支援総額
目標金額 10,000,000円
- 支援者
- 1,422人
- 募集終了日
- 2016年4月28日
諸悪の根源はCM?ヨーグルトでは殺せないピロリ菌。
10年以上にわたり胃がん予防を研究し、日本ヘリコバクター学会の幹事でもある認定医・間部克裕医師と、堀江貴文の対談。
・日本人や韓国人の胃にいるピロリ菌が、胃がん発生率が世界的にもすごく高いこと。世界のピロリ菌とは種類が違うこと。
・胃がん検診の面で、韓国に比べて日本は受診率が低く、胃がんで亡くなる方が年間5万人近くもいるということ。(※2013年に世界で初めてピロリ菌感染胃炎に対する検査、治療が健康保険で可能になりました。ですが、ピロリ菌感染胃炎の多くは自覚症状がないために、その検査・治療は十分には進んでいません)
・ピンクリボン活動のように、胃がんを予防するキャンペーンをもっと流行らせていくべき現状だ、ということ。
などをお伝えしてきました。引き続き、対談をお届けします。
(文章 / 聞き手・塩谷舞)
——
歳を重ねると胃炎が進んでしまうので、中学校での検査を義務付けたい
間部:日本では胃がんの原因の99%がピロリ菌であるということをお伝えしてきましたが、ピロリ菌を除菌したからといって、胃がんにならない訳ではないので油断は禁物なんです。それは検査を受ける年齢にも関わってくるのですが……
堀江:どういうことでしょう?
間部:ピロリ菌は5歳頃までに感染して胃炎が進行していくので、胃炎が進行してからでは、除菌しても胃がんになることを完全には防げないんです。もちろん胃がんになる確率は低下するのでが…。だから出来るだけ早い時期に検査して治療していただきたい。それと、人間の身体って、年齢が経てば経つほど病気に対して抗生物質を投与される経験が増えていくでしょう。
堀江:ですね。それとピロリ菌の除去に、関係があるんですか?
間部:歳を重ねて何度も抗生物質を飲んでいると、ピロリ菌が抗生物質への耐性を獲得して、ちょっとやそっとじゃ除去できなくなるんです。強くなってしまう。
堀江:なるほど。賢いですね。ゴキブリも殺虫剤では死ななくなってきたし。
間部:そう。だから大人になってから除去しようとしても、なかなか上手くいかないこともあります。
現在ピロリ菌に感染している20代の若者は5〜10%くらいだと言われているのですが、彼・彼女らの感染源の多くは、母親からだったりするんです。
それは遺伝ではなく便や吐瀉物による感染なのですが、母親と赤ちゃんは密に接するからどうしても感染する機会が多い。大人と違って幼児は、殺菌作用を持つ胃酸の分泌が十分ではなかったり、免疫力が弱いので、5歳くらいまでにピロリ菌に感染してしまう確率が高いんです。
堀江:じゃあ、小学校で検査を義務付けた方がいい?
間部:それが、小学生ってまだ身体が小さいでしょう。それで薬が飲めなかったり、検査が出来なかったり。それに小学生の低学年で除菌しても、その後に再感染するリスクも少なからずはあるので、ちょっと早すぎるんです。
だから、ピロリ菌を検査・除去するのに一番ベストなタイミングは中学生ですね。
20歳くらいのときにピロリ菌を発見して除菌したのに、30歳くらいで胃がんになってしまって、手術することになった…というケースもあります。
「中学生や高校生で除菌するのは早い」という意見もありますが、5歳で感染する感染症ですからね。早すぎることはないんです。
日本では、40歳代以下の若い方々も、今なお年間1,000人以上が胃がんで亡くなってしまっている。それを救うためには、50歳から始まる胃がん検診では無理なので、中学生での検査・除菌を行うべきなんです。
堀江:やりましょうよ。
間部:やりたいんですよ。ただ、一番の問題がですね。中学生……つまり15歳未満だと、小児科の担当になってしまうんです。僕ら内科医は15歳以上が担当。その領域を跨いでしまうことや保険適応のことなどで進んでいない。そんな理由で救えるかも知れない若年胃がんや、ほぼ確実に予防できる将来の胃がんで命を落とす人が、と考えると……。
堀江:信じられないですね。さっさと仕組みを変えるべきだけど、せめて、15歳以上の高校生から始めるのは?
