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児童労働撤廃国際年の今こそ!ACE SDGsプロジェクト2021

岩附 由香(認定NPO法人ACE 代表)

岩附 由香(認定NPO法人ACE 代表)

児童労働撤廃国際年の今こそ!ACE SDGsプロジェクト2021

支援総額

11,420,000

目標金額 10,000,000円

支援者
524人
募集終了日
2021年7月15日
プロジェクトは成立しました!

終了報告を読む


プロジェクト本文

 

SDGsに掲げられている児童労働に関する目標は
「あらゆる形態の児童労働を2025年までに終わらせる」こと。

 

だから
「今こそアクションを」

 

コロナ禍による休校や、家族の収入減少で、
ますます子どもたちの現状は厳しく、
世界的な児童労働の増加が
懸念されています。

 

2021年は国連が定めた児童労働撤廃国際年。

 

遊ぶ、学ぶ、笑う、そんなあたりまえを
子どもたちに取り戻すACEの活動を
応援してください。

 

ACEのSDGsプロジェクトを応援する▼

 

 

 

 

2021年は児童労働撤廃国際年。その理由は。

 

児童労働とは、18歳未満の子どもの心身・社会的・道徳的な発達にとって有害な労働のことをいいます。強制労働や人身売買の被害にあうこと、子どものポルノや買春、子ども兵士、犯罪に使われることも、児童労働にあたります。

 

教育の機会を逃がし、心や体に傷を追う等、未来の可能性を奪うだけでなく、本来遊んだり、学んだりしながら人として成長するための「子ども時代」を奪うのが児童労働です。


そんな児童労働をなくしていこうと、1999年には国際労働機関(ILO)で「最悪の形態の児童労働条約」が総会で満場一致で可決され、2020年にはILO全加盟国が批准するという、世界全体が共有する「価値観」になりました。

 

そして、持続可能な開発目標の目標8ターゲット7にも、児童労働の撤廃が世界共通の目標として掲げられています。

 

しかし。
世界に1億5200万人(2017年ILO発表)といわれる児童労働の減少スピードは遅くなっており、このままでは到底その目標を達成できません。

 

そこで、アルゼンチン政府の提案により、2021年は国連が定めた児童労働撤廃国際年となりました。世界全体で、この児童労働の問題解決に再び向き合い、決意を新たにする必要があるためです。児童労働撤廃国際年の事務局は、Act, Inspire, Scale Upの3つの合言葉に、世界各国政府、企業や市民社会組織に、問題解決への意思表明と行動を起こすことを呼びかけています。

 

そんな今こそ、ACEも児童労働撤廃へのアクションを加速させるため、1000万円という過去最高目標額へ挑みます。

 

ACEはこれまで設立から23年間児童労働の問題に向き合い、解決を目指してきました。私たちは児童労働という複雑な問題をあらゆる角度から、そしてその問題に関係する人たちを巻き込みながら、グローバルに活動しています。そして実際に、児童労働を無くすことに成功してきた経験から、児童労働は無くすことができると確信しています。

 

今回のクラウドファンディングは、そんなACEの取り組みを持続可能にし、問題の早期解決に向けて、なお一層押し上げるための、チャレンジです。

 

 

 

児童労働が起きる構造と、私たちの生活とのつながり

 

児童労働は、複雑な要因がからみあって起きています。
 
子どもに労働をせざるを得ない家庭の状況は、農産物を作っても生活が苦しく、天候に左右され収量が少なくなると収入も減るなど、不安定な収入による家庭の貧困があります。一方で、子どもを学校に行かせようと思っても遠い等の課題や、その背景にある政府の財源が足りず支援が届いていないという課題があります。
 
一方、子どものような安い労働力により支えられる経済活動が成り立ってしまっている現実もあります。その背景には企業がビジネスをする中で、できるだけ原材料を安く買いたい、また消費者も安いものを求める、という構造が作用しています。また、グローバルな貿易の仕組みも、必ずしも原材料の生産者にとって有利な仕組みになっていないことも、関係しています。

 

私たちが日々口にするチョコレートの原料カカオは、その約7割が西アフリカから来ており、児童労働者の数は、コートジボワールで79万人、ガーナで77万人との調査報告があります(2020年、シカゴ大学)。日本に輸入されるカカオ豆はその77%がガーナ産。知らず知らずのうちに、そうした児童労働が使われた商品を消費しているかもしれない、という現状があります。

 

 

 

私たちの転機~サッカーボールと児童労働~

 

児童労働は途上国の可哀そうな子どもたちの問題として片づけてはいけない、私たちの問題でもあるのだ、と気づかされた出来事があります。


2001年、日本が主催するサッカーワールドカップが開催されるちょうど1年前に、インドからサッカーボールを縫う児童労働をしていた、ソニアさんが来日しました。世界が注目するスポーツの大会の背景にある児童労働の問題に光を当て、この問題を解決するために、世界のNGOのネットワーク組織「児童労働に反対するグローバルマーチ」が開催する、「ワールドカップキャンペーン~世界から児童労働をキックアウト!~」の開始記者会見をするためです。そこで私たちはソニアさんに出会いました。

 

私は朝7時から夕方5時までボールを縫う仕事をしていました。
1つのボールを縫うと5ルピー(約15円)もらえました。
縫う時、手に針を刺してしまい、とても痛かったです。
勉強をしたかったけど、病気の母を看病している父に
『学校に行かせてほしい』とは言えませんでした。

 

 

一緒にインドから来日したのは、後の2014年にマララ・ユフスザイさんとノーベル平和賞を同時受賞する、人権活動家のカイラシュ・サティヤルティさんです。実は、ACEが設立するきっかけを作ったのはこのカイラシュさん。

 

ACE設立当初から、アドボカシー活動やインドの支援活動で連携をしていましたが、このキャンペーンをきっかけに、カイラシュさんが代表を務める団体と連携したインドの児童労働撤廃プロジェクトへの支援をACEは開始します。


記者会見の結びに、ソニアさんはこう言っていました。

 

サッカーボールを使うときは、
大人が正当な賃金をもらって作ったものを使うようにしてください。
子どもは学校に行くべきです。そのために、どうか協力してください。

 

この彼女の言葉は、たくさんのものを消費する日本に住む私たちに、自分たちの生活と、児童労働が確実につながっていること、だからこそ、私たちは関係があるし、責任があることを、実感させてくれたのです。


