【伝統とHACCP】

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プロジェクトも残すところあと8日となりました。ラストスパート、引き続きよろしくお願い致します。

 

皆さんはHACCP(ハサップ)という衛生管理のシステムをご存知でしょうか?

HACCPとは、1960年代に宇宙食の安全性を確保するために開発された食品の品質管理の方法で、日本語に直訳すると「危害要因分析にもとづく重要管理点」となります。

 

 

もう少し簡単に言うと、食品製造において、原材料から商品を製造し出荷されるまでの工程のなかで、微生物による汚染や異物の混入などの危険を予測して、重要な工程を記録監視する衛生管理の事を言います。昨今ではフードテロ対策という観点からもグローバルスタンダードになりつつあります。

 

度重なる異物混入などの事件によって、消費者からの信用を失いつつある食品業界では現在HACCP標準化の動きが出てきております。消費者の立場からすれば当然HACCPを導入すべきであるという意見が多く聞こえてきそうです。一方でその動きが現在日本の伝統食品業界には大きな波紋を広げています。

 

食品を異物や汚染から守るための管理であり、安全が担保されるのであれば当然導入している必要性を感じます。然しながら日本の中小零細企業の導入実績はわずか3割程度にしか及んでいません(農林水産省:「食品製造業におけるHACCPの導入状況実態調査」より)。これは何故でしょうか?

 

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先日、訪問した歴史ある味噌醤油での事です。

そこは、以前は木樽を使用してお味噌やお醤油を作っておられましたが、現在はFRPという樹脂製のタンクを使用して醸造を行っています。日本の伝統的な醸造蔵をイメージされる時には大きな木樽に縄を張り、職人が樽の上に立って櫂(かい)でもろみを櫂している風景を思い浮かべる方も少ないでしょう。

 

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何年にも渡り使い込んだ木樽はまさにそこの蔵独自の味を引き出す道具であります。それだけではなく蔵全体が麹や酵母などの発酵菌の住み家でありその空間全体が蔵の味を引き出しているといっても過言ではありません。

 

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でも、木樽の使い込んでいく事で縄は緩んできます。樽自体も劣化してきます。そうなっても杉樽職人の数が産業構造の変化によって激減してしまい、修復したくてもなかなかできないのが現状です。いざ、職人を見つけて直そうとすれば数百万円単位で費用が掛かるそうですが、それ以上に保健所がNOと言うのだそうです。

 

直したところで保健所から許可が下りなければ使用することは出来ない。結局、その企業様は木樽での仕込みを諦め数年前に樹脂製のタンクに切り替えたのだそうです。

 

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現状、使用しているものに対し使用制限を掛けることはないそうなのですが、内心は木樽での製造をさせたくないというのがお役所の考え方のようです。

食品の異物や汚染の問題が背景にあるようで、行政は昔ながらの伝統よりも安全を重視していると言えます。これは立場が違えば、そう促さざるを得ない事も理解できますが、実に残念な社会背景であるとも言えます。

 

職人が菌と本気で向き合い、自然や天候と会話してこそ生み出される本物の味というものがあります。もちろん現代では、精密な機械によって温度や湿度をコントロールして、美味しくて均一で安全な食品を作り出すことは出来ます。でもその味や香り、色合いや食品自体が持つ物語は機械によって作られたものと、職人によって作られたものとでは違うと私は思っています。

 

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話をHACCPに戻しましょう。どんなに腕の良い職人だからと言って、現代の流通においては品質管理を怠ることは許されません。従って、HACCPの認証を受けていない企業においても工程上の管理や記録などは極当たり前に取り組まれています。では何故、導入実績が上がらないのでしょうか?

 

答えは第三者のお墨付きを頂くのに費用が掛かるという事です。工場の規模や認定機関によっても違うと思いますが、維持費用だけでも年間で結構な費用が掛かると聞いています。

 

 

HACCPのマニュアルに従って自社でいくら徹底した衛生管理をしたとしてもそれでHACCP認証を受けることは出来ません。HACCPの仕組みを導入するという事と認証されるという事は別の事です。

 

HACCP認証を受ける為には年に何回か検査員が来て工場内をチェックし改善事項が指示されます。その改善がなされて初めて導入となり、その後の管理体制に不備がないか否かを経過観測した上で問題が無ければHACCPの認証が下りるという仕組みになっています。

 

これを毎年行う事によって認証が維持されるという制度です。どんなに衛生管理を徹底した企業であっても、第三者による認証をもらわない限りHACCPを名乗ることは出来ません。当たり前の話ではありますが。

 

消費者は何を以って安全を担保しているのでしょうか?

それはこのような第三者による認証を頼りにしている場合が多いのではないでしょうか?一方で、食品企業はこの認証にかかった費用を日本国内の流通においてなかなか商品の価格に転嫁することが出来ないのも現状です。

 

大手企業も同じく痛手を覆っていると思います。しかし、中小零細がHACCP認証取得に踏み切れない流通制度上の問題があるのも事実なのです。

 

加えて伝統技術や設備は、HACCP認証の足かせになる場合が多く、菌を扱っているにも関わらず工場内の衛生上の問題で定期的に殺菌消毒を指示されることもあります。どの程度であれば食品の発酵に必要であってそこから先が汚染につながるのかという線引きは非常に難しいのではないでしょうか?

 

世の中が変われば仕組みや制度が変わるのは当然です。

それに合わせて変化していかなければ食品の業界だけではなくどのような業界でも生き残りは難しいでしょう。然しながら、一方向からの視点でルールの変更や規制の強化をするのではなく、多方向から見た制度の充実をしていかない限り、どんな技術や革新も意味を成しません。

 

規則を厳しくすればそれだけ安全の担保度合いは上がるかも知れませんが、一方で失われていく伝統や技術が増えていく事でしょう。失うのは一瞬です。しかし失ったものを再び掘り起こし復活させるには長い年月が必要になります。今向き合わなければ失われるかも知れない価値が、後代にとってどれだけの損失になるのか、行政だけではなく私達消費者一人一人が真剣に考えなければならない時代なのではないかと感じています。

 

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堅苦しい文章になってしまいましたが、私達日本人は世界の人たちと比較して食べ物について興味関心が低いように思います。自分たちの体を構成しているのは食べ物です。その食べ物に対してもっと興味を持って欲しいと願っています。食べ物の事、命の事。

 

#WASHOKUCLIP

 

食べ物を頂くありがたみを知り、もったいないの精神を一人一人が今より少し意識するだけでも、世界中の飢餓で苦しんでいる人たちが減少していくのではないでしょうか?

 

一人でも多くの方の笑顔が増える事をWASHOKU CLIPは目指しています。私たちと一緒に是非、笑顔の輪を繋いで下さい。自分が笑顔になれば目の前にいる人も笑顔になります。そんな輪を「食」を通して広げていきましょう。引き続きご協力、応援のほど宜しくお願い致します。

 

 

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代表取締役 新保正

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