支援総額
目標金額 140,000円
- 支援者
- 61人
- 募集終了日
- 2022年2月28日
私の運命を変えた猫たちの話(その2)
私がトラちゃんとクロちゃんに関わるようになって2か月ほどが経ったころ、駐車場には猫たちのためにご飯を置く人が増えてきました。
その中でひと際目を惹いたのは、猫が衛生的にご飯を食べられるように置かれていたプラスチックの容器です。
ご飯だけではなく水も置いてあったので、かなり猫の餌づけに手慣れた人だと思われました。
いったいどんな人が置いているんだろう、と思っていたのですが、ある日プラスチックの容器にご飯を入れている人を見つけることになります。
そこに居たのは私と同年代くらいで、野良猫とは正反対の世界に住んでいそうな華奢で綺麗な女性でした。
私は少し離れた場所から女性の行動を見ていると、女性はきちんと周囲に散らばった猫用のご飯を片付けてから、プラスチックの容器を水洗いしたうえで中身を入れ替えていました。
私はその時に、猫にはご飯をあげるだけではなく、掃除することも必要なのだと痛感したのです。
トラちゃんとクロちゃんは色々な人に可愛がられていましたが、私を含めてどの人も地面に直接猫用のご飯を置いたまま立ち去ってしまい、食べ残しはそのまま放置してある状態でした。
しかし、その女性だけは他の人が置いていった食べ残しをきちんと掃除して、周辺が猫のご飯で汚れたままにならないよう配慮していました。
そして、その女性を見かけるようになってから数回目のことです。
私は意を決して話しかけてみることにしました。
トラちゃんとクロちゃんを可愛がっていること、周りの掃除や猫のご飯を手伝いたいこと、など色々と話してみました。
すると、その女性は気さくに応じてくれて、猫の餌やりについてのルールを話してくれました。
私が猫の保護に詳しくないことを知ったうえで説明してくれたのですが、なかなか厳しい内容で目から鱗が落ちる思いでした。
その中でも、野良猫の去勢・不妊手術の必要性については、私にとって初めて耳にするものだったこともあり、強い衝撃を受けたのを覚えています。
今までは野良の子猫には可愛いという感情しかありませんでしたが、野良の世界で生まれた子猫は大半が死んでしまうことや、仮に生き残ったとしてもその後は過酷な生存競争を強いられることなど、気ままに生きているような野良猫のイメージとはかけ離れていたからです。
そして、トラちゃんとクロちゃんにも去勢・不妊手術の必要性があることを、その女性から指摘されました。
このままでは発情期を迎えたトラちゃんが子猫を産んでしまい、さらに野良猫が増える原因になってしまうからです。
しかし、当時の私は野良猫の去勢・不妊手術はどう行うべきなのか、皆目見当が付きませんでした。
例えば、どうやって野良猫を捕まえるのか、手術にはいくら掛かるのか、手術した後はどうしたらいいのか、など本当にどうするべきなのか、分からないことだらけだったのです。
その女性は私の疑問に対して、ひとつひとつ丁寧に答えてくれました。
こうした色々なやり取りである程度の疑問が解消された後、具体的にトラちゃんとクロちゃんの手術プランを考えることになりました。
まず、トラちゃんは人懐こく抱っこもできるので、捕獲にそれほど問題は無さそうです。
対して、クロちゃんは人懐こいものの抱っこはできないので、捕獲機を用意することになりました。
いったい猫用の捕獲機をどこから借りてくるのか疑問でしたが、その女性は多くの野良猫を去勢・不妊手術しているそうで、自分の捕獲機を持っていました。
そして、いよいよトラちゃんとクロちゃんを捕獲する日がやってきました。
予想通りトラちゃんは何の困難もなく、手づかみで抱きかかえてそのままキャリーケースへ入れることができました。
しかし、クロちゃんは想像以上に怖がりだったこともあり、なかなか捕獲機に入ってくれなかったのです。
最後は警戒するクロちゃんのお尻を私が押し込んで、ようやく捕獲機に入れることができました。
クロちゃんは初めての捕獲機がよほど怖かったのか、中で固まったままお漏らししてしまいました。
おかげで車へ運び込むのに手間取ってしまい、想定外の時間が掛かってしまったのです。
いろいろと紆余曲折はありましたが、無事にトラちゃんとクロちゃんの捕獲を終えて、後は手術の日を待つのみとなりました。
その間は女性の家で預かってもらうことになり、私は1週間ほどトラちゃんとクロちゃんに会えない日々が続きました。
そして1週間ほどが過ぎたある日、無事に手術が終わったトラちゃんとクロちゃんが駐車場へ帰ってくることになったのです。
それぞれのキャリーケースに入ったトラちゃんとクロちゃんは、リリースされると住み慣れた駐車場でのんびりとくつろぎ始めました。
私はトラちゃんとクロちゃんの手術費用を用意しておいたのですが、女性は受け取ってくれません。
お金は要らない代わりに、これからも野良猫の去勢・不妊手術を手伝って欲しいと言われました。
駐車場にはトラちゃんとクロちゃん以外にも野良猫が住みついており、まだまだ去勢・不妊手術が必要だったのです。
私は野良猫の去勢・不妊手術を手伝うことを約束し、あらためてトラちゃんとクロちゃんの手術のお礼を伝えました。
こうしてトラちゃんとクロちゃんは去勢・不妊手術を済ませることになり、駐車場に住む野良猫の中で初めてのサクラ猫となったのです。
(続く)
★この話を最初から読む⇒私の運命を変えた猫たちの話(その1)
リターン
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1,000円
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5,000円
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- 支援者
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- 支援者
- 6人
- 在庫数
- 完売
- 発送完了予定月
- 2022年3月