西日本豪雨災害復旧支援活動の終了に伴う「御礼」及び「報告」
【ご支援の御礼】
この度の、西日本豪雨災害に於ける被災によりお亡くなりになられた方々に対し、心よりお悔やみ申し上げます。また、怪我などの被害にあわれた方々にありましても、深くお見舞い申し上げます。
復興の先が見えない、未だ拭いきれぬ大きな悲しみの中で、私たちは被災者様と共に被災財産を少しでもお守りし、お手元にお返しする活動を行って参りました。
先ずは、私たちのこの活動「財産保護活動」にご理解、ご支援を頂きました皆様に心より御礼申し上げます。
一般的に言われている「ボランティア」は、大きく「一般ボランティア」と「技術系ボランティア」に分かれます。
「一般ボランティア」は、被災現場でのゴミの撤去、搬送、瓦礫のかたづけ等が主な作業となりますが、「技術系ボランティア」は、電気、水道、ガス等ライフラインの特別な技術や知識を持たれている方、建築関係のトビ職、瓦職人、或いは重機などを操作できる方、日常こうした職業を生業としている方々、いわゆる職人によるボランティア活動をこう呼びます。
その中で、私たちのボランティア活動の性格上、後者の「技術系ボランティア」に入りますが、その中でも、警察官、消防官などの現職の公安職員で構成されるボランティア組織は、日本国内でおそらく当連盟が唯一の団体であると思います。
私たちの活動理念でもある“プロフェッショナルボランティア”として、現職の公安職員でなければ立ち入ることの出来ない規制エリア(危険地帯・危険建物)内に入り込み、特殊な“救助資機材”、“破壊工作器具”を用いての活動は、正に私たちにしか出来ない活動であり、私たちのみに特化した「特殊ボランティア」として誇りを持ち活動しています。また身分上の信用度も高いことから、被災者さまに与える安心感も他のボランティア団体とは異なるのだと思います。
また、ここで改めて「公務」での活動と、「特殊ボランティア」の活動の違いをご説明させて頂きますが、被災地に「公務」で派遣される公的部隊は、主に被災者の人命及び身体への危機的状況打開のための緊急活動であり、行方不明者の捜索などがこれにあたります。
時間の経過と伴に、そうした危機的状況から少しづつ前進していくと公的派遣部隊は徐々に縮小され、最終的には引き上げとなります。
しかし、「公務」・「ボランティア」の両方を通じ、数多くの被災地を深く見てきた私たちは、公的部隊が去った後も、実態として二次的な危機的状況が残されることを知っています。
命を守るために必要なものを整理する間もなく避難を強いられた方々が、被災後、次の一歩を踏み出す際に必要となるものは、先ずは現金、通帳、及び印鑑(実印)、各種カード、その他、様々な権利書や重要な書類、家電、家具など、生活再建に向けて人が生きる上で必要な物品です。また、これら最低限度の必要物品の他にも、お金には代えられない、そのご家族にとって掛け替えのない想いでの品々、アルバム、記念の品、ご位牌、ご遺影などを倒壊家屋の瓦礫や汚泥の中からそれら取り出し、手元に戻したいと願い希望されることを私たちは知っています。しかしながら、物理的に取り出せない状況や、行政により立ち入り禁止となった建造物、規制エリアでは、被災された家屋の持ち主であっても中に入る事は出来ず、たとえそれが自分の持ち物であっても自由に取り出すことが出来ない事案はかなりの数発生しますが、残念ながらこれらの取り出し希望を行政に訴えても対応してくれませんし、ボランティアセンターもリスクを考慮して一般の方々にこれを行わせる事はありません。こうした対応を経て、被災者は「大切な物」や「思い出の品」などを倒壊家屋から取り出すことをあきらめてしまったり、どうしたら良いか分からずに家屋の解体までの間、長時間放置されるケースが多く見受けられます。これでは二次的な危機状況を更に悪化させるだけです。
二次的な危機状況の悪化とは、財産価値の低下・消失を意味します。
特に今回のように、汚水、汚泥に浸かってしまった様々な財産は全て、浸かっている時間が長ければ長い程、その価値を加速度的に低下させ、紙幣を含む紙の書類などは化学変化やバクテリアに侵されて最終的には溶けて消滅してしまいますし、例え原型がかろうじて残ったとしても、公的な文書の場合、記載されている重要文章の読み取りや印影などは、法規で定められる一定の基準を満たさなければ単なる“汚れた紙切れ”となってしまいます。象牙などの印鑑なども変質して強度が失われてその役割を果たせなくなります。これらは全ての品々に言えます。
