社団法人長野県文化振興事業団)
後援:松本市教育委員会
文化庁「令和4年度文化庁文化芸術創造拠点形成事業」
まつもとフィルムコモンズ集合写真
信州大学の学生有志など10代から80代までの市民が参加しています
メンバーからのメッセージ
信州大学 学生有志
初めて観る、なのにどこか懐かしい。8mmフィルムには人々の生の記憶が詰まっています。その魅力を現代に!(人文学部3年 Y.S )
私の生きる時代と地続きである「かつて」に確かに存在した、私の知らない風景が、フィルムの中に切り取られて、今、押入れの中に眠っている。それがもう少しで目の前に蘇るのが楽しみです。(人文学部3年 K.S)
8mmフィルムのなかで生き続ける人々と今を生きる人々、知らない誰かと出会えることにワクワクしています!(人文学部2年M.K)
私の知らない、今とは違う時代の景色を8mmフィルムの世界観で見られることを楽しみにしています。(経法学部 4年 K.S)
かつての松本市の人々と出会わせてくれる8mmフィルムに感謝しています。(人文学部 2年 M.Y)
8mmフィルムに写った人々の温かみを是非皆様にも感じて頂きたいです!かつての松本が今この現代に蘇ることを楽しみにしています!(人文学部 3年 C.S)
まつもとフィルムコモンズ代表 早川夏
山好きが高じて東京から松本へ移住して7年目になります。今年、三好大輔さんが制作した「地域映画」の上映会に参加して、8mmフィルムの映像はもちろん、年配者の解説を聴きながら鑑賞するスタイルに斬新な魅力を感じました。ありそうでなかった。やってみたら世代を超えてこれほど盛り上がるアトラクションはありません。全国に拡がってほしいです。 「コモンズ」は「共有地」の意。誰が中心だとか、えらいということもなく、参加者の背景が多様であるほど面白い座談会はまさに共有地です。松本育ちの方も、そうでない方も、松本を将来にわたって豊かにしていくこの共有地の拡大に参加して下さることを楽しみにしています。
三好 大輔 監督からのメッセージ
笑顔の情景
見ず知らずの誰かが記録した8mmフィルムを見ていると、「懐かしい」「温かい」「心地いい」という感想を持つ人が多くいます。映されているのは、昭和時代のどこにでもある日常の暮らしです。見る人たちは、その普遍的な営みの中で生まれる笑顔や、撮影者がカメラを通して被写体を見つめる温かい眼差しに触れ、自分の記憶の中の思い出と重ね合わせて鑑賞しているのです。一人ひとりが自分の持つ背景によって思いを巡らすので、観る人の数だけ感想も多様になるのです。
では、なぜ8mmフィルムに特別な心地よさを感じるのでしょう。そのヒントは「余白」にあると思います。8mmフィルムは粒子も荒く手ブレで不鮮明だったりピントがズレていたり、雑味が多い映像です。その曖昧さに加え、1秒間に16コマ・18コマという動画として成立させるのに最低限のコマ数しかありません。ですから、コマとコマの間の「余白」を補完するのは見ている人の想像力。そして、その多くはサイレントで記録されているので、音を想像する「余白」も多分にあります。映像を観ながら無意識に想像力を働かせている状態が、心地良さや温かさを生んでいるのではないか、と思うのです。
2006年、友人のミュージシャン小谷美紗子さんの結婚式で上映する映像を作って欲しいと連絡がありました。生い立ちの写真と共に、数本の8mmフィルムを預かりました。会社に転がっていた映写機をデスクに据えフィルムを投影。映し出されたのは、1歳くらいの彼女が公園で家族に囲まれて辿々しく歩く姿でした。父親の眼差しで切り取られた映像は、構図などは全く気にせずただひたすら娘の姿を追っているものばかり。「この瞬間を残したい」という思いが画面から溢れ出ていて、フィルムを見ているうちに何故か涙が止まらなくなりました。
2009年、シングル8の販売が終了しました。自分の心を揺さぶったメディアが無くなってしまい、居ても立ってもいられず、友人から紹介された助成プログラムに「市井の人々が記録してきた8mmフィルムを集めて映画をつくる」という企画を応募。採択をきっかけに映画づくりがはじまります。縁もゆかりも無い土地でしたが、わらしべ長者のように下町の人と出会い、次々に8mmフィルムが掘り起こされていきました。映画完成の上映会では、地元のお祭りを懐かしむ人、亡き祖父の面影を感じて涙する人、子どもたちを役者にした手作りの物語に笑う人、それぞれが思い思いに映画を楽しんでいました。
「近所に住んでいるおばぁちゃんに喜んで欲しい。」そんな想いではじめた地域映画づくりがついに松本ではじまることになりました。城下町として栄えた松本で、どんな記録が見つかるのか。そして映画づくりを通してどんな人たちに出会い、どんな物語が発見され、どんな繋がりができるのか。今からワクワクした気持ちでいます。初心を忘れず、まつもとフィルムコモンズのみなさん、信州大学生たちと一緒に、地域に潜り込みながら、知られざる松本の魅力を掘り起こしていきたいと思います。
映画監督 三好大輔
ALPS PICTURES INC.