実は当時、私たちはNPOの法人格も持たない、ボランティア組織でした。しかし、2001年から2002年にかけて行ったこのワールドカップキャンペーンの反響がとても大きかったことから、児童労働への関心は高く、ニーズがあると判断し、2004年にはじめて有給のスタッフを雇い、2005年にNPO法人化します。


そこから、ACEは世界の児童労働撤廃に、日本の小さなNGOでもどのように役立てるか、戦略を練り始めました。児童労働が最も多い農業分野に焦点をあて、日本とのつながりも深いガーナのカカオ産業、インドのコットン産業の調査を開始、2009年以降現地での支援プロジェクト、そして企業との連携プロジェクトがたちあがっていきます。
 

 

インドのコロナウイルス感染拡大と子どもたちへの影響

 

ACEが支援していきたインドやガーナのコミュニティにも、そして日本を含む世界中の子どもたちに、コロナウイルスの感染拡大による影響が及んでいます。このような状況下において、最も大きな影響を受けるのは、社会・経済の中で弱い立場におかれている人たちです。

 

2020年3月25日にインド全土でロックダウンが始まりました。それに合わせ、ACEがインドでプロジェクトを行うテランガナ州の農村部のコミュニティの公立学校に通う子どもたちも休校を告げられ、家の外に一歩出ることも許されない生活が始まりました。急な出来事だったので、先生たちは子どもたちに休校中の過ごし方の指導や課題を与えることもできず、中には休校になるという説明も受けなかった子どももいました。


その日から、2021年6月初旬の現在まで一度も学校に登校できないまま過ごしている子どもたちがいます。1~5年生(6~10歳)は新型コロナウイルスの感染予防の観点から一度も学校が再開されていません。わずかな期間再開された6~10年生(11~15歳)の授業も感染第2波によるロックダウンで行われない状況が続いています。国や州政府はオンライン授業の整備を進めましたが、授業を受けるためのインターネット環境や機器の不足から、農村部の子どもの多くはそれらを活用することができていません。
 

子どもたちは勉強の遅れや友達と会えないことによる不安を感じながら生活しています。それだけでなく小規模農家や日雇い労働者である親たちの収入が新型コロナウイルスの影響でさらに減少したため、借金を増やしたり、食べるものを得るのにも苦労する状況も子どもたちに不安を与えています。

「休校になってしまったから、コットンの栽培・収穫時期は畑で働いていた。学校が恋しい。」

働いていた状態からプロジェクトの活動で2019年に学校に就学した、12歳の女の子の言葉です。

現地では今、一度児童労働から抜け出した子どもたちが再び労働に戻ってしまう危機が高まっています。

 

 

 

子どもを取り囲む環境のそれぞれのアクターにアプローチ

 

 

ACEが行う活動は、働く子どもを取り巻くそれぞれのアクターを網羅し、その力を発揮できるようにして児童労働がない方向へ関わる人の意識を合わせ、行動を変えていきます。

 

子ども・若者
子どもたちのエンパワーメントを通じ、家庭、学校、コミュニティで自分の気持ちを表現すること、また就学の機会を保障し自分の未来を切り開くきっかけを作っています。スマイル・ガーナプロジェクトでは学用品支援、またピース・インドプロジェクトでは公立の学校に通うための「橋渡し」をするための補習学校の運営、また、15歳を超えた女の子には、安全な仕事で経済的に自立するための職業訓練を提供しています。


家庭
家庭を訪問して状況を確認し、行政の必要な支援につなげたり、収入が向上するように農業のトレーニングや、副業のための資金を貸し出したり、さらに家計を管理するためのトレーニングなど、様々な角度から、家庭を支援していきます。


コミュニティ(市区町村単位)
地域のボランティアで、子どもたちを見守る体制をつくり、児童労働が起きている場合には、それを解決する方法を自分たちでみつけられるよう、その体制をつくります。また、児童労働を禁止する地域条例を作るなど、地域単位での取り組みを強化してきました。

 

市民社会組織(NPO/NGO)
ACEがインド・ガーナで行う支援活動は現地のパートナー団体を通じて行われます。また、日本国内でも多くのNGO/NPOと連携しています。2004年に設立した児童労働ネットワークでは、毎年児童労働に関するキャンペーンを行い、2008年から2018年で242万筆もの署名を集め、日本政府に対して児童労働への取り組み強化を求めてきました。このように、直接支援、政策提言など様々な角度での連携をしています。(具体例は目標17に記載)


企業(ビジネスセクター)
日本は多くのものを消費しており、企業はその原材料や製品を世界で購入しています。その企業が購入しているモノに児童労働があれば、それは企業の責任である、という新しい価値観が、2011年の国連ビジネスと人権指導原則によって浸透してきました。いまは、企業の株を買っている投資家も、このようなサプライチェーンにある人権問題に注目し、きちんと取り組みをしない企業には投資をしない、というような流れができつつあります。そのため、児童労働の問題は、企業にとっても他人事では済まされなくなりました。ACEでは、そうした企業の責任に関する周知と、実際にどのように企業が児童労働をなくすことに貢献できるのか、様々な協働や対話を通じて連携し、共に行動しています。(具体例は目標12,17に記載)

 

政府・自治体
児童労働の撤廃に向けて最も影響力が大きいのは、国の方針や計画です。ACEはガーナ政府と連携し、2020年3月に「児童労働フリーゾーン」のガイドラインを策定しました。それを受けて、現在はそのガイドラインの実施を試すパイロット活動がJICAの事業としてガーナ政府と連携して行われています。児童労働フリーゾーンを、コミュニティ、自治体(郡・州レベル)、国レベルでいかに機能させることができそうか、課題は何か、現在その活動が続いています。

 

国際機関
ACEはSDG8.7の児童労働・強制労働撤廃のためのグローバル枠組み“Alliance8.7”(アライアンスハッテンナナ)のパートナー団体として登録し、世界の動きに連なった活動を日本でも実現するべく、関係者への周知をしています。また、児童労働に取り組む国際機関とも対話や情報交換を通じて協調しています。4年ごとに開催される児童労働の世界会議にも児童労働ネットワークを通じて日本から代表を送り、パネルディスカッションに登壇するなど、世界の舞台で活躍しています。ACEは国連の経済社会理事会の特殊諮問資格を有しています。

 

 

SDGsの目標、2025年の児童労働の撤廃は…絶望的

 

