プロジェクト概要

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目標金額に達していますが、より円滑な運営を行うために、引き続きご支援を募集しています。

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明治、大正から平成までの貴重な雑誌を揃えている大宅壮一文庫。歴史的に価値のある雑誌から、芸能人のグラビアが中心の雑誌、喫茶店や美容室の待合室でおなじみの女性週刊誌までが所蔵されており、時代の瞬間的な魅力を感じることができます。しかし、インターネットで手軽に情報にアクセスできるようになった今、資金難となり、雑誌を後世に残すことが難しくなりつつあります。時代を超えて雑文を手にする喜びを残していきたい。

 

 

 

 

 

あらゆる年代の雑誌78万冊を後世に残す、大宅壮一の遺志を継ぐ挑戦

 

はじめまして、大宅壮一文庫で31年間雑誌に囲まれ、守ってきた鴨志田浩と申します。大宅壮一文庫は、評論家・大宅壮一の約17万冊に及ぶ雑誌コレクションを引き継ぐ形で、大宅壮一が亡くなった翌年の1971年に作られました。大宅壮一文庫では、日本で初めての雑誌図書館として、およそ1万タイトルの雑誌を所蔵しています。

 

 

大宅壮一は『実録・天皇記』や大宅版・大正史を企図した『炎は流れる』といった作品のため、たくさんの資料を収集しました。取材に出かけた先でも古書店を巡り、鉄道便で大量のダンボール箱が自宅へ届きました。

 

「僕は本を集めるのでもだな、権威のあるものは集めないんだよ。つまらん本ほどいいんだ」と言って
20万冊ほどの資料を遺しました。そのうち17万冊が雑誌でした

 

雑誌の創刊号や企業の懐かしい広告の数々

 

雑誌の中には、明治や大正に創刊された雑誌の「創刊号」も数多くあります。例えば所蔵する雑誌で一番古いものは、1875(明治8)年の「會館雑誌」です。これは華族会館が発行所となっており、「天覧議事記」や「天覧講義記」といった記事が掲載されています。

 

 

復刻版になりますが、わが国最初の雑誌として発行された「西洋雑誌」もあります。1867(慶応3)年にこの雑誌が発行されてから今年で150年が経ち、明治、大正、昭和、平成それぞれの時代を「創刊号」から体験することができます。

 

約7,000冊が創刊号になっています

 

また、雑誌では広告欄を楽しむことができます。「ライオン歯磨(現:ライオン株式会社)」や「松屋呉服店(現:株式会社 松屋)」等の雑誌広告を実際に見ることができますし、「アンノン族」を生み出した国鉄(現:JR各社)の「ディスカバー・ジャパン」キャンペーン、また航空会社や繊維メーカーのキャンペーンガールの移り変わりを眺めることもできるでしょう。

 

アンノン族を生み出したディスカバー・ジャパンキャンペーン。左の雑誌はアイコンとなったanan日本の旅特集。右のnonnoでは清里を含む「信州の高原」を特集している。

 

男性に人気の雑誌

 

女性が愛読している雑誌

 

独自の技術で、キーワード検索を可能に

 

調査テーマの資料を素早く揃えるため、独自の「大宅式分類法」という索引システムも作成されました。図書館分類法とは異なり、身近な言葉(キーワード)から手早く資料に辿り着くことを重視した索引体系です。現在では雑誌記事索引データベース 「Web OYA-bunko」として国内外で利用されています。

 

例えば、「東日本大震災」を例に取れば2017年2月現在、4,341件のデータが検索できます。この中から“仮設住宅”“避難所”“被災者”といったキーワードで絞り込むこともできますし、地名で記事をピックアップすることもできます。逆に1896(明治29)年の「三陸大海嘯(=津波)」の記事まで発見することができます。

 

災害や事件のみならず「ファミコン」や「B級グルメ」「ティラミス」「おたく」はては「阪神優勝時に道頓堀に投げ込まれたカーネル・サンダース人形」まで雑誌記事ならではのデータを発見できます。

