プロジェクト概要

プロジェクトの終了が報告されました

 

皆様のご支援のおかげで、安全・清潔な手術室のためのHEPAフィルター購入金額250万円の目標額を達成することができました。本当にありがとうございます。(2016年6月22日追記)

 

ちょうど日本に一時帰国中にこの朗報を受け取り、すぐにラオスの病院へもメッセージを送りました!初のクラウドファンディング挑戦で、少し不安な気持ちでスタートしましたが、団体としてもこの目標達成は大きな一歩になったと感じています。

 

このご支援によりラオ・フレンズ小児病院の手術室にHEPAフィルターが設置され、清潔で安全な環境が作られることは、術後の感染リスクを大幅に減らすことにつながります。医療関係の学生さんの臨床研修を受け入れている当院として、理想的な医療の形を見せられるようになることも将来の医療発展のために大きなベネフィットです。

 

ラオスのスタッフもとても喜んでおります。

 

最初は最低限の器材、医療機器で手術を開始する予定で、少しずつ充実させていきたいと思っていますが、手術を安全に行うために有効な医療器材はまだ他にもあります。最初のゴールを達成し、プロジェクト終了までに40日を残し、少しでも不足している物を補充できたらと第2ゴールを設定したいと思いました。

 

その一つは、サージカル・ターニケットという器械です。この器械は術野(手術部位)の血流を減らして、その部位の視野を広げ見やすくすることができます。骨折、外傷、骨髄炎などの手術で効果を大きく発揮します。術野を見やすくすることは、手術の時間短縮にもなるため、栄養失調などで全身状態のよくない子への余計な負担を減らし、術後の回復を早めることにもつながります。

 

購入したいサージカル・ターニケット

 

加えて術衣や術布もまだ不足しています。器械と術布・ガウンの一部を合計すると約100万円となりますので、第2ゴールとして350万円を目指したいと思います。是非、引き続きラオスへ適切な手術室を確保することにご支援をお願いいたします。

 

 

ラオスの小児病院に手術室をオープンし、年間800人の子どもたちの命を救いたい!

 

はじめまして。NPO法人フレンズ・ウィズアウト・ア・ボーダーJAPAN(フレンズ)代表の赤尾和美です。フレンズは、1999年にカンボジアにアンコール小児病院(AHC)を開院し、2013年の自立を迎えるまで、のべ130万人の患者を診てきました。私は看護師として、ここで主にHIV/AIDSの訪問看護に携っていました。

 

2013年にAHCが自立をし、フレンズの活動拠点がラオスに移りました。これを機に私もカンボジアからラオスに移り住み、2015年2月に新たに立ち上がった「ラオ・フレンズ小児病院(LFHC)」プロジェクトに関わることになりました。LFHCでは、これまでにのべ1万人の患者を診てきましたが、ここにはまだ手術室がありません。手術室をオープンすることができれば、より多くの命を救うことができます。

 

手術室オープンのために必要な設備の購入資金として、250万円をご支援いただけないでしょうか?よろしくお願いいたします。

 

訪問看護を行う赤尾。カンボジアとラオスを通じて17年間活動してきました。

 

 

1日50人の患者を診察するラオ・フレンズ小児病院。

しかし、肝心の手術室がありません。

 

1999年に開院したカンボジアのアンコール小児病院(AHC)が自立できるようになったことをきっかけに、私たちは2013年より拠点をカンボジアからラオスに移しました。そして2015年2月、「医療・教育・予防」を柱とするラオ・フレンズ小児病院(LFHC)を、ラオスのルアンパバーンに開院しました。

 

ルアンパバーンに開院した「ラオ・フレンズ小児病院(LFHC)」

 

病院は2階建てで、1階には外来・入院病棟、救急治療室や薬局等があり、2階に各部署のオフィス、教育スペースの教室や図書館、保管庫や臨床検査科等という構造になっています。患者数は1日平均50人程度で、これまでのべ1万人を超える子どもたちの診療を行ってきました。

 

外来の様子。ラオス人スタッフと一緒に頑張っています。

 

現在1日平均50名程の子どもたちが来院し、外来、入院病棟、救急治療室の各部門にて診療を受けています。来院する患者さんの中には手術が必要なケースもあるのですが、現在院内の手術室の設備が整っていないため、隣接する県立病院にて手術を実施し、術後の経過観察をLFHCが担う形を取っています。

 

小児病院ということもあり、子どもが入院する際は常に家族も一緒に寝泊まりをしています。ご家族は、診察から手術までを一貫した施設で受けることで安心感を持つことができるので、そうした環境を整えたいと考えています。

 

そのためには、安全な手術ができる手術室を設けることが必要なのですが、せっかく手術を受けることができても、術後の感染症により命を落とすことがあります。WHOのデータによると、途上国では術後患者の3分の2が感染症を引き起こすといわれており、その感染率は先進国の約9倍。小児は大人に比べ抵抗力が弱く、手術が成功した場合でも、術後の感染症にかかった場合に命に関わる可能性が高いのです。

 

ラオ・フレンズ小児病院まで通う子どもたち。

 