世界の児童労働者数は減少を続けてきました。そして持続可能な開発目標(SDGs)に2025年までの児童労働撤廃が掲げられ、野心的な目標と言われながらもその目標に向けて活動を続けてきました。しかし、新型コロナウイルスの感染拡大は大きな影を落としています。国連は今回の新型コロナウイルスによる影響で減少傾向にあった貧困人口が、1990年以降はじめて増加に転じ、極度の貧困の子どもの人口も4,200万~6,600万人増えることを報告書で指摘しています。貧困が1%増えるたびに児童労働者が0.6%増える、との指摘もあります。

 

(出典:ILO)

 

8.7 強制労働の廃絶、現代の奴隷制および人身取引の廃止、子ども兵士の募集と使用を含む最悪な形態の児童労働を禁止及び撤廃するために、緊急かつ効果的な措置を実施する。そして、2025年までにあらゆる形態の児童労働を終わらせる。(ACE訳)

テキスト が含まれている画像非常に高い精度で生成された説明

 

新型コロナウイルスの感染拡大の影響でますます目標達成が困難を極める中、今こそ今年の児童労働撤廃国際年を起点に、世界の人々の意識をこの問題に向け、アクションを促すことが必要です。

 

 

 <ここまでのポイント>

 ✔︎  2021年は児童労働撤廃国際年、改めて多様なアクターが問題と向き合っていく機会

 ✔︎  児童労働とは、18歳未満の子どもにとって有害な労働のこと
 ✔︎  新型コロナウイルスの影響により貧困が深刻化、SDG8.7の目標は極めて困難

 

 

児童労働の解決はSDGs達成の近道

 

これまで23年間「児童労働」に取り組む中で私たちが気づいたのは、この問題を解決するための活動が、実は多くのSDGs達成に貢献しているということです。ここでは、各ゴール・ターゲットごとに、ACEの活動がどのようにSDGsの各項目と関係しているのか紹介します。

 


SDGsへの取り組み詳細

 

目標8 働きがいも、経済成長も 

児童労働をさせない、見守る体制を、コミュニティに作る

 

児童労働をなくすことは可能だ、そう私たちが言い切れるのは、児童労働がなくなっていき、かつそれが維持できる、というプロジェクトの経験があるからです。

 

その方法は、いわゆる「エリアベースドアプローチ(Area-based approach)」。対象となる地域全体で、コミュニティの人たちの力を活かして、子どもたちを児童労働から守り、教育を支援し、また児童労働をせざるを得ない状況の家庭には寄り添いながら、行政の支援やACEのプロジェクトの支援に結び付け、状況を改善していきます。

 

2年から3年かけて、その地域の子どもたちがみな学校に行け、おとなが生活に十分な収入があるという状態をめざします。これまでインド・ガーナの28村で、2,360人の子どもを児童労働から解放しました。
 

そしてこの経験を基に、現在「児童労働フリーゾーン」の制度作りにJICAの事業を通じてガーナ政府と協働で取り組んでいます。このような地域単位の取り組みをガーナ全国に、そして世界に広げていくこと、それが私たちの目標です。
 

一方、先進国にも200万人の児童労働者がいるとのILOの指摘の通り、経済発展をしていても児童労働とは無関係でありません。日本でも、子どものポルノや買春、JKビジネス等による高校生の経済的・性的搾取、そして実は人身取引なども発生しており、これらはすべて「最悪の形態の児童労働」に当てはまります。

 

生活のため、将来の学費のためにアルバイトをする高校生が増える中、その過度な負担を果たすために、オレオレ詐欺(特殊詐欺)の出し子や受け子として犯罪に巻き込まれる子どもたちも、児童労働です。(日本の児童労働について詳しくは、調査報告書『日本にも存在する児童労働』をご覧ください)

 


 

目標4 質の高い教育をみんなに

地域のチカラを推進し、無償で質の高い教育を実現

 

教育環境を、地域のおとなや子どもが持つチカラと“そもそも”の行政の責任を果たしてもらうことで、良くすること。これが、ACEのプロジェクトの特徴です。


スマイル・ガーナ プロジェクトの「子どもの権利クラブ」の活動を通じ、自分たちの「教育を受ける権利」を学んだ子どもたち。ある日、行動を起こしました。村長の家までデモ行進をして、「教室の増設を!」と訴えたのです。当時は1つの教室で2学年が勉強するような環境でした。それが改善され、数年後には日本政府の支援も活用し、立派な中学校舎が建設されました。


2020年には活動地で住民の意見が反映された「子どもの保護に関する地域条例」が作成・最終化されました。群会議を経て承認・交付されれば住民と行政が連携しての子どもを保護し教育を支える仕組みがさらに強いものとなります。


ピース・インド プロジェクトでも、子どもクラブで「子どもは働かなくてもいい」ということを学んだ子どもたちが、児童労働をしている子どもに対して学校に来るよう誘い、それを見た近所のおとなも子どもを働かせる親への説得を行うなどの動きが起きてきました。


また、地域住民が教育局へ働きかけ、新たな校舎の建設や先生の増員などが実現し、子どもの就学率・教育の質の向上が実現しました。高学年が増設される学校もあり、引き続き村にある学校に通学できることは中途退学防止にもつながっています。


このように、「地域の人たちが自らの声を自治体に伝えること」をサポートし、それに対して自治体がきちんと責任を果たすよう促すことで、地域住民のチカラで現状を変えることができることを実感してもらいつつ教育環境改善を実現してきました。

 

これまで約13,500人が無償で質の高い教育を受けることに貢献し、質の高い教育を受けた元児童労働者の子どもの変化から教育の大切さを実感する親も多くいます(新型コロナウイルスの影響を受けた現地の学校の休校のため正確な子どもの就学状況が確認できず、教育を支援した子どもの人数は2020年から更新されていません)。


新型コロナウイルスの感染の影響で学校で学ぶことが叶わない子どもたちに対しても、家庭学習の支援を行ったり、コミュニティに来られない学校の先生に代わって近所の若者にボランティアで勉強を教えるよう促すなど、教育を受けることをストップさせないよう働きかけています。

 


 

目標1 貧困をなくそう

農閑期でも安定した収入を実現し、必要な社会保護へのアクセスを確保

 

児童労働が起きる主な理由の1つは、子どもも家族の生活を支える必要があるため、つまりおとなの稼ぎでは家計が成り立たない困窮した状況があるからです。


ピース・インド プロジェクトでは特に女性向けに家計を管理し貯金を習慣化するためのトレーニングや、土地をもたない日雇い農家が農閑期でも収入が得られるよう、畜産などの小規模ビジネスを始めるための物資での無利息融資と訓練の提供を通じ、収入の向上・家計の安定を支援しています。
 

