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一家族から写す中国朝鮮民族の「今」。映画『血筋』劇場公開へ

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2019年10月28日 06:05

【ヴァイオリニスト・郷古廉さん 《音楽と恋》】(残⑱日)

 



 

インタビュー三人目は映画音楽を作曲・演奏してくれた、ヴァイオリニスト・郷古廉さん。

常に第一線で活躍し続ける彼から見る世界はどのようなものか…?好奇心の赴くままに質問してみた。

 

 

 

 


 

<音楽と恋>


 

音楽はほとんどそれがテーマだよね。オペラは9割以上が愛や恋がテーマで、高尚な作品もあるけれどどうしようもなく下品な作品もある。でも下品さが大衆的で俗っぽくて逆に笑えて感動したりもする。

 

 

恋するとヴァイオリンの音色は変わるもの?

 

自分では分からないなあ…。でも何かのキッカケで、それまでは気にしていなかったことが、急に気になり始める事ってあるじゃない? 自分の経験と類似したものって共感できるから意識しやすくなる。表現も同じで、共感してしまう事に自ずと寄っていくことはあると思うよ。

 

 だから自分の中に何を取り込むかはよく考えるよね。人間ってそんなに器用じゃないから、取り込む情報が偏ると表現も間違いなく影響される。バランスが悪くなりすぎないように気を付けているよ。

 10代の頃、ウィーンで生活していたときは、その意味ではバランスがあまりにも偏り過ぎていたからね。

 

 

 

 


 

 郷古くんとは中学の同級生だ。学年が上がるといつの間にか学校で見かけなくなり、ずっと後になって「ヴァイオリン修行のためウィーンへ留学した」と風の便りで知った。

 

才能溢れる少年がヴァイオリン片手に音楽の本場ウィーンへ渡る…映画にするにはわざとらしいほど、誰もが羨むシナリオだ。あるいは本人さえもそうだったのかもしれない。

 

 だが不安と希望、幾分の野心を背負って訪れた異国の地で彼が対峙したのは、自らの運命に対する気が狂うほどの「問い」の連続だった。内容の重さと対称的に淡々と語る彼の言葉には、病み上がりの冷涼感を思わせるような独特なクールさがあった。

 彼の言葉をノートに書き留めながら、深く聞き入ってしまった。

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

精神の淵


 

 10代のとき、世の中には「意味のある事」と「意味の無い事」が存在していて、僕はヴァイオリニストとして「意味のある事」をしたいと思ってた。でも東日本大震災を機にすべて変わったんだよ。

 

震災のとき、ちょうど日本で演奏会があってウィーンから宮城の実家に帰ってきてた。そうしたら地震が起きてさ。ライフラインがすべて止まって、水を得るにも自衛隊が用意した給水車に並ばなくてはならなかった。港の方では石油コンビナートが爆発して黒い煙をあげながら燃え盛るのが見えた。


 

当たり前だけど、演奏会どころじゃない。津波であんな酷い状況になって、誰もヴァイオリンなんか必要としていないときに、僕は開かれるかどうかも分からない演奏会に向けてヴァイオリンの練習をしてる…「何のために弾いてるんだ?」って思ってしまったよね。

 

金沢で演奏会が予定されていたけれど、震災の影響で開催が危ぶまれていた。世間は自粛ムードだったけれど僕の意志もあって予定通りに演奏会は開かれることになった。震災直後で交通網の大半はマヒしてたから、金沢へ行くのにもすごく時間がかかった。仙台からタクシーで山形庄内空港に向かって、飛行機で羽田空港経由で金沢入りするんだよ。

 でも金沢にいざ着いてみると衝撃だった。そこはいつも通りの世界なんだよね。震災が起きたのかと疑ってしまうくらい何事も無かったように人々の日常がある。

 

 



 

16、7歳の頃ってただでさえ精神的に不安定な時期じゃない? 言葉も文化も全く異なるウィーンに、多少の野心も携えて行くわけで。無謀で無知だけれどやる気だけには満ち溢れてたとき、大震災が起きた。何というか…完膚なきまでにへし折られた気分だよね。あの時期に味わう挫折感はなかなかキツイものがある。

 

幼い頃からずっとコツコツやってきたヴァイオリンを、あの一瞬のうちに全て無意味に感じてしまったんだよ。でも自分にできるのはヴァイオリンしか無い。そんな矛盾を前に音楽と向き合うほど、自分がどこまでもどこまでも暗い世界へ落ちていく感覚になるんだ。言葉にするのは難しいけれど、抗えない何かがあってそこに向かってどんどん吸い込まれていく…這い上がろうにも全く抜け出せないんだよ。「これはもう落ちるところまで落ちるしか無いなあ」と思った。それ以外に選択肢も無かったしね。





 

落ちていく先には何かあった?

