子どもたちを誤食によるアレルギー症状から守りたい

 

 

医師として、母親として。地域の健康に貢献したい

 

はじめまして。医療法人つばさ会の代表をつとめております。山本芳子と申します。

 

医療法人つばさ会は、神奈川県下で（横浜市、川崎市、大和市、三浦市）において、小児科/内科のクリニックを運営し、お子様からお年寄りまで、市民のみなさまの健康を守る身近な医療施設として地域に貢献できるよう、日々活動を行っております。

 

 

 

現在私自身は、いくつかの役割を持っており、つばさ会の経営にあたる傍らで、美容クリニックの院長として患者さまの診療にあたっています。加えて、関連する病院内の保育施設の運営にも携わっており、つばさ会や関連病院と団結しながら、地域に住まうみなさまの健康や快適な医療へのアクセスを追求しています。

 

また、5人の子供の母親としての顔もあり、いまでは8人の孫にも恵まれ、孫たちと過ごす時間が、なによりも楽しく、明日への活力源です。

 

患者さまの診察をする際は、患者さまご自身はもちろん、そのご家族の気持ちになって、最善で最適な医療を提供することが私の理念です。職場を共にする心強い仲間である医師やスタッフも、同じ志で地域の健康に日々向き合っています。

 

 

家族の食物アレルギーを通して見えた課題

 

５人の子を持つ母親として直面した「食物アレルギー」

 

私は5人の子供を育ててきました。いまでは、それぞれが巣立って自分の道を歩んでいますが、5人もいれば小さいころは常に誰かが熱を出したり、お腹を下したりと、なにごとも無い日の方が少なかったような感じでした。

 

 

　　　　　

 

 

その中でも頭を悩ませていたのが、食物アレルギーです。

 

長女が4歳で町内のこども会の遠足に出かけたときのことでした。お弁当を持たせて送り出し、やれやれと思っていたところ、お昼過ぎころ引率の先生から急に連絡があり、様子がおかしいので迎えにきてくださいと…。

 

また、孫たちもまだアレルギー持ちだとわからない段階で食事中急に唇が腫れてしまい、驚かされることもありました。

 

私たち家族は、アレルギーを持つ子どもたちが口に入れるものには細心の注意を払うようになりましたが、同じような心配にいつもさらされ、気が休まらない親御さまも多いのではと考えておりました。

 

 

 

リスクに事前に「気づく」環境づくりが重要

 

母親としての原体験を踏まえて、医師として患者さまやそのご家族の声を聞くと、より多くの課題が見えてきます。

 

例えば、食物アレルギーを持っていても、まだ幼かったり、障がいがあるために他人に自分からアラートを発することができない場合があること。そうした子どもたちの親御さまは、保育所や幼稚園等にお子さんを預ける際には情報を共有されると思いますが、それでもなお不安を持たれている方もおられると思います。

 

また、お子さんを預かる保育所等の先生方も、予め、どのお子さんがどのような食物アレルギーを持っているか把握され、目配りをされていますが、「目を離した隙に」ということがないとも限りません。

 

近年、保育環境は保育士の不足の問題により、大人の目が行き届かないこともあるかと思います。さらに小学校に上がると、子どもの自由行動も増え子ども同士のコミュニケーションが増えると同時に、集団に対して教員・大人の監視が減っていきます。

 

食物アレルギーの場合、誤食によりアナフィラキシーショックを引き起こすと、呼吸困難や意識障害を発症することもあります。緊急時のための自己注射（エピペン）もありますが、常備しているとは限りません。

 

 

こうした課題を自分で体験したり、患者さまやご家族からお教えいただくなかで、アレルギーの有無を周囲の人が感知しやすくなる道具が必要だと考えました。事情を知る大人の目が届かない環境や、子どもたちだけでいる状況でも、「食物アレルギー」を持っていることを自然に伝えることができる、シンプルな道具が理想です。

 

そこで今回、意を決し、アクセサリー感覚でつけられるリストバンド「キッズ用アラートバンド」を製作することにいたしました。

 

 

食物アレルギー 「キッズ用アラートバンド」を広めたい

 

今回製作しているキッズ用アラートバンドは、自分でアレルギーの有無を伝えることが難しかったり、つい忘れてしまいがちな未就学児～小学校低学年のお子さんに付けてもらうことをイメージしています。

 

 

 

このキッズ用アラートバンドが完成した暁には、次のようなかたちで無償で提供（寄贈）することにより、できるだけ多くのお子さんの手に届くようにしたいと考えています。

 

提供先：病院、保育所、幼稚園、児童施設、食物アレルギー関連の団体・学会

提供数：6,000個

決定方法：ご希望をいただいた先着順にて提供いたします。

 

 

今後の展望
〜安全な子育て環境を地域につくりたい〜

 

社会全体で子供の安全を見守り、また、子育てをする親御さんを支えようという動きが広まっています。今回のリストバンドで、そのような動きを後押しできればと思っています。

 

このリストバンドによって、実際のところ、どれくらいのお子さんがアレルギーショックから救われるか、あるいは、親御さんにどの程度の安心感をもたらすことができるのか、正直なところ、未知の部分がたくさんあります。けれども、「まずは、やってみよう。」と思いました。実際に作って、使っていただいて、みなさまからのご意見を頂きながら、改善・改良をしていきたいと考えています。

そして、このリストバンドをきっかけに、お子さんのアレルギー症状に関心やお悩みをお持ちの方々との輪ができ、その輪がだんだんと繋がって広がっていくことで、地域における安全な子育て環境の一助となっていく、そのような動きに繋がっていけばと願っています。

 

 

応援メッセージ

＜保育士さんからの応援メッセージ＞

このようなリストバンドがあると、多くのお子さんをみている保育士さんは助かると思います。試作品の赤と青の色調は目につきやすいですし、デザイン的にも好きです。一見、かわいいアクセサリーと見えつつ、実はアラートバンドになっているところがユニークだと思います。

 

＜親御さんからの応援メッセージ＞

幼稚園、保育園、イベント等人が多く集まる場所では便利だと思います。

 

＜保育士さんからのメッセージ＞

イベント保育等初めてのお子様を預かる場面では活躍すると思います。人数の多い認可保育園等では食事の提供間違いを防ぐためにも良いと思います。シリコン素材で手洗いで濡れても大丈夫なのがありがたいです。