スマイル・ガーナ プロジェクトでは、対象地の住民がほぼカカオ農家のため、カカオ栽培のトレーニングを実施し、値段の高い農薬や肥料に頼らない栽培方法を指導することで支出を抑え、収量を上げる取り組みをしています。
 
また健康保険や失業保険、ひとり親手当など、各政府による社会保護政策があるものの、アクセス方法や申請方法がわからない住民に対し、その申請方法の指導や行政担当者への橋渡しを行い、既存の社会保護を活用して経済状況を改善できるようサポートしています。

 


 

目標2 飢餓をゼロに

小規模農家を支援し、企業との連携で地域の農業の在り方を変える
 

実は、この目標2の正式なタイトルは、「 飢餓を終わらせ、食料安全保障及び栄養改善を実現し、持続可能な農業を促進する」です。ターゲット2.3には小規模農家の所得向上、2.4には生産性を上げながら災害などにも強いレジリエント(しなやか)な農業が掲げられています。


ACEがプロジェクトを実施しているインドのコットン生産地、ガーナのカカオ生産地では共に住民の多くが小規模農家であり、ACEは小規模農家の収入向上支援と農業トレーニングを通じこのターゲットに貢献しています。


スマイル・ガーナ プロジェクトでは、カカオ農業以外でも収入を得られるようにするために女性農家に焦点を当てた農業技術支援として米の栽培支援も始めました。訓練を受けた女性たちは習ったことを実践して米を収穫して販売することで、収入を増やすことができています。


ピース・インド プロジェクトを卒業し児童労働がなくなった地域では、日本企業と地元農家によるオーガニックコットンの栽培プロジェクトが行われています。大量の農薬を使うコットン栽培は土壌や水を汚染します。オーガニックコットンへの転向は、同じ畑で安全な食料生産ができるようになるだけでなく、本来の土の力を活かす持続可能な農業のサイクルを作り出しています。
 

また、インドではプロジェクトで運営する補習学校での給食提供、ガーナでは公立学校給食の支援を行うことで、子どもたちに栄養のある食料を提供しています。

 


 

目標5 ジェンダー平等を実現しよう
女子差別と児童婚を防ぎ、職業訓練を通じ女の子をエンパワーする

 

ピース・インド プロジェクト実施地域では「女の子は教育を受ける必要がない」という考えが根付いていたり、結婚持参金を稼ぐために男子よりも多くの女子が働いている状況があります。プロジェクトでは、啓発活動や女子のエンパワーメント支援活動を行って、女子がおかれる環境の改善、差別をなくすことに貢献しています。

 

エンパワーメント活動によって啓発された女の子本人からの申し出によって、本人の意思に反して親に結婚をさせられそうになっている状況を把握したケースでは、親を説得して児童婚を回避し、引き続き教育を受け続けられるようサポートをしました。

また教育の機会を逸して義務教育年齢を過ぎてしまった女の子たちには、基本的な読み書きと算数、仕立て屋の職業訓練の機会を提供し、修了後にはミシンを渡し、自分で安全な環境下でビジネスを始められるようサポートしています。

 


 

目標12 つくる責任 つかう責任

企業も消費者も、児童労働撤廃に貢献できるビジネスの在り方へ転換

 

児童労働と聞くと、遠い国で起きている出来事で私たちの日常生活には関係ないと思われるかもしれません。確かに多くは開発途上国で起きていますが、世界の児童労働の7割を占める農業分野での児童労働は、日本に輸入される製品の原料生産に関係しています。


ACEでは「しあわせへのチョコレートプロジェクト」として2008年から、カカオ産業の児童労働について企業と消費者を巻き込んだビジネスの変化を促してきました。スマイル・ガーナ プロジェクトでは消費者が購入したチョコレート商品の売り上げの一部を企業から寄附として受け活動を行っています。その活動によりコミュニティで児童労働を撤廃、実施地域を拡大し、そこで採れた児童労働のないカカオを使ってさらに多くの企業がチョコレートを作り、消費者へ届けるというサイクルを実現し、当初のゼロから、今では21社・ブランドの82点(2021年3月時点)の商品に広がって支援地のカカオが使用されています。


ピース・インド プロジェクト実施地のあるテランガナ州では、コットン種子生産によるビジネスが盛んです。この綿や種を作るための畑では、ひとつひとつのめしべとおしべに人の手による交配(人工授粉)が必要で、そのため多くの児童労働者が安い労働力として雇われています。また高い利益を得ているのは種子企業で、農家は高い収益を見込んで種子生産に乗り出したものの、種、農薬、肥料などを買わなくてはならず借金に悩まされ、自殺した農家もいます。


人権や環境に配慮されたオーガニックコットン栽培をACEの連携企業によって地域に導入することは、児童労働を生み、格差を広げるビジネスのこれまでの仕組みを変えるための、企業とNGOの協働によるビジネスの在り方の転換です。


上記のカカオ・コットン以外の産業でも児童労働を撤廃するビジネスを実現することを目指し、ソーシャルビジネス推進事業では企業向けの研修やコンサルティングを通じ、特に児童労働を含むサプライチェーンの人権課題に関する啓発、解決に向けたビジネスの創出をサポートしています。

 

きちんと取り組んでいる企業が正当に評価されるよう、企業のサプライチェーンの人権デューデリジェンスに関する法制化や、政府の公共調達のルール自体を変える必要性について政府に政策提言をするアドボカシー事業の活動など、企業や政府がそのサプライチェーンを含めて児童労働に加担しない仕組みづくりを目指しています。

そのような世界を実現するためには、消費者が声を上げることが重要です。消費者教育として、児童労働やフェアトレードの理解促進、教育教材の販売、出版、講師派遣、イベント開催を行っている啓発・市民参加事業では、気づきとアクションを起こすきっかけづくりを行っています。

 


 

目標16 平和と公正をすべての人に
子どもに対する暴力の撤廃、そして子どもの権利を保障するために

 

日本の子どもの虐待の事件が多く報じられる中で、ACEはSDGsのゴールの「途上国でも、先進国でも」の精神を実践するべく、日本国内の取り組みもはじめています。

目標16のターゲット2には「子どもに対する暴力の撤廃」が含まれています。子どもに対する暴力撤廃のグローバルパートナーシップ(Global Partnership to End Violence Against Children)は、世界から子どもに対する暴力をなくす政府の活動をより活性化し、このターゲットを達成するために国際機関、NGOや政府の協力でできた、グローバルな枠組みです。

