東日本大震災12年、被災者100人で創るミュージカルを石巻圏で!

東日本大震災12年、被災者100人で創るミュージカルを石巻圏で!

支援総額

4,505,000

目標金額 3,500,000円

支援者
352人
募集終了日
2023年1月31日

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2022年12月28日 12:00

【手記】ニューヨーク公演の話part3(Backstage Vol.9)

Backstage Vol.8〕に続き、故テイラー・アンダーソン先生宛てに手紙を読んだ杉山彩音さんのお父さんの手記をご紹介いたします。

 

「夢を追いかけて」~ニューヨーク公演を終えて思うこと~

杉山 昌行

 

気が付けばほとんどの出演者が泣いていた。舞台のそでに出演を待って待機して並んでいて、これから歌うというのに。(おいおい、大丈夫か、みんな)私は父親として、かろうじて涙はこらえた。

 

 英語でテイラー先生への思いをスピーチしてほしい。という長女への依頼を聞いた時にまず思ったのは、日本語の作文でさえ感情をこめて朗読するのはかなり難しいのに、彼女のつたない英語でその思いが伝わるのか?ということだった。英文をただ読むだけなら練習を重ねればできるとは思うが、日常全く使っていない英語の文章に、はたして感情移入できるのか?しかも、原文は自分で書いた文章だが、他人に訳してもらった英文はもはや自分の文章とは言い難く、字面を負うのが精いっぱいではないのか?その上、我々が出演するパートの初端にスピーチするという。いわゆるつかみの部分である。ここで白けてしまったらどうする、こりゃ企画倒れではないのか?と心配していたのだった。

 杞憂だった。緊張した足取りでステージ中央まで出て行った彩音は、静かに作文を読み始めた。ほんの数行読んだか読まないかというのにすでに涙をこらえている様子がわかった。間もなく嗚咽交じりになり、その声は途切れがちになりとうとう止まってしまった。その沈黙は永遠にも思えるほど長く感じられた。祖父江真奈さんの「がんばれっ!」の声をきっかけに会場から拍手が起こり、何とか持ちこたえ再び朗読し始めた。

後で娘に聞いた話であるが、感情移入も何も、読みながらテイラー先生との思い出が次から次へと頭を駆け巡り涙があふれてきたのだという。そして、客席の最前列にいらしたテイラー先生のご両親の顔を見つけたらもう止まらなくなったそうだ。

 我々の待機していた場所からお客様の中にも涙を拭いている方々が見えた。と思ったら、周りにいる出演者も泣いているではないか。英語のわかるメンバーもいたけれど、ほとんどは彩音の読んでいる英語の意味なんかこれっぽっちもわからないのに。でも、気持ちが伝わってきたのだ。そのくらい素晴らしいスピーチだったと思う。英語がわからない人を感動させたのだから、多少へたくそでも英語のわかる人にはもっと伝わったのだと思う。つかみはOKってやつだ。

 彩音のスピーチの後、お客様方にはその余韻をひきずりつつ、我々は彩音のつかみを無駄にしないよう、全力で本場ブロードウェイの住人たちの度肝を抜くステージをこなした。

 

初めは、震災後日本中世界中からいただいた支援への感謝の気持ちを伝えたいということで始まった活動であり、その思いは今も変わらずに常に持ち続けてはいるが、その後さまざまな展開を見せ、別れや新たな出会いを経て、「歌を通して何かを伝えたい」という我々の活動は、進化しながら継続してきた。そして我々自身もゆっくり少しずつではあるが成長してきたように思う。

あの時、精神的にかなり深刻なダメージを受けたメンバーもいる。まだすっかり立ち直れていない人もいる。あるいは、そんな彼ら彼女らをなんとか元気づけたいという思いで参加してる人もいる。そして、その後は不思議なご縁でつながって、被災者ということと関係なく様々な地域からいろいろな立場の人が集まり今日に至っている。この活動は、当初の目的を大きく超えて広がりを見せながら、それぞれの思いを持ったメンバーがそれぞれの立場でそれぞれ違う何か大切なものを手にすることができていると思うのだ。

 

あのスタンディングオベーションを見てもわかるように、9.11の被害者の魂と、テイラー先生の魂を鎮魂し、その遺族の皆様に哀悼の気持ちを伝えたいという今回のニューヨーク公演での我々の目的は十分達成できたと思う。しかし、それ以上に私たち自身の魂が浄化され元気づけられ勇気づけられた、そんな旅になったと思う。

 

今、彩音は大好きなテイラー先生がそうだったように、夢を追いかけて自分の好きな道へ進もうと頑張っているところである。多少(いや、かなり?)遠回りでもその志を達成できるよう、親としては“かなり無理して”見守ってやろうと思う。

 

尊敬するアンディ・アンダーソンに捧ぐ

 

記念碑に追悼

 

リターン

3,000+システム利用料


お気持ち「ARIGATOU」サポーター①

お気持ち「ARIGATOU」サポーター①

・ご支援に対する感謝メール

申込数
110
在庫数
制限なし
発送完了予定月
2023年2月

5,000+システム利用料


ポストカード付「ARIGATOU」サポーター

ポストカード付「ARIGATOU」サポーター

・ご支援に対する感謝メール
・総合監督「寺本建雄」が手掛ける特製ポストカード(非売品)

申込数
47
在庫数
制限なし
発送完了予定月
2023年5月

3,000+システム利用料


お気持ち「ARIGATOU」サポーター①

お気持ち「ARIGATOU」サポーター①

・ご支援に対する感謝メール

申込数
110
在庫数
制限なし
発送完了予定月
2023年2月

5,000+システム利用料


ポストカード付「ARIGATOU」サポーター

ポストカード付「ARIGATOU」サポーター

・ご支援に対する感謝メール
・総合監督「寺本建雄」が手掛ける特製ポストカード(非売品)

申込数
47
在庫数
制限なし
発送完了予定月
2023年5月
1 ~ 1/ 12

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