
支援総額
目標金額 500,000円
- 支援者
- 51人
- 募集終了日
- 2018年3月15日
投稿⑮【孤独、自由、そしてドリップコーヒー】上映まで21日
山籠もりしていた一休禅僧が、あまりの寂しさで一週間で逃げ出したという逸話がある。
お寺での書生生活を経て、現在京都の山の方で一人暮らしをしている僕にとって、彼(一休禅僧)の気持ちは少しわかる気がした。
「山」といえども普通のワンルームで、水道も電気も通っている。去年の暮れ、幸運にも映画関連でまとまったお金が入ったこともあり、その金が尽きるまで数ヶ月間ただ無為に過ごした。
今思えば、「無為に」である。
寝る間を惜しんで働いた書生時代は、幾度も「自由」になることを切望していた。だがいざ手に入れた自由は「孤独」と名を変えて、立ちはだかる。
毎日、予定は無い。
友達もいないので人に会うこともない。
朝、早い時間から喫茶店へ赴き、本を持って数時間居座る。
読んでいるようで読んでいない。
喫茶店の朝はビジネスマンから始まる。彼らは髪型から持ち物まで統一感を意識しており、その道のやり手風の身振り手振りが際立っている。昼過ぎにはマダムたちが集う。午後になると大学生や何かの資格の勉強をする人たちでごった返す。
皆それぞれの持ち場に着いて、いびつながら自分の守備範囲を守っているように見えた。
それに比べて、その日、自分が発した唯一の言葉が「ドリップコーヒーお願いします」であったと気づいたとき、「今僕はどこにいるんだろう」と思ってしまった。
これが孤独か…と思った。
社会のどこにも僕の持ち場があるように見えなかった。それと同時に「自分の存在を認めてもらいたい」という強い自己矛盾を自覚せずにはいられなかった。
その問いは「映画を作る意味」へと変換されていく。
映画をつくる必然はあるか?ー無い。
ならば、なぜ作るのか?ーエゴ。
エゴに価値はあるか?―無い。
自問自答した結果、どう考えても自分の価値を認めることはできなかった。あらゆることは多分「あっても無くてもどっちでもいい」というのが僕がたどり着いた結論だ。
そもそも必然も真理も何もない。
でも生きていく上で目的地は必要だ。僕らは気づいたときにはいつの間にか羅針盤を持たされ、半ば強制的に航海に出される。そして旅の最後の日まで浮き沈みしながら「物語」を積み重ねていく。
どうしようもなくくだらない「物語」、途中で沈没した「物語」、羅針盤を海に放り投げてしまった「物語」…
物語は束になって、自由になることをを主張する。
音楽家が空気から音を開放するように、ボクは彼らに語る術を授ける。
もしもどこかで誰かが殺伐とした「孤独」の中で物語を紡いでいるなら、それは「自由」であると伝えたい。
そして僕が魅力に感じた「物語」を語って聞かせたいなと思う。
角田龍一
リターン
5,000円

【5000円】お名前のクレジット
・サンクスメール
・映画の最後に名前のクレジット
- 申込数
- 26
- 在庫数
- 制限なし
- 発送完了予定月
- 2018年9月
10,000円

【10000円】試写会へご招待+お名前クレジット
・サンクスメール
・試写会へご招待
・映画の最後に名前のクレジット
- 申込数
- 17
- 在庫数
- 制限なし
- 発送完了予定月
- 2018年9月
5,000円

【5000円】お名前のクレジット
・サンクスメール
・映画の最後に名前のクレジット
- 申込数
- 26
- 在庫数
- 制限なし
- 発送完了予定月
- 2018年9月
10,000円

【10000円】試写会へご招待+お名前クレジット
・サンクスメール
・試写会へご招待
・映画の最後に名前のクレジット
- 申込数
- 17
- 在庫数
- 制限なし
- 発送完了予定月
- 2018年9月

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