日本政府がこの枠組みに加盟することを複数の団体と共に働きかけた結果、加盟が実現。現在、政府は日本の子どもに対する暴力(虐待、性的搾取、いじめ等)の行動計画を策定中です。


また2019年、子どもの権利条約30年を機に「広げよう!子どもの権利条約キャンペーン」を立ち上げ、事務局を務めています。現在賛同団体は130を超え、「子どもの権利」を中心に市民社会組織がつながるプラットフォームを提供しています。

 

さらに、現在議論が高まっている「子ども庁」についても、子どもの権利を保障するという観点から、政策提言を行っています。とくに子どもの声を聴き、それを表明する機会をつくることを念頭に置きながら、子ども権利条約の考え方をベースとした「子ども基本法」「子どもコミッショナー」の実現にむけて取り組んでいます。

 


 

目標17 パートナーシップで目標を達成しよう

20を超えるネットワーク組織に加盟。企業/政府等と協働

 

 

ACEは設立当初からパートナーシップを重視してきました。NGO、労働組合、企業、消費者、政府など様々なアクターと協働してきた経験があり、20を超えるネットワーク組織に加盟しています。

企業とのパートナーシップ例:森永製菓との1チョコfor1スマイル キャンペーン(DARSやカレ・ド・ショコラなどの製品の売り上げからの寄附)、またフェリシモの「幸福のチョコレート」(カタログ販売売上からLOVE&THANKS募金として寄附)、ブラックサンダーでおなじみの有楽製菓との協働など、継続したパートナーシップにより、ACEのスマイル・ガーナ プロジェクトの実施地域を拡大することができました。

 

2020年6月からはみんな電力(株)との協働で人権と環境に配慮した「顔の見えるバッテリー」の普及を目指した「みんなでフェアチャージ!プロジェクト」に取り組んでいます。

 

2020年12月にはデロイトトーマツ(同)とオウルズ・コンサルティンググループとの協働で「児童労働白書」を発行、児童労働に関する初の白書として社内啓発に活用いただいています。

 

また様々な業種の企業からの依頼により、ビジネスにおける人権をテーマとした研修を通じて社内啓発の支援をしています。ACEの法人会員制度では、45の企業・団体がACEの活動を応援しています。
 

労働組合との協働例:2004年に設立した「児童労働ネットワーク」では、加盟している労働組合やNGOと共に署名活動や啓発キャンペーンを行い、これまで約242万筆の署名を集めてきました。NGO労働国際協働フォーラムでも児童労働グループの事務局をつとめ、連携強化を行っています。

 

NGOとの協働例:2019年大阪G20サミットに向けて、G20サミットの正式なエンゲージメントグループである「C20」(Civil 20)の議長を代表の岩附が務め、日本のNGOと共に世界を舞台にアドボカシー活動を行いました。また、事務局を務める「広げよう!子どもの権利条約キャンペーン」では130を越える日本の団体が賛同しています。

 

政府との協働例:2018年から、ガーナの雇用労働関係省と協働して「児童労働フリー・ゾーン」の策定プロセスを担いました。これは、政府の「児童労働撤廃計画」の一部であり、政府主導によるガーナ全体で児童労働をなくすための制度作りとなります。がーナ政府と共催でガ会議を開催し、ガイドラインの策定を進めました。このプロセスには、デロイト トーマツ コンサルティング合同会社のスポンサーを受け、ガーナ政府、NGOや労働組合、企業が協働する形で実現しました。また2019年にはJICAとも協力してガーナでワークショップを開催。こうして、2020年3月には「児童労働フリーゾーン」のガイドライン策定が完了しました。

 

 

 

児童労働撤廃国際年の今こそ!

児童労働を知らせ、日本からのコミットメントを強めていく

 

私たちACEは、世界から見れば日本の小さなNGOですが、児童労働のあらゆる角度から非常に幅広い活動をしており、また専門性を持ってグローバルに活動しているNGOでもあります。カカオ産業の児童労働撤廃においては、ガーナ政府とも連携を実現し、企業や政府と連携することでより大きな変化を起こすことに成功してきました。


そんな私たちが感じているのは、日本は経済大国であり、消費国であり、日本の企業がグローバルに活躍しているからこそ、責任もあるということです。児童労働は誰も無関係ではいられません。でもだからこそ、誰でも、その解決に参加することができるのです。


しかしそのための一番の問題は、児童労働という問題の存在自体、そういう子どもたちと自分の生活のつながり自体が、見えず、実感できないことです。そこでこの児童労働撤廃年には、国際事務局がかかげているキーワード Act, Inspire, Scale Upにならって、
 

1.児童労働問題への認知を高める
2.経験とストーリーを共有する

3.コミットメント・アクションを促す


ことを、2021年12月まで行っていきます。


詳しくは、児童労働撤廃国際年ページhttp://teppai2021.acejapan.org/ をご覧ください。

 

 

SDGs達成に向けて、ACEの活動を応援してください

 

SDGsの達成に貢献すべく、ACEは児童労働撤廃に向けた活動を続けていきます。
ACEの活動資金の7割はご寄附で成り立っています(2019-2020年度決算)。しかし新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け寄附が大幅に減少するなど、影響を受けています。このクラウドファンディングへのご寄附は、主に以下の活動の実施費(直接経費及び人件費)、管理費(20%以内)にあてさせていただきます。

 

ACEの活動スケジュール(2021年6月~12月)

 

<インド、ガーナ、日本の児童労働撤廃、コロナ対応、及び児童労働フリーゾーンに関する活動>

✔︎新型コロナウイルスの影響により困窮している家庭への支援(ピース・インド プロジェクト)
✔︎新型コロナウイルスによる休校で発生している学習の遅れを補う学習支援、児童労働の防止(ピース・インド プロジェクト、スマイル・ガーナ プロジェクト)

✔︎ピース・インド プロジェクトにおいて、児童労働のない村の仕組みづくりと地域の児童労働対策強化への働きかけ
✔︎スマイル・ガーナ プロジェクトにおいて、コミュニティレベルで住民が児童労働をなくし、教育環境を改善するための仕組みづくり、支援地域の選定と拡大
✔︎ガーナ政府との協働で作り上げた「児童労働フリー・ゾーン構築のためのガイドライン」の普及に向けた、コミュニティでの実践、現地関係者への周知、政府・行政・企業・NGOの連携促進(この活動は、JICAの受託事業としてパイロット活動と情報収集を現在行っていますが、その範疇に入らない情報収集や戦略策定等の活動を自己資金で行っています)

