【教育・社会福祉への道を諦めない】困窮学生支援プロジェクト

本日のランナーは

ふー！

私は傾聴の基本という本について感想を書きます。傾聴という言葉をご存知でしょうか。私自身、授業で教わるまではその言葉すら聞いたことがありませんでした。しかし、学校の授業で、傾聴とは何か、技術はどのようなものかについて教わると、興味が湧き、もっと傾聴について知りたいと思うようになり、この本を手にとりました。

本の中では、傾聴とは「そのままの話し手を受け入れ、大切に感じながら、話し手の表現していることや伝えたいことを、なるべく話し手の身になり想像して理解し、その理解を言葉で返す営みのこと」と書かれていました。授業においても、傾聴についてこのように説明を受け、傾聴の意味については知っていました。しかし、この本では傾聴のやり方や基礎の技法を示す前に、人間の心の成り立ちや大きな心の衝動といった人の心の根本的な部分を紐解き、なぜ傾聴が大切なのかが丁寧に書かれており、傾聴が必要な理由を知ることができました。人間は自己実現を求める衝動、無条件の愛を求める衝動、自分を表現したい衝動、変わりたく無い衝動といった4つの強烈な衝動を持ち、これらの衝動が何らかの形で阻害された時心は傷を負ってしまう。その傷は人間の持っている自己治癒力で治すことが可能で、傾聴はその回復を助けるものという考えは教科書などでは得られなかった新しいものでした。

また、良い聴き手になるために必要なことも書かれていました。中でも一番自分に足りないと感じたのは自身の心の傷を高い程度に解決するということです。自分自身の心の痛みを乗り越えて人として成長することで聴き手としても成長することができるとありました。まだ自分は人として成長できていないと感じる場面が多々あります。そして未だ自分の気づけていない自分自身の考えや想いがあると思います。これから、自分の心を見つめていく必要があると改めて気づくことができました。

この本を読んだことで、傾聴は人の心が癒されるためにために重要な役割を持っているのだと知ることができました。心理関係、教育や福祉、医療など人と関わる仕事はもちろん、日常の会話でも傾聴することで、相手の想いを深く知ることができ、それが自分の成長にも繋がると思います。興味を持った方はぜひ読んでみてください。

【紹介した本】

古宮昇（2020）「一生使える！プロカウンセラーの傾聴の基本」総合法令出版．