はじめまして。

今回の修復を担当させていただきます、木製彫刻文化財保存修復研究所の岡田靖です。


永昌寺・副住職の布川さんとは、私が山形の大学で講師をしていた時に、布川さんが企画されている地域の文化講座「ひなカレッジ」の講演にお声がけいただいたことがきっかけとなり、それ以降、一緒に地域の文化保護に取り組ませていただいています。


修復といっても、仏像を造られた当時のようなピカピカのきれいな状態に直すわけではありません。

仏像には、造られた時はもちろんのこと、現代にまで伝えられてきた人々の信仰や想いが込められています。

またその背景には、その土地の政治、経済、流通などの様相や、その地域で生きた人々の生活などの様々な文化的活動が存在しています。

 

私たちが残し、未来に伝えていきたいのは、そのような人々が紡いできた歴史文化なのです。
各地域の文化は、その土地の風土に根ざして発生し、地域間の交流の歴史の中で混じり合うことで、豊かな日本の文化を育んできました。

京都の七条仏師によって造られ、山形の永昌寺に伝わっているこの十六羅漢像も、そんな地域文化の交流の証なのだと思います。


少子高齢化や過疎化が深刻になる地域社会において、その地域のアイデンティティーの源である文化財の必要性が増してきているように思います。

いままでの画一化された地域作りを脱却し、地域の誇りを取り戻すためにも、地域固有に発展してきた歴史文化を見つめなおす必要があるのではないでしょうか。


私たちは、永昌寺の十六羅漢像の保存修復を通じて、日本文化を形作る地域の文化財を適切に残し伝え、新たな地域文化を生み出していきたいと考えています。

皆さんのお力添えをいただき、地域の文化に新たな歴史を重ねていけたらと思います。

 

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