✔︎「知ってる?働く人を守るルール」リーフレットの普及・啓発(日本の児童労働の予防のための配布、啓発活動)http://acejapan.org/info/2021/03/30685

 

<日本政府への働きかけ>

✔︎児童労働ネットワークを通じた国内外の児童労働への取り組み強化の署名提出、提言活動
✔︎日本の政府機関のAlliance8.7への参加の実現を目指す提言活動
✔︎「ビジネスと人権」に関する企業のサプライチェーンや政府の公共調達に関する提言活動
✔︎子どもの権利を包括的に保障するための「子ども基本法」「子どもコミッショナー」の実現に向けた提言活動、こども庁等の子どものための機関設立に関する提言活動

 

<持続可能な事業の推進に向けた企業・経営者への働きかけと連携> 
✔︎「2021児童労働撤廃国際年「『SDGs8.7に経営トップがコミットメント!』キャンペーン」を通じた日本のビジネスセクターの意識喚起と底上げ
✔︎カカオ、コットン、コバルトなど産出現場での児童労働が多い原料に関連するビジネスセクターへの啓発・協働促進・対話
✔︎「開発途上国におけるサステイナブル・カカオ・プラットフォーム」(JICA)への参加を通じた企業やその他ステークホルダーとの対話や協働
✔︎グローバル・コンパクト・ネットワーク・ジャパンでの協働活動を通じた「CSR調達」のための情報共有および啓発ツールの開発・普及
✔︎企業に対する「ビジネスと人権」に関する啓発セミナー、研修、ワークショップの実施
✔︎「ビジネスと人権」に関する情報を提供する国内企業向け情報サイトの運営

 

<児童労働撤廃国際年にあたっての啓発活動>
✔︎6月12日の児童労働反対世界デー当日の意見広告(予定)
✔︎児童労働撤廃国際年のウェブサイトからの発信
✔︎児童労働ネットワークを通じたキャンペーン活動
✔︎啓発イベントの実施
✔︎子ども・若者向け児童労働撤廃コンテスト(仮称)の実施

 

上記の活動を行っていくために、皆様からのご寄附が必要です。
応援、ご寄附をどうぞよろしくお願いいたします。

 

 

また、昨年行ったSDGsプロジェクトの実績をお伝えします。

昨年度の本プロジェクトの実績(2020年6月~12月)


<児童労働撤廃の現地支援>

✔︎スマイル・ガーナプロジェクトと児童労働フリー・ゾーンの活動
✔︎2019年7月にスタッフ2名がガーナに赴き、児童労働フリー・ゾーンに関する郡レベルでのコンサルテーション会議を開催し、実施手順の確立に向けガーナ政府や関係者との協議を実施(その後、2020年3月に正式にこの実施手順文書が完成)
✔︎JICAのガーナでの共創ワークショップ開催に協力
✔︎ガーナとインドの活動地での新型コロナウイルスの影響での児童労働の発生の防止
✔︎ガーナとインドの活動地の子どもの家庭学習支援
✔︎ピース・インド プロジェクト実施地で新型コロナウイルスの影響で特に困窮した家庭53世帯向けに緊急食料配布支援を実施
✔︎スマイル・ガーナ プロジェクト実施地2村での子どもを守る地域条例の制定推進と完成
✔︎日本の児童労働問題の予防のため、リーフレット「あなたのアルバイトはだいじょうぶ?」を作成、沖縄県、神奈川県、大阪府、佐賀県の定時制高校で配布

 

<政府への働きかけ>

✔︎日本政府のビジネスと人権指導原則の国別行動計画(NAP)策定に向けたパブリックコメントの提出。提言した児童労働・子どもの権利に関する記述が反映されました
✔︎G20に向けた市民社会組織プロセスC20(Civil 20)サミットにおいて、児童労働のセッションを主催。G20リヤド・サミットの首脳宣言にも児童労働撤廃のコミットメントが継続して記載されました

 

<企業・経営者への働きかけ>

✔︎ガーナ政府と取り組んできた児童労働フリーゾーン(CLFZ)ガイドラインが2020年3月に施行
✔︎2020年1月に設立したJICAによる「サステイナブル・カカオ・プラットフォーム」の立ち上げをサポート
✔︎現地視察ツアーに参加した企業による支援地産コットンを使用した製品の商品化が決定
✔︎企業の「ビジネスと人権」に関する取り組み状況の調査をデロイトトーマツ(同)と実施
✔︎持続可能なバッテリーの流通を目指す「フェアチャージプロジェクト」をみんな電力(株)と開始。コバルト(鉱物)分野へ参入
✔︎「子どもの権利と投資に関するガイドライン」の日本語版を発行しESG経営を啓発
✔︎企業向け情報サイトを開設し「ビジネスと人権」の課題解決をサポート
✔︎個別企業への人権に関する啓発ワークショップ、研修はコロナ禍の影響によりきわめて限定的なものに留まった

 

>昨年度の報告ページはこちら<

 

©Natsuki Yasuda / Dialogue for People

 

ACEについて

 

【ACEの名前の由来】
わたしたち認定NPO法人ACEは、日本生まれの市民社会組織です。現在の代表、副代表、事務局長を含む学生5人で1997年に立ち上げ、23年間、活動を続けてきました。
ACE(エース、と読みます)は、Action agasint Child Exploitation の略。「子どもの搾取に反対する行動」という意味です。児童労働をしている子どもたちは、搾取されています。搾取、とは「強い立場の人が、自分より弱い立場の人を、自分の利益のため/自分の欲望を満たすために、使うこと」。自分の意思に反して、または状況的にいやと言えなくて、子ども時代を過酷な労働に費やさなくてはいけない、そしてその結果、怪我や病気や教育の機会を逃すことで、その子のもともと持っている可能性が開花されずに終わってしまう。そんな児童労働は、子ども本人にとっても、社会にとっても、大きな損失です。そんな児童労働をなくしたいと活動をしています。


【ACEのパーパス】
私たちのパーパス(存在目的)は、

 子ども・若者が自らの意思で 人生や社会を築くことができる世界をつくるため
 子ども・若者の権利を奪う 社会課題を解決する

です。子ども(国連子どもの権利条約の定義上は、18歳未満)が健やかな子ども時代を過ごし「この世は生きる価値がある」と感じて、自分の、そして社会の未来を切り開く力を発揮できるような社会状況を作ること、それが私たちの使命です。

