模擬原爆パンプキン探索プロジェクト - 科学の力でパンプキンに迫る

模擬原爆パンプキン探索プロジェクト - 科学の力でパンプキンに迫る
目標金額を達成した場合のみ、実行者は集まった支援金を受け取ることができます(All-or-Nothing方式)。支援募集は8月29日(木)午後11:00までです。

支援総額

128,000

目標金額 1,000,000円

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Toshiko Adati
Toshiko Adati10時間前平和憲法9条の理念を活かしていきたい。そのためには過去の歴史を知って、学ぶべきところを学び広げていきたいです。頑張ってください!平和憲法9条の理念を活かしていきたい。そのためには過去の歴史を知って、学ぶべきところを学び広げていきたいです。頑張ってくださ…
目標金額を達成した場合のみ、実行者は集まった支援金を受け取ることができます(All-or-Nothing方式)。支援募集は8月29日(木)午後11:00までです。

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プロジェクト本文

【模擬原爆「パンプキン爆弾」とは?】 

 

はじめまして!私たちは「パンプキン爆弾を調査する会」と申します。 

 

突然ですが、皆さんは「模擬原爆」「パンプキン爆弾」といった言葉を聞いたことがありますか?

この2つの単語は、1万ポンド軽筒(けいとう)爆弾の別名や愛称です。この爆弾は太平洋戦争中にアメリカ軍が開発したもので、原爆投下の練習のために使用された経緯から、日本のメディアを中心に「模擬原爆」と呼ばれています。

なお、「模擬原爆」とはいいますが、この爆弾には原爆とは違って中に核物質は搭載されていません

代わりに、工場などの目標をピンポイントで破壊するための、高性能火薬が詰め込まれていました。 

 

この爆弾の形は、長崎に投下された原爆「ファットマン」を模して造られていました

ファットマンはずんぐりとした形をしており、それまでに使用されていた爆弾と比べて「太った男」のような形をしていたのです。この形をまねた一方で、実物の原爆と区別を図る目標もあって「パンプキン」という愛称が付けられました

▲パンプキンが使用されたことを示す米軍資料”Tactical Mission Report No. Special”

   米国立公文書館所蔵:パブリックドメイン

 

この爆弾は広島・長崎の原子爆弾投下に先立ち、1945年7月20日から終戦前日の8月14日まで福島以西の日本全国に49発投下されました。およそ4.5トンもの重量がある巨大な爆弾であるため、専用に改造されたB-29にしか搭載できず、原爆投下専門の部隊が全弾の投下を担当しました。

▲スミソニアン博物館別館に収蔵されているB-29「エノラゲイ」(2024年1月31日、西岡撮影)

 

この作戦の目的としては、「未熟な搭乗員に実戦経験を積ませるため」と説明する資料が存在します。

実際、原爆投下部隊の搭乗員はそれまでアメリカ国内やアメリカ近海にかけて訓練飛行を繰り返していたため、日本上空を飛行する経験が不足していたのです。

そのために、この爆弾を用いて原爆投下を兼ねた訓練が繰り返されたということです。

 

他方で、訓練とはいえ実際に爆弾を投下する「空襲」であったことには変わりありません。

現在までに、400名以上の方が命を失ったことに加え、1000名以上の方がこの爆弾によって負傷したことが判明しています。

こうした史実は、1990年代に各地の空襲を記録する会によって、明らかにされていきました。

 

 

 

【パンプキン爆弾を記録する会について】

 

私たちはパンプキン爆弾の調査を通じて、不明点が多く残っているパンプキン爆弾の詳細解明にチャレンジしています。 

 

現在、私たちの最も関心のある課題は「パンプキン爆弾の着弾地点はどこなのか」というテーマです。

パンプキン爆弾は大型の爆弾であるため、当時の証言や戦後の航空写真等の分析を通じて着弾地点を調査することが可能です。

実際に、日本に投下された49発のパンプキンのうち46発までは着弾地点が明らかとなっています

他方で、神戸・福島・徳島に投下された3発は未だ着弾地点が不明のままです。

私たちは、こうしたパンプキン爆弾の謎に挑むことで、記録を後世に残すことを目標としています。

 

