「没後1周年 Remember Dr.中村哲」講演会

支援総額

491,000

目標金額 300,000円

支援者
65人
募集終了日
2020年11月17日

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2020年11月09日 13:00

【二足のわらじVol.4】「医師が海外で積むべき経験」

 医療従事者向け総合医療情報サイト「m3.com」内の特集: 医師と2足のわらじVol. 58で、5回にわたり北海道パレスチナ医療奉仕団 団長の猫塚医師の記事が掲載れれています。

 こちらのクラウドファインディング 新着情報ページにも記事の掲載許可を頂けましたので、紹介させていただきたいと思います。今回は、第4回目の若手に勧める 「医者が海外で積むべき経験」です。

 

 

医療従事者だけでなく、もっと広く、多くの方に読んでいただきたい内容です。

 

 

 

二足のわらじvol.4

 

若手に勧める「医師が海外で積むべき経験」

 

 今回は、整形外科医として現在も診療に携わる傍ら、NGO「北海道パレスチナ医療奉仕団」の団長として、パレスチナで医療支援活動を行っている猫塚義夫先生。ボランティア・支援活動のご経験やNGO活動で印象的だったこと、日本人医師が海外で医療貢献を行う意義などお話をお聞きしました。

 

 

■ボランティアや支援活動には積極的に参加

 

――2010年にNGOの団長になられるまでの間に、ボランティアなどの活動経験はありましたか。

 

 札幌に事務所がある「『飛んでけ!車いす』の会」というNPO法人の活動に参加しています。海外に車いすを送ると税金を取られますが、旅行者の手荷物として持って行き、病院に届けるなどすれば税金はかかりません。送り先はベトナムとインドネシアが多く、これまででトータル3,000台になりました。インターネットが普及する前から活動していましたが、それ以前は車いすを必要としている子どもの身長などをFAXで送ってもらう、などの苦労がありましたね。

 

 2011年3月にタイとミヤンマー国境のメソート市にある診療所に行きました。当時はまだアウンサンスーチーさんが政権復帰する前で、ミャンマーとタイの間で頻繁に国境閉鎖がありました。政情不安と治安の悪化から逃れようと、国境にある水量の少ないモエイ川という川を超えてミャンマーの少数民族が逃れてきます。越境してきてタイ軍に見つかれば捕まりますし、夜間に国境地帯にミャンマー軍が侵入してきて略奪が起こり、女性はレイプの被害に遭います。すると怪我だけでなく望まぬ妊娠というケースも起こります。そうした少数民族を診療している、シンシア医師の『メータオ・クリニック』という診療所を支援していました。病室のカーテンをあけたら手術をしているような質素な診療所で、「これは大変だな」と感じていました。2008年のイスラエルによるガザ侵攻での被害も重なり、これは黙っていられないぞと活動の取り組みを一気に強化した次第です。

 

 

■過酷な生活で心身共にすり減らされる

 

残骸の転がる街中で、現地の女性と(提供写真)

 

 

――これまでNGO活動をしてきて、印象的だったことを教えてください。

 

 国境での平和デモへ行きイスラエル軍からの発砲があって、近くに銃の弾が飛んできたことがありますが、戦闘行為に直面すると足が動かなくなるものです。近くにいたパレスチナ人が被弾して倒れたりすると足がすくんで、逃げなければと思うのですが体が伴いません。耳元にはヒューンという乾いた実弾の音が聞こえるのです。紛争地帯ですから地面には針金の破片などが散乱していて、そんな中を這って防弾車の後ろに避難しました。私たちの活動の時に使う車は防弾のランドクルーザーで、窓が一切開かない仕様です。銃撃戦に巻き込まれても多少の助けにはなると言われていますが、やはり狙われたら危険です。

 

 ガザ地区との国境は、イスラエル軍がドローンやカメラを搭載したバルーンで上から監視しています。私も近くに爆弾を落とされた経験がありますが、あれはまずドローンでビルの高層階にミサイルを撃ち、人々が逃げ始めるのをドローンで把握して、続く2発目、3発目のミサイルで目標のビルをピンポイントで倒壊させます。500~700メートルの範囲だと、爆風にのって砂塵が飛んでくるんです。攻撃は夜中に行われるので安心して眠れない、精神戦の面もあります。社会が物理的・心理的に追い込まれると、今度は麻薬の汚染が広がってくるのです。

 

――武力による攻撃だけでなく、麻薬の蔓延という問題もあるのですね。

 