HP www.alps-pictures.jp
信州大学人文学部教授 金井 直さん
よみがえった8mmフィルムの上映会に参加するたびに、私が深く感じるのは、イメージのもつ根源的な媒介性です。知らない誰かの過去の記録、それも日常的な情景の断片に、なぜ私はかくも心動かされるのでしょう。そのことをなぜ、他の参加者と語り合いたくなるのでしょう。
そして、その映像を、なぜ未来の誰かにも届けたいと心から願うのでしょうか。まつもとフィルムコモンズの活動は、単なる記録収集や、抽象的な文化の保護ではありません。むしろ人が現在・過去・未来の、ほかの誰かの存在につながり、応えながら生きていることの証を私たちに授けてくれる大切な実践です。活動に参加する学生たちにとっても得難い経験の機会となっています。
今回のクラウドファンディングをひとつの契機として「コモンズ」の輪がさらに広がり、より多くの方々にとっての共感・想起・想像の場となることを願っています。
竹8シネマプロジェクト 小笠原 じゅんこさん
松本のみなさん、はじめまして。大分県竹田市で竹8(タケハチ)シネマプロジェクトのリーダーを務めていた小笠原じゅんこです(当時 地域おこし協力隊)。
竹田市は大分県の中でも阿蘇に近い中山間地で、日本一、二を争う高齢化率・・8ミリフィルムが使われていた時代の賑やかさは影もない超過疎地です!だからこそ、素晴らしい暮らしが今も残る地域なのですが「今では失われつつある地域への誇りを取り戻し、若い世代へその想いを繋いでほしい、私ももっと地域のことを知りたい!」そんな想いでプロジェクトを立ち上げ、実行委員会の皆さんと三好大輔さん、そして市民の皆さんと共に日々奮闘、駆け抜けました!
プロジェクト実施期間は2年、構想準備も含め3年弱でしょうか・・この竹8にかけた日々の時間は、竹田でこれからも暮らし、地域と共に生きる力になっています。松本市の歴史、かつての暮らしが蘇ることで生まれるものとは、一体何でしょうか?今からワクワクしますね!
8ミリフィルムの中に眠っているエネルギーと、今を生きるみなさんのエネルギーが未来へ繋がり、みなさんが地域で生き、地域が成長することで、世界が今よりもよくなることを心から祈り、松本のプロジェクトを応援しております。完成しましたら、ぜひ拝見したいです!
フィルムアーキビスト とちぎ あきらさん
今はスマホの動画で、わが子の成長を記録するのが普通ですが、かつてはフィルムをカメラに装填しては撮影し、現像に出してはでき上がった映像を見る、という時代がありました。「ホームムービー」というように、その上映は一家だんらんの時間を彩っていたに違いありません。内容は決して身近な日常に限ったものだけではありません。旅行とか運動会とかお祭りとか、むしろハレの日を写したものが多かったのではないでしょうか。普段とは違うワクワクとした気分が、撮影意欲をそそっていたのかもしれません。
かつての街や人びとの姿がしっかりと記録されているに違いない「ホームムービー」なのに、何でこれまで忘れ去られてきたのでしょうか。答えは簡単――フィルムは今では簡単に見ることができないからなのです。
映像作家の三好大輔さんが全国各地で進めてきた「地域映画」という活動は、家々に埋もれたままの「ホームムービー」をみんなで発見し、一緒に鑑賞し、そのフィルムを素材にして、地域に暮らす人たちから聞き取ったさまざまな情報を織り込みながら、みんなで新たな「ホームムービー」を作っていくという実験です。映画作りを通して、新しいコミュニティが生まれ、映画が人々をつなぐ宝物になっていくのです。
この活動ののろしが、長野県松本市でも揚がりました。信州大学の学生有志など、10代から80代までの市民が参加したまつもとフィルムコモンズは、まさに異なる世代のメンバーが映画によってつながった新たな共同体として、「地域映画」作りを担うにふさわしいヒューマン・プラットフォームと言えるでしょう。ささやかな「ホームムービー」の映像を通して、その場に生きてきたことが、そして今もその場で人と一緒に生きていることが大切だと思えるようになる――地域が元気になるとは、そういうことではないでしょうか。
「地域映画」があることが、その街のプライドになりますように、これからも応援していきます。
参考映像 ~ 三好監督が手がけた最近の地域映画作品 ~