パンプキン爆弾は、空襲と原爆投下の両方の性質を兼ね備えている特別な存在です

日本各地に投下された、それぞれのパンプキン爆弾を知るということは、原爆投下を考えることに直結しています。

それは単に過去の追究にとどまらず、現在も国際社会の舞台で存在し続ける「核兵器」の在り方や存在意義を考える際に、最も身近なテーマとして役立つことが期待されます。

これが、私たちがパンプキン爆弾を記録し、後世に伝えようとする理由です。

 

 

 

【プロジェクトを立ち上げたきっかけ、内容】

今回のプロジェクトのきっかけは、共同代表の1人が出した論文でした。

着弾地点が未だ明らかになっていないパンプキンに挑んだ「1945年7月24日に神戸製鋼所へ投下されたパンプキン」。

この論文で示唆された神戸の候補地点を昨年12月に金属探知機を用いて調査したところ、こんな発見がありました。

▲現地調査の結果収集された鉄片(2023年12月6日、 西岡撮影)

 

金属探知機を用いた調査の結果、山の地中より大小合わせて8つの鉄片が発見されたのです。

これらの鉄片は、端が破れたような形状になっていることや、一部鉄片に人工的なネジ山の跡があるなど、

爆弾の破片である可能性が高いと考えられます。

一方で、神戸は幾度となく空襲を受けている土地のため、現時点ではこの破片が「何の爆弾の破片なのか」まではわかりません。

候補地点から出土したという点からパンプキンの可能性は高い反面、他種の爆弾、とりわけ米軍がよく使用していた500ポンド(250キロ)爆弾の可能性である可能性もあります。

 

それでは、神戸で採集した鉄片はパンプキンの破片なのか?

 

この難問に立ち向かうため、私たちは「科学の力」に頼ることにしました。

 

私たちのプロジェクトのイメージを下の図に示します。

 

 

用意するサンプルは、次の3グループです。

  1. 間違いなくパンプキンの破片であることがわかっているサンプル2点。
  2. 日本本土空襲で最もよく使われたアメリカの500ポンド通常爆弾の破片サンプル2点。
  3. 神戸で採集した破片のうち状態の良いサンプル2点。

2点ずつ用意するのはサンプルによりばらつきを考慮するためです。

これら6点のサンプルに対して、顕微鏡による組織観察や化学成分の定量化のためにプラズマ発光を利用したICP分析を行います。

爆弾に使われた破片は、第一に鉄鉱石の産地による特徴を残しており、第二に製鉄所での熱処理や圧延処理による特徴を残しているはずです。

 

そのため、金属片の組成分析によって、爆弾の種類を特定できるのではないかと考えました。

上の図は単にイメージを示したものですが、X軸には鉄鋼の性質に最も大きな影響を与える炭素(C)になる可能性が高いと考えられます。

 

具体的には以下のような組成分析を行う予定です。

 

以上示したように、パンプキン爆弾は、私たちが去る2月に和歌山県有田市で採取した破片と愛知県鷹来製造所跡から採集された破片を使う予定です。通常爆弾については、東京都八王子市の犬目山で私たちが採取した、500ポンド通常爆弾の破片と宇治山田(現在の伊勢市)の着弾地から得られたものを使う予定です。

 

ところで、サンプルを準備する過程で有田市で採集した破片に塗膜が残されている可能性が含まれている可能性があることがわかりました。

このため、これを7番目のサンプルとしてEPMA分析によって成分を分析する予定です。

パンプキンの表面の色については現在も論争の対象になっており、分析が成功すればこの問題にも決着がつく可能性があります。

 

なお、いただいたご支援は以下の費用として使用します。

金属片の組成分析費用  868,000円

報告会    オンライン開催のため費用負担なし

READYFOR手数料+税 132,000円

 

 

 

【プロジェクト全体の流れについて】

  • 組成分析

現在、組成分析の実施に向けて準備を進めています。分析にあたっては、複数件の試験を同時に行う計画です。既に、試験に使用する鉄片サンプル実物を送付しており、7~8月の2ヶ月間で組成分分析を実行する見込みとなっています。

 

  • READYFORでの募集

組成分析と同時並行で、READYFORでの寄付募集を行います。今回READYFORでの募集を行うにあたって、「この機に多くの人にパンプキン爆弾を知ってもらう」という目標も掲げており、さまざまな人に興味を持ってもらえるようなイベントを計画しております。具体的には、パンプキンが投下された7月20日前後の日や、8月の広島・長崎の原爆投下に合わせてオンライン学習会などを計画中です。イベント詳細については、READYFORの募集ページおよび「パンプキン爆弾を調査する会」ホームページで告知予定ですので、お見逃しなく!    