汚泥、汚水の中から取り出した大切なアルバムや写真などは、変質してしまったものを再生させることを得意とする他の技術系ボランティア団体に引継ぎ、状態を良くして被災者さまのお手元に戻すこともして参りました。活動の目的をしっかりと見極め、他の団体とも融和を保ち連携し、一人よがりでない、真に被災者さまの役に立つ活動を心がけながら実施してきました。
私たちは公務員であるが故、いつ発生するか分からない次の災害支援活動の準備として、ボランティア組織内にプール金を保持することが法規で禁止されている為、過去の支援活動でも災害発生の度に、活動に“必要なツールの購入を含める全ての活動費”を隊員個々の持ち出しで行ってきました。特に、使用する資機材については活動上どうしても必要となりますが、職場のもの(公務で使用するもの)を借用する訳にもいかず、また個人の持ち出しで購入できる金額でない事から、多くの仲間内のカンパなどで対応してきました。
今回初めてこのクラウド・ファンディングを活用し、全国の多くの皆さまからご支援をいただくことで、沢山の問題を解消することができました。私たちの経済的負担の軽減は、活動を躊躇させることなくフットワークの活発化につながり、真に被災者のために、過去の災害支援活動に例をみないニーズの対応数として大きな成果を上げ、お役に立てたものであると考えています。
この度の、当連盟に対するご理解、ご支援をいただきました全ての皆さまに、心よりあつく御礼申し上げますと共に、経済的ご支援は無論、私たちの存在、私たちの活動を広く広報できました事に対しましても感謝申し上げ、重ねて御礼申し上げます。本当にありがとうございました。
簡単ではございますが、本文にて御礼の言葉とさせていただきます。
2018年9月30日
NGO日本警察消防スポーツ連盟
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【結果報告】
活動期間、2018年7月11日から2018年9月30日までの活動内容及び、実績を数値化し、各項目別に報告致します。詳細は下記のURLまで。
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【収支報告】
皆さまからご支援頂いた資金は、2018年7月に発生した西日本豪雨災害復旧支援の活動費用として全額使用させて頂きました。
活動隊員の交通費に¥122,000.-、資機材の購入費に¥270,000.-、滞在費に¥65,000.-を使用させて頂きましたので報告致します。詳細は下記のURLまで。
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(購入資機材の写真)
尚、領収書は事務局にて全て永年保管致しておりますので、ご支援頂いた方に限り公開致します。ご覧になりたい方は日本警察消防スポーツ連盟公式ホームページ
<http://jpfsfwpfg.wixsite.com/jpfsf>からメールにてお問い合わせ下さい。
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【活動画像】
「活動写真」及び、「活動動画」を月日毎に記録しました。活動場所別に報告致します。詳細は下記のURLまで。
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「活動写真」
<財産・想いで保護(公開許諾済み写真)> … https://yahoo.jp/box/KpRvPm
<倉敷市真備町 2018.07.11-2018.07.18> … https://yahoo.jp/box/2SohHv
<倉敷市真備町 2018.08.03-2018.08.05> … https://yahoo.jp/box/Dbelg9
<倉敷市真備町 2018.08.07-2018.09.30> … https://yahoo.jp/box/is_dXJ
<総社市下原 2018.07.19-2018.07.28> … https://yahoo.jp/box/zzJ0j7
「活動動画」
<2018.07.20> … https://www.youtube.com/watch?v=JYTQ7gdcOew
<2018.07.27> … https://www.youtube.com/watch?v=8YuTY0dWY2U