術後感染を防ぐには、「HEPAフィルター」が大きな効果を発揮します。手術室は常に清潔に保たれ、かつ安全な環境でなくてなりません。特に手術室内の除菌が不十分であると、術後の感染が命取りになることがあります。手術室の壁に「HEPAフィルター」を設置することで、除塵及び除菌後の綺麗な空気を供給することができ、清浄度を高めるなど、術後の感染予防対策を徹底することが可能となります。

 

「HEPAフィルター」を完備した手術室が整えば、単に手術ができるということだけではなく、術後感染による死亡率も下げ、年間800名近い子どもたちへ安全な手術を提供することができるようになります。

 

現場では、ラオス人スタッフが中心となり、子どもたちを診療しています。

 

 

ルアンパバーンで出会った痛みに耐える1人の男の子。

手術室があれば、早期発見・早期治療が可能になります。

 

現在関わっている12歳の男の子は、顎の骨に肉腫ができています。LFHCへ来たのは数か月前でした。その時すでに肉腫は右下の歯肉に卵くらいもの大きさで、手術室のない当院では手の施しようがありませんでした。なので、首都のビエンチャンで対応が可能な病院へ転送するか、海外の病院へ転送するしか私たちには選択肢がありません。

 

しかし、ラオスでは首都といえども安全な手術が行える環境と術後のケアができる病院がないため大きな不安があります。また海外に転送するにしても、費用がかかり過ぎてしまう点と家族への負担が壁となりました。結局この状況をどうすることもできず、ご家族と相談の上、治療よりも心のケアに重点を置くことになりました。ここでは病気を治すことができない…心苦しい決断でした。

 

現在も日に日に大きくなる腫瘍は、口の中を塞ぎ、更に口から飛び出すほどにもなっています。意識ははっきりしているのに、頬からも肉腫が飛び出し、痛みも強くなってきています。彼も家族も、とても辛い日々を送っています。

 

今回のプロジェクトで当院に安心で信頼のおける手術室を作り、それが多くの人に広く認知されれば、よりたくさんの子どもたちが来院し、早期発見・早期治療を行うことが可能になります。

 

 

 

いただいた資金の使い道

 

今回皆様からご支援いただいた資金はすべて、HEPAフィルターユニット購入のための資金に充てさせていただきます。HEPAフィルターを購入できれば、無塵・無菌の空気を手術室に送ることができるので、手術室内が常に清潔に保たれるようになります。手術室の空気はHEPAフィルターを通過して室内を通り、一方向に流れる仕組みになっているので、手術室内は室外の空気の流入を防ぐ構造を作ることができます。

         

購入予定のHEPAフィルターユニット

 

空気の流れ

 

※「HEPAフィルター」:高性能エアフィルター(High Efficiency Particulate Air Filter)というもので、0.3μmの塵埃を99.97~99.99%除去できると言われている。

 

HEPAフィルターユニットの設置により、感染源を排除することができ、術後感染の発生を減らすことができます。こうして設備のしっかり整った手術室がオープンできれば、清潔で安全な手術を提供することが可能となります。

 

ラオスは村社会であるため、当院で手術を受けて回復した子どもたちが村へ戻ったときに、彼らの体験がコミュニティーで共有されます。当院で安全な手術ができることをより多くの人が知ることで、悪性疾患の早期発見治療に繋がり、これからのラオスの医療発展に大きく貢献する病院として、その役割を果たしていきます。

 

準備中のLFHC手術室

 

 

カンボジアでの忘れられない出来事。もう二度と救える命を失いたくない!

 

これは私がカンボジアで活動をしていた時の話です。10年くらい前のことだと思います。AHCで働いていた時に、サトウキビジュースを作る器械に手を巻き込まれて運び込まれた女の子がいました。緊急で右指の切断手術が行われ、手術は無事に成功。術後の痛みが落ち着いてきた頃、とっても素敵な笑顔でみんなと接している彼女は、周囲の子に気を遣う心優しい女の子でした。彼女はすぐに院内の人気者となりました。

 

しかし、しばらくすると発熱が始まり、創部の感染が認められました。そして数日のうちに敗血症となり、亡くなってしまったのです。あっという間の出来事に、誰もが悔しく悲しい思いをしました。当時、AHCの手術のスキルは国内でも1、2を争うほどだったと思っています。しかし、手術室の環境や彼女の栄養状態など、多くの要因が術後の感染症を引き起こし、こうした結果になってしまったと思うのです。

 

16歳以下の子どもを対象にしたAHCでしたが、彼女がこっそりと「本当は20歳なんです」と言った時の困った顔が今でも心に残っています。生きていたら、今頃は優しいお母さんになっていたのだと思います。カンボジアで起きた術後感染による被害を、ラオスではもう繰り返したくありません。

 

HEPAフィルターを購入することで、清潔で安全な手術室をオープンし、術後感染の起きない環境作りを目指します。そして、一人でも多くの救える命を救っていきます。どうかご支援をお願いいたします。

 

一人でも多くの子どもたちの命を救うため、これからも頑張ります!

 

ラオスの子どもたちが笑顔でこれからも暮らせるように。

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