中国残留日本人孤児2世が笑顔で暮らしていくために、法改正を。

神戸大学の浅野慎一教授から「中国残留日本人二世の人生が問いかけること－支援法から取り残された中国帰国者たち－」をテーマにレクチャーを受けました。

日中友好協会福岡支部に集まった7人の中国残留孤児(帰国者）と全国54会場をZOOMで結んで学習をしました。

二世の総数不明　一応の目安として2万8000人と推定

二世の特徴：極端な多様性（年齢、学歴、職歴、国籍、日本語・中国語の能力も様々）←個人差・自己責任と見られがち

二世の帰国年次：極めて多様（日本製法の帰国制限政策によって決定≠本人の意思）←一世の帰国の遅れ。二世に対してはより一層厳しく帰国を制限。特に20歳以上・既婚の二世については帰国を厳しく制限。二世は帰国時に40歳以上が4割。

二世の「帰国」≠ニューカマー外国人の「来日」

中国に生活の基盤を残さず日本に永住する覚悟での帰国。

日本を生きるー帰国後の生活実態ー

帰国年次・帰国時年齢によって大きな違い

【若年帰国者】1989年以前21歳未満で帰国

二世の中では日本で比較的安定した生活

しかし、同世代の日本生まれの日本人と比べれば、大きなハンディ

・日本の学校で「いじめ」、勉強に苦労

・約4割が中学卒

・単純労働・非正規雇用

→自分はいった何人なのか（心理的葛藤・アイデンティティの揺らぎ）

心理的・文化的葛藤

【中高年帰国者】1990年以降22歳以上帰国

二世全体の8割以上（現在50〜70歳代）

公的な日本語教育受けられず、帰国直後から単純・非正規雇用

若年帰国者に比べ、低所得。日本語も不自由。

現実的な生活苦・重労働・生活不安

年金は夫婦で月5〜10万円。生活保護

【高齢帰国者】1996年以降40歳以上で帰国

現在60〜70歳代。

日本での就職が最も困難。一部は就職できず。

労働条件が最も過酷、労働災害が頻発。

年金は夫婦で月1〜3万円。生活保護

三世の問題ー負の連鎖の危惧ー

親が、若年で帰国したか、中高年で帰国したか、高齢で帰国したかで大きな違い。

新支援策は、二世には一切不適用。

二世問題は未解決。

一世・二世の苦難：帰国の遅れ

「途中参入者」に冷たい「島国単位の公共性」の壁

・国民はすべて日本国内で生まれ

・国内で義務教育をはじめとする教育を受け

・国内の会社で定年退職まで正規雇用で働き

・その間に年金を納付し、老後に備える。

＝途中からの参入者を受け入れないことが前提（高度経済成長）

日本社会：高度経済成長時代とは異なる新たな仕組み・新たなグランド・デザインが必要

途中参入者が日本の地で、人間らししく尊厳をもって生きていける社会の実現＝日本の社会のグランドデザインの試金石

この学習の成果を二世に対する支援の実現につなげたいと思います。

そして、帰国者が尊厳をもって暮らしていける社会を実現することは、日本に暮らす様々な人たちが暮らしやすい社会の実現につながると確信しました。

#中国残留孤児