 

【ACEのセオリー・オブ・チェンジ(TOC)】

 

(2021年6月時点)

 

児童労働問題にグローバルなレベルでインパクトを出せることを目指し、
①  国レベルの児童労働撤廃に向けた法制度、実施能力の強化
② ACE自身の、また政府や産業との連携による、児童労働解決モデルの開発・普及と児童労働者数の削減への貢献(インド、ガーナ、日本)
③    ビジネスと人権に関する企業行動について、日本をグローバルスタンダードに近づけるためのルール形成と児童労働に加担しないビジネスの実践(ビジネスと人権、サプライチェーンのデューデリジェンスを促す法整備、公共調達ルール)
④    ①~③を動かすための、市民の行動促進
⑤    児童労働問題の解決の必要性の前提となる、国連子どもの権利条約に基づく「子どもの権利」の概念の普及(主に日本国内)
を意図して、①政府・キーパーソン、②企業・経営者、③子ども・若者、④社会全体・市民、のそれぞれの対象者に働きかけを行っています。

 

【事業内容】
子ども・若者支援事業:

インドやガーナでの児童労働の子ども・家族を支援する国際協力活動、日本の児童労働の予防活動


アドボカシー事業:

日本政府への政策提言、グローバルな場(国連、G20)での提言活動、調査・研究活動、児童労働ネットワークの運営
 

啓発・市民参加事業:

児童労働や消費者教育の教材の開発・販売、講師派遣、イベント開催、市民の参加機会の創出
 

ソーシャルビジネス推進事業:

企業との連携事業の実施、コンサルティング、研修
 

事業横断プロジェクト:

チョコレート、コットンの分野で事業を横断した連携促進。「広げよう!子どもの権利条約」キャンペーン事務局運営


JICA事業の受託:

ガーナにおける児童労働フリーゾーンパイロット活動(調査活動)を受託(アイ・シー・ネット株式会社との協業)

 

【主な実績】
✔ インドとガーナでの国際協力プロジェクトを通じ、子ども2,360人を児童労働から救出し13,500人の教育を支援(2009年~2020年)
✔ ガーナ政府の児童労働撤廃国家計画にある「児童労働フリーゾーン」のガイドライン策定を支援、2020年3月に完成(デロイト・トーマツコンサルティング合同会社と協働)
✔ 2019年G20サミットプロセスの中で、SDG8.7ダイアローグをG20各国の官僚・国際機関を招いて主催、議論の活性化に大きく貢献(メディアスポンサー:ジャパンタイムズ)
✔  児童労働ネットワークの署名活動(2008年~2018年)を通じ累計242万筆の児童労働取り組み強化を求める署名を集め、政府に提出
✔  2011年より森永製菓「1チョコfor 1スマイル」との連携、大手メーカー初となる活動地のカカオを使用した国際フェアトレード認証チョコレートの開発(2014年1月)


【主な制作物】
✔ デロイト トーマツ コンサルティング(同)とオウルズ・コンサルティンググループとの協働で「児童労働白書」を発行(2020年12月)
✔ 児童労働の入門書「わたし8歳、カカオ畑で働きつづけて。」を出版、重版を重ねる(合同出版、2007年、9刷、累計18,500部)
✔ ACEの活動にまつわる人たちのストーリーを取り上げた『チェンジの扉』を出版(集英社、2018年)
✔ドキュメンタリー映画『バレンタイン一揆』(2012年)の製作
✔ 詩人・谷川俊太郎さんがACEの活動にインスパイアされて書いた詩「そのこ」ムービーの作成(2010年)・絵本の出版(2011年)


【受賞歴】
第2回 The Japan Times Satoyama & ESGアワード「特別賞」受賞(2020)
第8回若者力大賞「ユースリーダー支援賞(団体部門)」受賞(2017)
平成26年度「消費者教育教材資料表彰」最優秀賞/平成27年度同優秀賞を受賞(2016)
第5回エクセレント NPO 大賞「市民賞」受賞(2016)
第4回日経ソーシャルイニシアチブ大賞「国際部門賞」受賞(2016)
NGO組織強化大賞「女性スタッフの登用・活躍部門賞」受賞(2016)
平成26年度「消費者教育教材資料表彰」優秀賞を受賞(2015)
第3回「エクセレントNPO大賞」課題解決力賞ノミネート (2014)
第2回 日経ソーシャルイニシアチブ大賞「国際部門賞ファイナリスト」(2014)
第10回 日本パートナーシップ大賞「準グランプリ」「オルタナ賞」受賞(2013)
第1回 日経ソーシャルイニシアチブ大賞「国際部門賞ファイナリスト」(2013)
米国労働省「児童労働撤廃のためのイクバル・マシー賞」ノミネート (2012)
平成 24 年度社会貢献支援財団「社会貢献表彰」受賞(2011)

 

 

 

リターンについて

 

下記、★印がついているものは全額寄附コースになります。印のないものは、【寄附】扱いとならず、税制上の優遇措置の対象とならないためご留意くださいませ。

 

①  5,000円|児童労働をなくす一歩目のアクション!活動報告メール 領収書発行 ★
②  10,000円|児童労働撤廃国際年の今こそアクション!活動報告メール 領収書発行 ★
③  30,000円|児童労働撤廃へ後押しアクション!活動報告メール 領収書発行 ★
④  50,000円|児童労働撤廃へ促進アクション!活動報告メール 領収書発行 ★
⑤ 100,000円|児童労働撤廃へ貢献アクション!活動報告メール 領収書発行 ★
⑥ 100,000円|ACEインド・オンラインツアー(活動地中継・子どもとの交流)| (限定10)
⑦ 300,000円|児童労働撤廃へ大貢献アクション!活動報告メール 領収書発行 ★
⑧ 300,000円|SDGsに関するカスタムメイド研修/授業の企画・実施(オンラインを想定)
⑨ 500,000円|児童労働撤廃へ飛躍アクション!活動報告メール 領収書発行 ★
⑩ 1,000,000円|児童労働撤廃へ大飛躍アクション!活動報告メール 領収書発行 ★

 

 

税制優遇について

 

ACEは東京都から「認定NPO法人」として認定されています。【全額寄附コース】を選択してご寄附いただくと、以下の税制優遇を受けることができます。詳しくは所轄税務署や国税庁のウェブサイト等をご覧ください。