浦賀奉行所開設300周年を記念して行われた「浦賀の映画学校」。浦賀小学校6年生が、総合的な学習の時間のなかで地域の人々と関わりながら、昭和時代の8mmフィルムを掘り起こして地域映画を制作。「8mm映画教室」「効果音教室」「インタビュー教室」「デザイン教室」「編集教室」「録音教室」など、各分野の専門家から講義を受けながら作り上げました。
『浦賀の映画学校』(2021年)より
監督:三好大輔 制作:アルプスピクチャーズ 製作・著作:横須賀市
気仙地区(大船渡・陸前高田・住田)を対象に、大船渡高校生と地域住民が共創する地域映画プロジェクト「けせんシネマ」。高校生たちが、フィルム募集のポスターづくり、インタビュー取材、音楽録音、効果音制作など、自らの力で行い完成させた地域映画です。
『おもかげ』(2021年)より
監督:三好大輔 協力:岩手県立大船渡高校 芸術科目「表現」選択生徒 製作・著作:けせんシネマ
※使用している画像・映像は、全て著作権者の許諾を得ています。
- プロジェクト実行責任者:
- 早川 夏(まつもとフィルムコモンズ代表)
- プロジェクト実施完了日:
- 2023年2月28日
プロジェクト概要と集めた資金の使途
松本で失われゆく8mmフィルムを収集。それらを元に地域映画を制作し、 完成上映会を開催する。 集まった資金は、8mmフィルムのデジタル変換費、地域映画制作費、運営費、手数料、税などに使わせて頂きます。
リスク&チャレンジ
- プロジェクトに必要な金額と目標金額の差額について
- 必要金額と目標金額の差額は自己資金にて補填いたしますので、返金は致しかねます。
あなたのシェアでプロジェクトをさらに応援しよう!
プロフィール
私達は松本市で撮影された8mmフィルムを市民から収集し、それをもとに「松本の地域映画」の制作を目指している市民団体です。「地域映画」の上映や座談会を通して、世代や背景の異なる人々がお互いの言葉に耳を傾け、自由に語り合う場、という意味の「コモンズ(共有地)」づくりに向けて、10代から80代まで約20名の松本市民が参加しています。
あなたのシェアでプロジェクトをさらに応援しよう!
リターン
5,000円+システム利用料

お気持ちコース
●お礼メール
●公式ホームページにお名前掲載(希望制)
まつもとフィルムコモンズの公式ホームページにお名前を掲載いたします。(希望制)完成までSNS等で活動を発信していきます。
まつもとフィルムコモンズ
https://linktr.ee/matsumoto8mm
- 申込数
- 95
- 在庫数
- 制限なし
- 発送完了予定月
- 2022年12月
10,000円+システム利用料

完成上映会ご招待席ご観覧チケットコース
●お礼メール
●公式ホームページにお名前掲載(希望制)
●完成上映会ご招待席ご観覧チケットコース
2023年2月25日(土)26日(日)の完成上映会で、ご観覧しやすいご招待席2名様分までをご予約できるチケットです。
- 申込数
- 35
- 在庫数
- 15
- 発送完了予定月
- 2022年12月
5,000円+システム利用料

お気持ちコース
●お礼メール
●公式ホームページにお名前掲載(希望制)
まつもとフィルムコモンズの公式ホームページにお名前を掲載いたします。(希望制)完成までSNS等で活動を発信していきます。
まつもとフィルムコモンズ
https://linktr.ee/matsumoto8mm
- 申込数
- 95
- 在庫数
- 制限なし
- 発送完了予定月
- 2022年12月
10,000円+システム利用料

完成上映会ご招待席ご観覧チケットコース
●お礼メール
●公式ホームページにお名前掲載(希望制)
●完成上映会ご招待席ご観覧チケットコース
2023年2月25日(土)26日(日)の完成上映会で、ご観覧しやすいご招待席2名様分までをご予約できるチケットです。
- 申込数
- 35
- 在庫数
- 15
- 発送完了予定月
- 2022年12月
プロフィール
私達は松本市で撮影された8mmフィルムを市民から収集し、それをもとに「松本の地域映画」の制作を目指している市民団体です。「地域映画」の上映や座談会を通して、世代や背景の異なる人々がお互いの言葉に耳を傾け、自由に語り合う場、という意味の「コモンズ(共有地)」づくりに向けて、10代から80代まで約20名の松本市民が参加しています。