 イスラエルとパレスチナ自治区の間には分離壁画ありますが、ところどころに出入りができる監視塔などがあります。そういった場所から入ってくる麻薬が、パレスチナ人のスパイを通じて自治区の中に流通します。中学校の庭にも大麻を吸った痕跡があるなど、子どもへの影響が問題になっています。イスラム教社会は男女が分けられていて、婦人会のようなウーマンソサエティの情報は男性には伝わりにくいものです。しかし私たちは医療従事者なので女性たちと接する機会もあり、「うちの子も麻薬をやっているんです」といったお話を聞くこともあります。麻薬の蔓延は非常に憂慮すべき問題です。

難民として苦労している女性がお金のために身売りをするということも報告されています。本当に基本的な人権がないがしろにされているのに私たちの助力だけでは解決できないということに悔しい思いが溢れます。

 

 

■貧富の差も人種も関係ない、同じ人間

 

 

精力的に講演活動を行う猫塚先生(写真提供)

――日本国内でも医療需要が大きい中で、日本人医師が海外で医療貢献を行う意義についてお聞かせください。

 

 私が思うに、人間の人権や尊厳というものには国境がないということ、富めるものも貧しいものも関係なく皆平等だということを、実体験として学べるという点だと思います。

 

 日本の中にいても、もちろんアイヌ民族や同和問題など様々な差別問題がありますが、海外に行くと明確に人種差別などを認識させられます。また、海外ではどこでもホームレスの姿を見ますが、日本ではあまり見かけることはなく、そうした現実が隠されている風潮もあります。今の若い医学生にとっては、日本以外の社会の現実を学ぶ意味でも海外に出ることには大きな意味があります。肌の色が違うことも貧富の差も問題ではなく、誰もが同じ人間なのです。

 

 私は札幌医科大学の非常勤講師として、医学生に国際医療の講義を行いますが、よく、国境を飛び越えて(Beyond the Border)、アメリカでもヨーロッパでも中東でも、アフリカなどでも、チャンスがあれば1年でも2年でもいいので経験してほしいと話しています。基本的に医療従事者は一定の収入があり、人に尊敬されることも多いですが、海外での経験は人間とは一体どういうものなのか、人間本来の尊厳とは一体何なのかを理解できる貴重な機会だと考えます。

 

 

 

猫塚 義夫(ねこづか・よしお)先生

1973年札幌医科大学卒業。2010年に北海道パレスチナ医療奉仕団を立ち上げ団長に就任。毎年パレスチナにて医療支援や子どもの支援を行い、WHOの要請に応えて向かうこともある。日本では整形外科医として地域住民の診療をしつつ、パレスチナで目にしたことを中心に、イスラエルによるパレスチナの軍事占領の現実や医療について講演活動をしている。

 

文/久保田雄城

写真/猫塚義夫先生

 

 

 

リターン

1,000


もっと、たくさんの人と繋がりたい!

もっと、たくさんの人と繋がりたい!

・講演会の実施報告とサンクスメール
・2019年に行った第13次現地活動の報告集(PDF)

※報告集はデータ(PDF)をメールに添付してお送りいたします。


 このプロジェクトを通して「活動を知ってもらう」を目標に、こちらのリターンンを追加いたしました。一人でも多くの方にご参加いただき、「繋がり」と「支援の輪」を広げていきたいと思っております。よろしくお願い致します。

申込数
3
在庫数
制限なし
発送完了予定月
2021年1月

3,000


心のこもったサンクスメール(リターンなし)

心のこもったサンクスメール(リターンなし)

・講演会の実施報告とサンクスメール

※全額活動費に充てさせていただきます。

申込数
14
在庫数
制限なし
発送完了予定月
2021年1月

1,000


もっと、たくさんの人と繋がりたい!

もっと、たくさんの人と繋がりたい!

・講演会の実施報告とサンクスメール
・2019年に行った第13次現地活動の報告集(PDF)

※報告集はデータ(PDF)をメールに添付してお送りいたします。


 このプロジェクトを通して「活動を知ってもらう」を目標に、こちらのリターンンを追加いたしました。一人でも多くの方にご参加いただき、「繋がり」と「支援の輪」を広げていきたいと思っております。よろしくお願い致します。

申込数
3
在庫数
制限なし
発送完了予定月
2021年1月

3,000


心のこもったサンクスメール(リターンなし)

心のこもったサンクスメール(リターンなし)

・講演会の実施報告とサンクスメール

※全額活動費に充てさせていただきます。

申込数
14
在庫数
制限なし
発送完了予定月
2021年1月
1 ~ 1/ 7

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