 

 ・個人としての寄附:「税額控除」か「所得控除」のうち、有利な方を選択できます。一部の住民税についても寄附金控除の対象となる場合があります。

 

・法人からのご寄附:「寄附金特別損金算入限度額」の枠が適用されます。

 

詳細については、ACEのウェブサイトもご参照ください。

プロフィール

岩附 由香(認定NPO法人ACE 代表)

岩附 由香(認定NPO法人ACE 代表)

認定NPO法人ACE代表。上智大学在学中、米国留学から帰国途中のメキシコで物乞いする子どもに出会い、児童労働と教育を研究テーマに大阪大学大学院国際公共政策研究科(OSIPP)へ進学。在学中の1997年にACEを発足させる。現在児童労働ネットワーク事務局長、Global March Against Child Labour理事、エシカル推進協議会理事、国際協力NGOセンター理事も務める。著書に『わたし8歳、カカオ畑で働きつづけて』、監訳に『インドの債務児童労働』。ACEは2016年『日経ソーシャルイニシアティブ大賞』国際部門賞を受賞、企業との連携を通じた問題解決のモデルが評価されている。近著に『チェンジの扉』。モットーは、ACE立ち上げのきっかけとなったカイラシュ・サティヤルティさん(2014年ノーベル平和賞受賞)からインスパイヤされた、Dream Discover Believe Do。

リターン

5,000


①児童労働をなくす一歩目のアクション!|全額寄付コース5,000円

①児童労働をなくす一歩目のアクション!|全額寄付コース5,000円

■活動報告メール

【寄付金控除対象】
★本コースは税制優遇の対象となります。寄付受領書の発行をいたします。

支援者
224人
在庫数
制限なし
発送完了予定月
2021年12月

10,000


②児童労働撤廃国際年の今こそアクション!|全額寄付コース10,000円

②児童労働撤廃国際年の今こそアクション!|全額寄付コース10,000円

■活動報告メール

【寄付金控除対象】
★本コースは税制優遇の対象となります。寄付受領書の発行をいたします。

支援者
228人
在庫数
制限なし
発送完了予定月
2021年12月

30,000


③児童労働撤廃へ後押しアクション!|全額寄付コース30,000円

③児童労働撤廃へ後押しアクション!|全額寄付コース30,000円

■活動報告メール

【寄付金控除対象】
★本コースは税制優遇の対象となります。寄付受領書の発行をいたします。

支援者
36人
在庫数
制限なし
発送完了予定月
2021年12月

50,000


④児童労働撤廃へ促進アクション!|全額寄付コース50,000円

④児童労働撤廃へ促進アクション!|全額寄付コース50,000円

■活動報告メール

【寄付金控除対象】
★本コースは税制優遇の対象となります。寄付受領書の発行をいたします。

支援者
8人
在庫数
制限なし
発送完了予定月
2021年12月

100,000


⑤児童労働撤廃へ貢献アクション!|全額寄付コース100,000円

⑤児童労働撤廃へ貢献アクション!|全額寄付コース100,000円

■活動報告メール

【寄付金控除対象】
★本コースは税制優遇の対象となります。寄付受領書の発行をいたします。

支援者
17人
在庫数
制限なし
発送完了予定月
2021年12月

100,000


⑥ACEインド・オンラインツアー(活動地中継・子どもとの交流)| (限定10)

⑥ACEインド・オンラインツアー(活動地中継・子どもとの交流)| (限定10)

■インドのACEのプロジェクト実施地とオンラインでつながり、村の様子を感じたり現地の人にインタビューができます(通訳あり)。事前学習や振り返りの時間を前後に設け、他の参加者との交流も予定しています。

■活動報告メール

※詳細については後日個別にご連絡させていただきます。
2022年12月まで有効となります。

支援者
4人
在庫数
6
発送完了予定月
2021年12月

300,000


⑦児童労働撤廃へ大貢献アクション!|全額寄付コース300,000円

⑦児童労働撤廃へ大貢献アクション!|全額寄付コース300,000円

■活動報告メール

【寄付金控除対象】
★本コースは税制優遇の対象となります。寄付受領書の発行をいたします。

支援者
8人
在庫数
制限なし
発送完了予定月
2021年12月

300,000


⑧SDGsに関するカスタムメイド研修/授業の企画・実施(オンラインを想定)|300,000円

⑧SDGsに関するカスタムメイド研修/授業の企画・実施(オンラインを想定)|300,000円

■SDGsに関する研修/授業をご希望に合わせ提供します。
(オンライン実施に必要な申込者側の機器は申込者用意)

■活動報告メール

※詳細については後日個別にご連絡させていただきます。
2022年8月まで有効となります。

支援者
0人
在庫数
制限なし
発送完了予定月
2021年12月

500,000


⑨児童労働撤廃へ飛躍アクション!|全額寄付コース500,000円

⑨児童労働撤廃へ飛躍アクション!|全額寄付コース500,000円

■活動報告メール

【寄付金控除対象】
★本コースは税制優遇の対象となります。寄付受領書の発行をいたします。

支援者
2人
在庫数
制限なし
発送完了予定月
2021年12月

1,000,000


⑩児童労働撤廃へ大飛躍アクション!|全額寄付コース1,000,000円

⑩児童労働撤廃へ大飛躍アクション!|全額寄付コース1,000,000円

■活動報告メール

【寄付金控除対象】
★本コースは税制優遇の対象となります。寄付受領書の発行をいたします。

支援者
1人
在庫数
制限なし
発送完了予定月
2021年12月

プロフィール

認定NPO法人ACE代表。上智大学在学中、米国留学から帰国途中のメキシコで物乞いする子どもに出会い、児童労働と教育を研究テーマに大阪大学大学院国際公共政策研究科(OSIPP)へ進学。在学中の1997年にACEを発足させる。現在児童労働ネットワーク事務局長、Global March Against Child Labour理事、エシカル推進協議会理事、国際協力NGOセンター理事も務める。著書に『わたし8歳、カカオ畑で働きつづけて』、監訳に『インドの債務児童労働』。ACEは2016年『日経ソーシャルイニシアティブ大賞』国際部門賞を受賞、企業との連携を通じた問題解決のモデルが評価されている。近著に『チェンジの扉』。モットーは、ACE立ち上げのきっかけとなったカイラシュ・サティヤルティさん(2014年ノーベル平和賞受賞)からインスパイヤされた、Dream Discover Believe Do。

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