<2018.07.28> … https://www.youtube.com/watch?v=vfvfzf_kTFs
<2018.08.05> … https://www.youtube.com/watch?v=8ElBS9ey45s
<2018.09.21> … https://www.youtube.com/watch?v=uyGfdNsQZ80
・西日本豪雨災害支援活動 「子ども支援協働プロジェクト」(ラジオ放送)
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<2018.08.16> … https://www.youtube.com/watch?v=sS5BwzF3MCc
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【活動日記】
活動期間、2018年7月11日から2018年9月30日までの、活動に関する雑情報を含める活動日記(ブログ)を、活動実施日、又は活動翌日に記載記録し公開しています。詳細は下記のURLまで。
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https://blogs.yahoo.co.jp/kyasalin1964/28638703.html
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【リターンの発送完了についてお知らせ】
概ね当該報告と同様の内容となりますが、ご支援いただきました全ての皆さまに対し、9月30日(日)18時10分に、個人別のメールアドレス宛てに発信させていただきました。
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【ご支援いただきました皆様のお名前】(あいうえお順)
青木一彦様、石川弓子様、内田仁様、大島真理子様、大谷卓史様、大塚由美子様、大橋路史様、大和田一博様、川崎市中原消防団大戸分団様、菊地祐二様、Capt. 様、熊本消防渡辺様、Keiromix様、小久保孝宣様、小玉敦司様、齋藤巌様、さえ様、佐藤智之様、しずか様、しっぽな様、島穂百楓様、新城健一様、高倉保彦様、Chinatsu様、Chinatsu様&オヤジ様、土屋智美様、DREAMBOX様、中井健太朗様、中村幸人様、西克哉様&西有紀子様&根本和子様、西良顕行様、望様、hanaarisu様、バレーボール月曜会様、平山あゆ美様、ひろと様、ブーパパ様、藤澤由紀様、ホリカワマユミ様、ぽんこ様、前田良介様、松本保様、真西円様、森實亜矢子様、山本大介様。(45名様)
(※)お名前の表記につきましては、ご支援者様のご希望どおりの表記としてある他、表記希望なしのご支援者様につきましては無記載(18名様)とさせていただいております。
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【今後について】
Readyforでのプロジェクトはこれで一区切りがつきますが、災害はいつ発生するか分からず、そして必ずやってきます。
ここ近年世界中で災害が多発しており、言うまでもなく、日本でも今年は、北は北海道から南は沖縄まで、日本列島全ての地において災害が同時多発しました。そしてこの瞬間も尚、被災地で復興への支援活動を続けている方々、団体が多くいます。こうした支援なくして災害の復興はあり得ず、本来でしたら国や行政がもう少し幅を広げて手厚く実施すべき対応や動きであろうとも思いますが、実際には追いついていません。初動にて緊急活動を展開する私たちの同胞、警察や消防などの公安職員も職業人である前に被災者でもあり、身内にも被災者を抱え、しかし責任感や使命感、重い職責から様々なものを犠牲にして職務にあたっている事を知っているからこそ、日本警察消防スポーツ連盟は積極的に被災地と関わり、介入し、活動につなげていきます。今後も災害が発生する度に災害復旧支援隊を結成し、人の痛みの分かる心を持ち、被災者と目線の高さを合わせ、私たちにしか出来ない、私たちだからこそ出来る「特殊ボランティァ活動」を継続して展開して参ります。
こうした活動は決して望みませんが、しかし、次期、動き出さなければならない状況となった時には直ちに行動に移します。その際には、再度皆さまのご支援をお願いするつもりでおります。今後も当連盟の社会貢献活動にご理解、ご支持いただけます様、宜しくお願い申し上げます。