間部:高校生も良いんですが、実際に行政とやってみると、高校は親元を離れたり、市町村を越えて通学したり、そもそも高校に入らなかったりという問題があって難しかったんです。実際の受診率も低くて。自分が高校生だった頃を想像すればわかることですが、高校生に、「ピロリ菌の検査をしなさい!」と言っても、「はい、受けます!」とはなりませんよね。なかなか。
堀江:あー。
間部:16〜18歳は、親の言うことなんて一番聞かない年齢じゃないですか、反抗期ですし……。だからやっぱり、小児科の領域であるとしても、保護者の目が行き届く中学生の希望者に対してピロリ菌の検査をすべきなんです。
ヨーグルトではピロリ菌は殺せない。勘違いを生んでしまうCM
堀江:耐性が出来ると、薬でも除去しきれない場合があるんですね。しかし世の中には、ヨーグルトで予防!だなんてCMも流れるじゃないですか。あれ、本当にやめて欲しいんですけど。ヨーグルト飲めば除菌までOK、ってみんな信じてしまう。
間部:そうですね。ヨーグルトじゃピロリ菌を完全には殺せません。緑茶がピロリ菌に対する殺菌効果があるいうことは僕も研究をしていたのですが、ピロリ菌による胃の粘膜炎症を抑えることは実験でも証明出来ました。ですが、人間の胃の中で完全に除菌することはできないです。
堀江:ですよね。でも、みんな誤解しちゃってますよ。
ずっとこの「ピ」のプロジェクトで胃がんの情報を伝えているでしょう。そうすると必ず、ツイッターなんかで「わたしはヨーグルト飲んでるから、大丈夫!」って発言が出てくる。みんな、CMの情報で過信しちゃってる。
そもそも、日本人は食べ物とか、オーガニックなものへの信仰心が強すぎると思うんですよね。
間部:そうですね。漢方や健康食品は身体に安全で、西洋の薬はよろしくない、と仰る方が多い。でも僕から言わせてもらうと、その考え方は逆ですよ。薬は副作用についてきちんと調査されていますから。むしろ今はサプリメントなんかの方が危険視されている。何が入っているかわかりませんからね。
堀江:ですよね。そもそも僕は、CMこそ諸悪の根源だと思っているんです。今のテレビCMって、全て病気になった後のCMじゃないですか。
がん保険に入るのも、「がんになった後の対策」だし、入れ歯安定剤も「歯周病で歯が全部なくなった後の対策」です。
昔の人って、歳をとったら当たり前のように歯が全部抜けるもんだ……って思っていたみたいなんですが、違うんですよね。「歯周病になんなきゃ歯も抜けないんだから、歯周病にならないための対策をしなきゃいけないのに」と、僕の行きつけの歯医者さんがいつも言ってる。予防出来るものなのに、「しょうがないよ、歳だからねぇ」とか受け入れて苦しんでる人が沢山いる。
間部:ピロリ菌もそうですよ。これまで「歳を重ねると胃が弱くなる」と思われていましたが、そもそも、ピロリ菌がいないと胃は全然歳をとらないんです。
堀江:そうなんですよね。すごい綺麗なままだって聞きました。
間部:そう。90歳になっても、ハタチの子の胃と変わらないんです。
まぁ先ほどもお話しましたが、確かにピロリ菌を除菌すると胃が元気になりすぎちゃって、逆流性食道炎にかかる人もいます。でも全員がそうなるわけではなく、症状が良くなる人も変わらない人もいて、全体として増加するとは言えないんです。(※逆流性食道炎に関しては記事前編をご参照ください)
共存できる細菌と、共存しない方がいい細菌がある
間部:ピロリ菌以外の話をすると、身体の中の細菌を除菌することで清潔になりすぎちゃって、アレルギー的な疾患が増えるんですよね。花粉症だったり、喘息だったり、そういうものが増えてしまう。
だから、おとなしい感染症はそのまま置いておいて、菌と共存しましょう、という意見があるのはごもっともなんです。
堀江:うんうん。
間部:でもこれ、少なくとも日本人や韓国人の胃の中にいるピロリ菌には、全く当てはまらない話です。しかもピロリ菌がいる本人が胃がんを発症しなくても、感染症ですからね。他の人に感染させてしまって、その方が胃がんになるという最悪のパターンもあるわけです。
堀江:それは止めたいですね。
間部:でもまぁこうして、ピロリ菌を悪玉だ!ピロリ菌が全部悪い!ということを伝えていると「ピロリ菌を抗生物質で除菌したし、安心だ!」と思ってしまう人がいる。これも危険なんです。
堀江:というと?