 

  • リターン

寄付コースに応じたリターンは、組成分分析の結果が出たのちに順次発表予定となります。オンライン報告会への参加権を選択された方に対しては、本年度10月頃を目処に結果報告会を実施する予定です。それ以外のリターンについても、10月頃を目処に順次結果をご報告する流れとなります。  

 

 

 

【プロジェクト後の展望・ビジョン】

今回のプロジェクトは、戦後80年に向けたパンプキン爆弾の調査・記録プロジェクトの第一歩です。今回の進捗次第で、「次なるプロジェクト」につながることが期待されます!

現時点で、次なる展望として期待される動きは以下の3点が挙げられます。

  

① 結果を踏まえた検討、追加調査

今回のプロジェクトに関して参照できる先行研究や試みは少なく、文字通り「戦後初の試み」となっています。そのため、現時点で神戸の鉄片が本当にパンプキンのものなのかわからない上に、どのような成果が得られるかも未知数の状態にあります。そこで、組成分分析の結果次第で次なる調査行動が変化することが予想されます。 

   

・鉄片がパンプキンであると判明した場合

組成分分析を通じて神戸の鉄片がパンプキンのものと一致した場合、「神戸の山中にパンプキンが落ちた」ということが決定的になり、着弾地点不明の一発が解明されることとなります。しかし、これは次の始まりに過ぎません。神戸の山中に対して再調査を行ない、より精密な現地調査を実施できるほか、付近の爆撃に関する証言を調査することでより爆撃の詳細を追求することが可能となります。加えて、今回の調査のノウハウを活かし、未だ着弾地点が不明の福島県と徳島県の残る2発への挑戦が期待されます。 

  

・鉄片はパンプキンのものではないと判明した場合

組成分分析の結果、神戸の鉄片がパンプキンではないと判明した場合でも、次なる調査展望はあります。まず、パンプキンの着弾地点の再検討です。この場合、海への着弾も十分に考えられるため、水中ドローン等を用いた水中調査も視野に入れて追調査を実施します。加えて、「どの爆撃で神戸山中の着弾跡ができたのか」についてです。これまでの調査ではパンプキンが投下された1945年7月24日に注目していましたが、他の時期に通常爆撃を行ったB-29部隊にも調査視野を広げた上で、詳細を突き止めることが期待できます。

 

②鉄片の更なる分析

今回の分析で、塗膜の分析で使用される鉄片サンプルは一つだけになる予定です。一方で、私たちが山中で収集した鉄片には、当時の塗料が残っているものがF-10以外にも存在しています。そのため、複数のサンプルに対してEPMA分析を通じた比較・検討を行うことで、塗料の成分内容から何色の塗料が使用されたのか。より精密な分析結果が導けると期待できます。

 

③鉄片の保存プロジェクト

今回の組成分分析で使用する当時の鉄片は、いずれも山中から発掘したものです。そのため、表面に錆などの劣化が多数見られており、そのままでは近い将来に朽ちてしまうことが予想されます。そこで、組成分分析が終了した鉄片から保存処理を行い、「戦争の生き証人」として鉄片を未来の世代へ遺す試みも検討中です。また、保存処理を行った鉄片は展示可能な資料として、多くの方にみてもらえるような機会に繋げたいと計画しております。

 

 

 

【プロジェクトの中心メンバー紹介:パンプキン爆弾を調査する会共同代表】

 

西岡孔貴

▲講演会「広島原爆前に、神戸山中に「模擬原爆パンプキン」が落とされた」登壇時に撮影(2024年2月15日撮影)

 

