お早うございます。松竹大谷図書館の武藤です。

 

プロジェクトの募集終了まで、あと5日となりました!
これまで皆様のご支援や、情報拡散のご協力のお蔭で、213万1千円(85%)のご支援を頂いております。10月24日(水)の募集終了まで諦めず、情報を発信し続けますので、なにとぞ最後までご支援の輪を広げて頂きますようお願い申し上げます。

 

さて、1万円以上ご支援下さった方には、スタッフ手作りの、台本を保護するカバーにお名前を記載するというリターン(お礼)をご用意していますが、映画の台本のリストは次の3種があります。

 

【映画台本】 作品リスト (50作品)

【『釣りバカ日誌』台本】作品リスト (22作品)

【寅さん台本】 作品リスト (48作品)

 

※台本カバーの作り方については、こちらをご覧ください。
「年間1,500冊以上」を整理!台本を保護するカバーの作り方動画

 

【映画台本】作品リストは、本年12月21日に没後30年を迎える映画俳優の佐野周二さん、9月6日に没後20年を迎えた黒澤明監督、また7月19日に惜しくも亡くなられた脚本家の橋本忍さんの作品からそれぞれ選びました。そして恒例、過去のキネマ旬報ベストテン受賞作もあります。【寅さん台本】作品リストももちろんあります!先月『男はつらいよ』50作目の新作が公開されることが発表され、話題となりましたね。また、本年『釣りバカ日誌』が30周年を迎えますが、これを記念して、今回は釣りバカ全シリーズもありますよ!

 

今回は、佐野周二さんの作品をご紹介いたします。佐野周二さんは、戦前から松竹大船撮影所で活躍した二枚目俳優で、タレントの関口宏のお父さんとしてご存知の方もいらっしゃるのではないでしょうか。

 

佐野周二さんは1912年11月東京に生まれ、1936年に松竹大船撮影所第一期生として松竹に入社しました。同年6月公開の『Zメン青春突撃隊』でデビュー後、その明るく爽やかな美青年振りと物怖じしない演技により、松竹の二枚目スターとしてたちまち人気絶頂となります。

 

しかし1938年7月に召集令状が届き、1941年2月に帰還するまで、中国の漢口など各地へ派遣されました。帰還(復員)後は再び映画に出演しますが、終戦までに再び2度にわたり応召され、20代後半から30代前半の間に、通算5年余の軍隊生活を送りました。戦後は二枚目としてだけでなく、戦争経験から演技力に幅を広げ、ユーモアや庶民的な魅力を兼ね備えた映画俳優として活躍しました。

上の写真は、リストにある全ての台本です。

 

写真左上より (※番号は台本作品リストの番号です)

■71 『そよかぜ』1945年/佐々木康監督

終戦から2ヶ月後に封切。主演の並木路子が歌う挿入歌「リンゴの唄」が大ヒット。佐野周二は並木路子の相手役の劇場のオーケストラ部員を演じた

■72 風の中の牝鶏』1948年/小津安二郎監督

田中絹代と夫婦役で共演。戦争から帰ってきた夫が、子供の治療費のため一度だけ身を売った事を妻から告白され、苦悩しながらも愛ゆえに妻を受け入れる感動作

■73 お嬢さん乾杯』 1949年/木下惠介監督

原節子演じる没落した上流階級のお嬢様と、佐野周二演じる自動車修理業の男の恋を描いたラブコメディ

■74 てんやわんや』1950年/渋谷実監督

獅子文六の小説の映画化。佐野周二演じる出版社に勤める青年は、社長の密命により東京から四国へ派遣されるも、個性的な人々に振り回されてしまうドタバタ喜劇

■75 カルメン故郷に帰る』1951年/木下惠介監督

日本初の総天然色(カラー)劇映画。白黒版も同時に撮影され、当館にはタイトル部分にそれぞれ「総天然色」「白黒版」と入った二種類の完成台本がある。佐野周二は戦争で失明した小学校の元教員役

左下より

■76 麥秋』1951年/小津安二郎監督

原節子演じる紀子の見合い話を中心に、周囲の人々の日常を静かに描いた名作。佐野周二は紀子の上司・佐竹を演じた

■77 とんかつ大将』1952年/川島雄三監督

とんかつが好きで「とんかつ大将」と呼ばれている青年医師を佐野周二が演じ、青年医師が暮らす長屋で起こる様々な騒動を描いた人情喜劇

■78 もぐら横丁』1953年/清水宏監督

尾崎一雄の私小説の映画化で、佐野周二演じる貧乏作家が、島崎雪子演じる明るい妻に支えられながら、苦しい生活を乗り越えてハッピー・エンドとなるまでを描いた作品

■79 人生劇場望郷篇 三州吉良港』1954年/萩原遼監督

尾崎士郎原作の『人生劇場』の戦後篇。終戦直後、吉良常亡き後の三州吉良港を舞台に、勢力を増す新興の暴力団に立ち向かう、任侠の世界に生きる人々の姿が描かれる

■80 『鶏はふたたび鳴く』1954年/五所平之助監督

天然ガスが出なくなり寂れてしまった町で、再び発掘に取り組む5人組の労働者が奇跡を起こすまでが描かれた心温まる作品

 

もちろん、当館ではリストの作品のほかにも佐野周二さんの出演作の台本を所蔵しております。下記資料検索システムで、作品タイトル、監督名などで検索してみてください。

https://opac315.libraryexpert.net/lib-shochiku-otani/

 

また、折角の機会なので、当館が所蔵する、佐野周二さんの軍隊生活を綴った図書もご紹介します。1939年4月発行の『佐野周二戰地通信』(淡海堂出版部)です。

出征時の賑やかな見送りの様子を伝える文や、母、親戚、松竹大船撮影所、友人へ宛てた戦地からの通信などが収録されています。戦地でも兵士たちからサインを求められるなど、人気俳優ならはでのエピソードも。巻頭には出征グラフ集があり、27ページに渡って写真が掲載され、「松竹三羽烏」の上原謙、佐分利信と共に応召前に写った写真や、同じく出征中だった小津安二郎監督と南京で出会い、一緒に撮った写真も載っています。

当館の閲覧室でお読みいただけますので、ご興味をお持ちの方は、カウンターでご請求くださいませ。

 

次回の台本リストのご紹介は、「世界のクロサワ」黒澤明監督の作品です!

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