お世話になっております。

近未来教育変革研究所の藤井です。

 

 

一昨年の暮れ、ある公立高校からいただいた教員研修のご依頼・・・

「学校で何か起きたら、責任の所在はどうなるのか」

漠然としたイメージしかなかったとしたら、と教頭先生が企画されました。

 

万が一、授業中に生徒が死傷するようなことになれば一大事。

しかしその責任の所在や処罰の現実などは意外と知られていません。

もし、こう言われたら、あなたは驚きますか?

 

 

「授業中の事故では3種類の責任が追及される可能性もあります」

 

一番イメージしやすいのは民事上の責任だと思います。

いわゆる慰謝料や治療費などの賠償責任のことですね。

児童生徒の安全を守るべき注意義務を怠った場合には問われます。

 

公立学校では教師の仕事も公務員による「公権力の行使」。

そのため、賠償では一般的に国家賠償法が適用されます。

(私立学校では民法を適用)

故意や重大な過失でない限り、過失の責任は学校設置者が問われます。

 

 

公立学校では行政処分(懲戒や訓告など)もあり得ます。

職務上の義務違反や職務を怠った場合に地方公務員法により処分されます。

現場では『服務違反』という言葉で表現されているのではないでしょうか。

該当した教員本人だけでなく、学校長の監督責任も問われます。

 

さらに、法令違反が明確(犯罪)な場合、刑事責任も問われます。

刑法に基づき、裁判を通してその責任が追及されていきます。

 

不慮の事故なら「業務上過失致死傷罪」が適用されます。

故意の事件事故の場合は「暴行罪」や「傷害罪」もあり得ますね。

刑事責任が追及されるのは稀有ですが、厳に用心したいものです。

 

 

ちなみに「業務上過失」の「業務」とは、職務に限定されません。

生活上、日常的に繰り返されている行為の全般が含まれます。

ですから自動車事故でもこの言葉を耳にするのですね。

 

刑法に抵触するほどの重大事となると、賠償も変わることがあります。

 

不法行為(故意または重大な過失)には『求償権』が発動されます。

学校設置者(自治体等)が支払った賠償金を該当教員に返還請求するのです。

公立学校では公務員として最大限保護されますが、違法行為は別なのです。

 

なお、私立学校では教員個人にも責任が課されやすくなる点に要注意です。

とはいえ、明確な違法行為でない限りはそこまで心配する必要ありません。

 

 

学校では予想外のトラブルもたくさん発生します。

調査書の集団記載ミスで校長を含む多くの教師が処分された例があります。

いじめや体罰での自殺、アレルギー食による児童生徒の死亡例も・・・

体育行事での熱中症や骨折事故もよく耳にしますね。

 

こうした事案の予防や事後対応には、本当に神経をすり減らすもの。

長く働いている方は、不安や恐怖心を感じた経験もあるでしょう。

ですが、過去の事例を知っているだけでも、予防にはとても役立ちます。

 

私はこうした内容をひとまとめにして、1時間の研修を作りました。

事例コーチングワークを加えて2時間とすることもあります。

トラブルを避けるために、日常、どんな注意点が有効なのか。

好評をいただいているこの研修をぜひご活用いただきたいと願っております。

 

 

近未来教育変革研究所

藤井秀一

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