神戸大学法学研究科修士課程在籍、成城大学文芸学部文化史学科卒業。

成城大学時代よりパンプキンに関心をもち、現在は神戸に投下された着弾地点不明のパンプキンの研究にも取り組んでいる。修士課程では、「原爆投下と終戦の関係性」をメインの研究テーマに据えており、パンプキンとの研究にも関連付けながら展開している。

 

藍原寛子 

福島市在住ジャーナリスト、Japan Perspective News 代表、Fulbrighter。核と原発、原爆、原爆開発の問題を福島をベースに取材。戦時中、日本陸軍の原爆開発に関し福島県石川町で行われたウラン採掘や、福島市渡利に投下された模擬原爆の歴史などを報道している。2024年日本外国特派員協会「報道の自由賞 日本部門名誉賞」受賞。

 

 

工藤洋三

空襲・戦災を記録する会事務局長

工学博士

著書に『原爆投下部隊』(金子力氏と共著)、『日本の都市を焼き尽くせ!』などがある。

 

 

 

【追記】掲載している名称および画像は、下記協力者より掲載許諾を得ています。

(敬称略)藍原寛子、工藤洋三、西岡孔貴

 

 

 

 

プロジェクト実行責任者:
西岡孔貴(パンプキン爆弾を調査する会)
プロジェクト実施完了日:
2024年10月31日

プロジェクト概要と集めた資金の使途

金属片の組成分析費用,報告会,READYFOR手数料

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お礼メール

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オンライン報告会へのご招待

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・オンライン報告会へのご招待
時期:10月中頃(詳細な開催日時は9月頃にメールにてお伝えします。)
場所:オンライン会議アプリ"Zoom"
実施時間:1時間半から2時間程度を予定。
※1支援につき1名様が参加可能です。

支援者
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発送完了予定月
2024年10月

10,000+システム利用料


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オンライン報告会+報告書【1万円支援コース】

・お礼メール
・オンライン報告会へのご招待
時期:10月中頃(詳細な開催日時は9月頃にメールにてお伝えします。)
場所:オンライン会議アプリ"Zoom"
実施時間:1時間半から2時間程度を予定。
※1支援につき1名様が参加可能です。
・報告書
時期:11月初旬頃
形式:PDFファイル
内容:組成分析の結果に、当会の見解も踏まえた報告書を編集予定です。
送付方法:メールにPDFファイルを添付の上、お送りします。
※1支援につき1部のデータをリターンとしてお送りします。

支援者
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オンライン報告会+報告書【3万円支援コース】

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リターン内容は1万円コースと同じです。

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※1支援につき1名様が参加可能です。
・報告書
時期:11月初旬頃
形式:PDFファイル
内容:組成分析の結果に、当会の見解も踏まえた報告書を編集予定です。
送付方法:メールにPDFファイルを添付の上、お送りします。
※1支援につき1部のデータをリターンとしてお送りします。

支援者
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2024年11月

50,000+システム利用料


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オンライン報告会+報告書【5万円支援コース】

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リターン内容は1万円コースと同じです。

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時期:10月中頃(詳細な開催日時は9月頃にメールにてお伝えします。)
場所:オンライン会議アプリ"Zoom"
実施時間:1時間半から2時間程度を予定。
※1支援につき1名様が参加可能です。
・報告書
時期:11月初旬頃
形式:PDFファイル
内容:組成分析の結果に、当会の見解も踏まえた報告書を編集予定です。
送付方法:メールにPDFファイルを添付の上、お送りします。
※1支援につき1部のデータをリターンとしてお送りします。

支援者
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発送完了予定月
2024年11月

100,000+システム利用料


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オンライン報告会+報告書【10万円支援コース】

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リターン内容は1万円コースと同じです。

・お礼メール
・オンライン報告会へのご招待
時期:10月中頃(詳細な開催日時は9月頃にメールにてお伝えします。)
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実施時間:1時間半から2時間程度を予定。
※1支援につき1名様が参加可能です。
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時期:11月初旬頃
形式:PDFファイル
内容:組成分析の結果に、当会の見解も踏まえた報告書を編集予定です。
送付方法:メールにPDFファイルを添付の上、お送りします。
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2024年11月

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