私がよくお世話になってる「名古屋北法律事務所」の、白川秀之先生が、弁護士ドットコムで書かれたパワハラの録音に関する記事です。

「録音」に関しては個人の方から私もよく相談を受けますので、載せておきます。

録音に関しては私もほぼ同意見です。

http://www.bengo4.com/topics/1705/

 

【引用はじめ】

「職場の「パワハラ発言」こっそり録音――裁判で「証拠」に使うことができるか?」

 

上司から受ける暴言や無視、陰口といった嫌がらせ行為。こういった職場の権力を利用した嫌がらせは「パワーハラスメント(パワハラ)」と呼ばれ、社会問題になっている。

 

 

弁護士ドットコムの「みんなの法律相談」コーナーにも、上司から陰口をたたかれているという悩みが寄せられている。会社に訴えても事態が良くならなかったため、投稿者は職場にボイスレコーダーを置き、自分がいないときの陰口を録音したそうだ。

 

投稿者は、その録音を「証拠」として改善を要求したいと考えているが、逆に上司から「違法録音だ」と言われないか心配しているという。こうした録音行為は「違法」なのだろうか。また、隠しどりした音声は裁判などで「証拠」として使えるのだろうか。労働問題にくわしい白川秀之弁護士に聞いた。

 

●パワハラ・セクハラの証拠集めは「犯罪」ではない

 

「パワハラやセクハラの証拠として、加害者の声をICレコーダーなどでこっそりと録音すること自体は、なんらの犯罪行為にも該当しません。

 

また、こっそりと録音したことで、慰謝料等を支払わなければならない、ということもありません」

 

プライバシーの侵害になるのでは?

 

「録音場所は、自分の所属する職場です。また、録音した会話のうち、証拠として使うのは被害者(投稿者)のことを話している部分です。少なくとも、会話のその部分は、加害者のプライバシー権を侵害するとはいえません」

 

では、内緒で録音した内容を、裁判などの証拠に使うことは可能だろうか。

 

「そうですね。録音した音声データを、パワハラやセクハラを理由とする損害賠償請求訴訟で、証拠として使うことは問題ありません。ただし、もしそれが『著しい反社会的手段により』採集した証拠だと見なされれば、裁判で使えない場合もあります」

 

●職場の会話の「隠しどり」は証拠になるか?

 

「著しい反社会的手段」とは、いったい、どんな手段なのだろう。

 

「録音ならたとえば、『秘密にしておくから』『録音はしていないから』と相手をだまして、こっそり録音をしたような場合でしょう。また、自分以外の第三者と会話している様子を盗聴するような場合も、当てはまるときがあると思います。このような場合には、ケースバイケースですが、証拠として使えないことがあるでしょう」

 

それでは、今回の事例は?

 

白川弁護士は「自分がパワハラやセクハラの被害を受けているとき、その証拠を集めるために、職場の会話をこっそり録音する程度でしたら、それを『反社会的』というのは難しいと思います。裁判でも証拠として使えるでしょうね」と話していた。

 

なかなか無くならないパワハラ・セクハラ。録音などで、しっかりと証拠を集められれば、救済に一歩近づけるかもしれない。

(引用終わり)

 

 

一見、「録音」することに躊躇いを感じる方も多いかと思いますが、自分の言葉が入っているものであれば、基本的に問題はありませんし、違法性もありません。

つまり、今後の確認の為に、自分の会話を記録する事は問題はないのです。

 

パワハラ地獄敢闘記

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また、私自身のパワハラ体験談でもある、「パワハラ地獄敢闘記でも、実際に労働審判に証拠として提出した「録音」の会話が生々しく出てきます。

 

その一部を紹介します。

【引用はじめ】

「だから、私の申しあげてることを、もうちょっと受け止めていただければ」

「あのなあ、お前がキッチリしたらなんで俺がパワハラになるような、大きな声出すねん」

「じゃあ、指示指導の中では、パワハラも止むを得ないということですか。」

「あたりまえだろ。言われたことやらんのだろ、お前自分ではいはいはいはい聞いとって、今言うてもせん奴が、今同じようなミスで、同じような口調で言うて聞くんかい。俺そこを待つまで気は長ごうないし、な、そこは、だからそこのところでババっと言って、注意するよ。キチンとしたら後はきかんわい。(後略)」

ついに出た。パワハラ容認発言。恫喝口調でかなり大きい声だったから、バッチリ録音できているだろう。

【引用終わり】

 

実際に、裁判所にこの録音を提出しましたが、違法性について、問われる事はありませんでした。

 

 

「録音する」という行為が、果たして許されるのか、違法ではないのか・・・・と不安がる方もいらっしゃるのではないでしょうか。

そして、パワハラに対抗したいという方であれば、どのような録音方法が許されるのか知りたい、というのも正直な気持ちではないでしょうか。

 ですから、上の記事を読まれた方 は、記事を読んで、「あっ、黙ってこっそり録音して大丈夫なんだ!」と安心してしまうとおもいます。

 

しかし、録音があるから、そのままパワハラを証明できて、有効な武器になるとは限らないのです。

 

録音の存在を、パワハラの改善のために有効に使うためには、録音の内容の、どの部分がパワハラに当たるのかを、パワハラに関する法律や法理、パワハラの定義、パワハラに関する裁判例などを照らし合わせて、理路整然と説明できなければいけません。

 

つまり、パワハラについて熟知していない人間が、録音の存在を頼りに、パワハラ改善を要求することは、かなりのハイリスクを抱えることになりかねないのです。

 

実際、私も多くのパワハラ現場の録音を聞いてきましたがそのほとんどは、それだけで「パワハラである」と判別できないものです。

 

という事は、録音がかえって、「パワハラかどうか分からない状況」の証明となり、パワハラ改善につながらない可能性も非常に高いのです。

そもそも、パワハラの証明で録音が有効になるのは、法廷の場においてであり、大概は弁護士さんが法理や法律、裁判例にのっとって、録音を論理的に証拠として提示しているからこそ、効果があるのです。

しかし、パワハラ改善要求の場では、録音は逆効果を招きかねません。かえって担当者や関係者の拒否反応を引き起こし、感情的にさせ、事態を悪化をさせかねません。

 

録音だけではなく、継続的にメモなども残し、いつ何処でどのようなことをされたのか、事細かに体系的にまとめておき、説明できることによって初めて、パワハラ改善要求の場では、録音が効果的になってくるのです。

専門家の意見も聞かず、ただ、録音の存在だけでパワハラ改善を要求する事は、「これだけではパワハラとは言えない」と判断される可能性が非常に高いということを知っていただければと思います

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