 

また“人物情報”では、政治家や芸能人、著名アスリートをはじめ、アカデミズム出身でない人物やベンチャービジネスの経営者、それも「雅子妃」や「秋篠宮佳子」といった皇族からアニメ監督「新海誠」プロデューサー「川村元気」、ロボット製作者の「石黒浩」「高橋智隆」まで、一般雑誌ならではの情報が調べられます。

 

大宅壮一は「一冊の本は百科事典の一項目に相当するのでね。それを引く可能性があるかないかで、その本の価値が決まる」との言葉を残しています。

 

インターネットにはない、時代を超えて雑文を手にする喜びを

 

近年、インターネットから簡単に情報にアクセスできる時代となり、文庫自体の利用者が減少し、従来通りの運営を続けていくことが難しくなっています。データベース利用者を除く直接利用者はピーク時に比べ半分近くに減っています。

 

無限とも思える情報が詰まったネット世界には、求める情報にピンポイントでたどり着けますが、その分、周辺情報への関心が薄れてしまいます。雑誌をめくると、興味ある記事とは別のページに近い情報があったり、興味から好奇心に膨らんでいくことができると思っています。

 

大宅壮一は、雑誌の魅力をこう語りました。

「雑誌に掲載されるものは部分的なものである。従ってまとまりに欠ける。一部ではこれを雑文といってケイベツする。しかし生活の合間に読むこれらの文章に、われわれは案外大きな影響を受けているのである。それは新聞同様に読み捨て去られるものかもしれない。しかし現代の社会生活の上に、雑文や“軽評論”の類は、図書館や書斎でホコリを浴びている古典や学者の大論文よりも、はるかに大きな役割をしめているのだ」

 

歴史を感じさせる黄ばんだ紙。雑誌ならではの、紙やインクのにおい、少しザラザラしたようなさわり心地を楽しめます

 

時代を切り取り、多角的な視点を持たせてくれる雑誌を守る

 

雑誌記事は新聞記事やテレビニュースより速報性に劣りますが、入念な後追い取材が可能という利点もあります。また一冊の書籍を構成する重厚長大なテーマやそれを書き上げるまでの著者の労力よりも、軽いフットワークで身近な話題をいくつでも取り上げることができます。同じ事件を異なる視点から追った記事が同時に掲載されることも珍しくありません。短い字数でアプローチの異なる情報を数多く収集することが可能なのです。

 

われわれは「雑誌の図書館 大宅壮一文庫」とその所蔵する雑誌資料にはまだまだ発掘し切れていない価値と、未来に向けて活動を続けていく使命があると信じています。どうか一緒に「雑誌の図書館 大宅壮一文庫」を守っていってください。

 

 

大宅壮一文庫の詳細

 

所在地:東京都世田谷区八幡山3丁目10番20号

交通:京王線八幡山駅 下車 徒歩8分
TEL:03-3303-2000

開館:午前10時~午後6時(閲覧受付 午後5時15分まで、複写受付 午後5時30分まで)

休館日:日曜・祝日・年末年始

 

資金使途

 

ご支援いただいた資金は、事務局職員の給与や施設・備品の補修や購入、今年度改修作業を行なっております雑誌記事索引データベースシステムの改修費、維持運営費に充てさせていただきます。特に雑誌資料の出納や複写、索引作成にあたる職員は必要最低限の人数で頑張っておりますが、収益の減少は給与を直撃するだけに深刻です。

 

全体の利用者数が著しく減少したわけではありませんが、来館者数と雑誌記事索引データベース 「Web OYA-bunko」の利用者が逆転し、実際の来館よりも様々な場所からのアクセスが増えました。しかし、大宅壮一文庫として、そのものの場所、見学いただいた方が圧倒されるほどの78万冊を超える雑誌を保存する場所として残していくためにも、皆さまからの温かいご支援をお待ちしています。

 

 

 

 

 

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