間部:胃カメラって、みんなちょっと敬遠するでしょう。気持ちが悪いし。ピロリ菌の除菌薬を飲んだ方々は、「もう大丈夫だから」と、健康診断なんかで胃カメラを断る場合がある。医者によっては「胃カメラは飲まなくてもいいですよ」と言っちゃう人もいますしね。
だから、結果として胃がんが出来ていたことに気づくことが遅れて、亡くなってしまう方もいらっしゃいました。ご遺族は「除菌したはずなのに……」と悔やまれるけど、除菌は100%ではないですからね。ですから胃がんになっていないかどうか調べるために、定期的な胃カメラが必要です。
堀江:なるほど、なかなか安心は出来ないですね。でもこれを読んでいる方々は、まずは簡易検査をしてもらって、そこで陽性であれば次のステップに行く、ということですね。
間部:もちろんです。 100%防ぐことは難しいですが、30−40%予防できることがわかっています。自分の周りのためにも、ピロリ菌の検査と除菌はぜひ行っていただきたいです。
——間部先生と堀江さんの対談、いかがでしたか? 「知らなかった」という方はぜひ前編とあわせて、ご家族や会社の方々に、教えてあげてください。
「既に知っていた」という方も、この事実は想像以上に認知度が低いもの。ぜひ、一人でも多くの胃がんで命を亡くしてしまう方々を減らすために、認知向上にご協力ください。
また4月28日まで、私たち予防医療普及委員会はピロリ菌検査キットを購入することが出来るクラウドファンディングを実施しています。
ありがたいことに、1,100名以上の方々からこのプロジェクトにご賛同いただき、現在1,100万円を超えるご支援が集まり、クラウドファンティングの目標金額を達成することが出来ました。本当にありがとうございます!
でも、今月末まではまだまだ実施中。ぜひともこのプロジェクトへの応援、認知度の向上にご協力ください。
・胃がんの原因は99%ピロリ菌だった。 皆で検査をして予防しよう。(クラウドファンディングへのご支援はこちら)
リターン
2,000円
【学生向け】プロジェクトを支援する!
1. 感謝の気持ちを込めてサンクスメール(e-mail)と活動報告(PDF)
- 申込数
- 21
- 在庫数
- 制限なし
- 発送完了予定月
- 2016年7月
4,000円
ピロリ菌から自分を守ろう!検査キット1個
1. 感謝の気持ちを込めてサンクスメール(e-mail)と活動報告(PDF)
2.ピロリ菌簡易検査キット送付(1個)(定価4,351円)
3. 「ピ」のオリジナルステッカー
- 申込数
- 657
- 在庫数
- 制限なし
- 発送完了予定月
- 2016年7月
2,000円
【学生向け】プロジェクトを支援する!
1. 感謝の気持ちを込めてサンクスメール(e-mail)と活動報告(PDF)
- 申込数
- 21
- 在庫数
- 制限なし
- 発送完了予定月
- 2016年7月
4,000円
ピロリ菌から自分を守ろう!検査キット1個
1. 感謝の気持ちを込めてサンクスメール(e-mail)と活動報告(PDF)
2.ピロリ菌簡易検査キット送付(1個)(定価4,351円)
3. 「ピ」のオリジナルステッカー
- 申込数
- 657
- 在庫数
- 制限なし
- 発送完了予定月
- 2016年7月
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