 

「無」かな…。何も感じないし、飲むことも、食べることにも興味がない。完全にヤバい状況だよね(笑)。死ぬことしか考えてなかった。


 

ヴァイオリンは弾いてた?

 

弾いてたよ。仕事も普通にしてたし。

でも会う人会う人皆から「早くは死ぬな」って言われてた(笑)。


 

死ぬことが前提なんだね(笑)。何かに救いを求めたりはしなかった?

 

すぐ死ぬだろうと周りには思われてたみたいだね(笑)。

外部との連絡も完全に断ってたから、周囲の人は干渉できなかった。

 

救いは…やっぱり「音楽」だったかもしれない。矛盾が故にヴァイオリンに没頭しきってた。ある意味ではいい時間だったとも言えるかもしれない。


 

精神的などん底から這い上がれたキッカケは?

 

うーん…これといった理由はないなあ。

あえて言うならその状態に「飽きた」のかもしれないね。精神的な落ち込みそのものに飽きた。


 

音楽と向き合うという意味で、もしその闇にもう一度戻れるとしたら戻りたいとは思う?

 

戻りたくない(笑)。次は這い上がってくる体力ないかもしれない。

今振り返っても本当によく生きてたなあと思う。


 

ヴァイオリニストとしての存在意義が欲しいという事かな。

 

当時の僕は自分のやっていることに意義があると思いたかったんだろうね。

 

でも今は違うふうに考えるようになった。そもそも本当に意味のあることって、この世界に存在するのかなと思う。本当のところは何一つ無いのかもしれない。ならば意味なんて自分で作り出せばいいだけであって、その問い自体あまり本質的ではないかなと思った。

 

精神的な落ち込みから今は回復しているけれど、そのとき経験した「絶望感」はまだ体にしっかり残ってる。だから未だに自分の「バランス感覚」みたいなものを完全に信用しきれてない部分があるんだよ。またいつ落ちるか分からない。

 

最近はなるべく色んなことにオープンになって、様々な要素を取り込んでいくことでバランスを保つことを意識してる。体に残る「危うさ」が現状に常に疑いを向けていて、結果的に変化を促すきっかけになっている気がするんだ。まだまだ進化し続けていくと思う。





 

 

震災の日のことは僕もよく覚えている。

震災の日は、夜でも明るかった。

港の方で、爆発音を上げながら煌々と燃え盛る石油コンビナートの火柱が、街中を赤く照らしていたからだ。それは破壊の象徴のようでもあり、鎮魂の火のようでもあった。

 

巨大な火柱を眺めながら、一人のヴァイオリニストは自らが背負った運命に悩み、一人の不登校児は(僕のことだ)背負うべき運命が何か分からず悩んでいた。

 

映画監督になった今、郷古くんにアドバイスを請うてみた。

 

 


 

「孤独」は自由だし、どこへでも行ける

 

 

 

 

「孤独」についてどう思う? 5年間僕は自分の作品と向きあってきて、幾度となく孤独感に陥るときがある。 

 

孤独でいいんじゃない? それは自分が特別だということでもあるから。

本当はみんな孤独なんだよ。でもそれを誤魔化したくて人と群れてる。

孤独だということは自分を誤魔化してないってこと。

 

孤独は自由だし、どこへでも行ける。むしろ誇りに思うべきだよ。


 

 

 

映画が上映されるにつれて周囲の雑音も多くなる…そういう場合どう対応してきた?

 

「心が折れそうになるくらい気にしながら、無視する」かな(笑)。

全く聞かないことは良くないと思ってる。端から無視するのは良くない。

もちろん僕だって完璧じゃないし成長を求めるわけで、完璧になれ無くてもそれに近づきたいとは思うじゃない?

 

そのためにも他人からの「雑音」はときどき役に立つ。



 

どんなにクソな意見でも?

 

そうだね。そういうクソを納得させるためにはどうすればいいんだろうかと考えるわけよ。まあ意味ないんだけど。

 

意外かもしれないけど、僕は結構他人の言葉を気にする。酷いこと言われると、気にするしムッとするけど、でも最終的にはやっぱり無視する。

自分が楽しくないことはやりたくないし、楽しんでやっている人以外で成功した人は見たことがない。信念を持つがゆえに歩む道が険しくなることもあるけど、信念に基づいてやってる人こそが幸せになれるし、人のことも幸せにできるんじゃないかなと思う。

 

 

 

 

 

これからの僕に対して何かアドバイスある?

 

特には無いなあ(笑)。あえて言うなら「やめないでほしい」ってことくらいかな。今後何かがあって「やめるかもしれない」って思うくらいなら、今すぐやめた方がいいと思う。

 

何かを極めるというのはとても時間のかかることだからね。

 


 

文・インタビュア・写真 角田龍一

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