投稿⑳【角田龍一②”厚さ1㎝"】(本日14時50分上映!!)

【角田龍一②''厚さ1センチメートル''】(本日上映!!)

~100万円の買い物~

厚さ1㎝。
100万円束の厚さである。
手に取った100万円は思ったよりは軽く、連番の記番号のお札は行儀よくピタりとくっつき合っていて、その密度は高い。


100万円。
時給1200円を積み重ねた成果である。
ここ一年弱、黒服として週6、7出勤して、思いつく限りのすべての節約を行い、作り出したお金である。100万円はかねてから目標にしていた数字だったので、達成されたいま黒服の仕事は辞めている。
したがって社会的身分はただの「無職」である。


今、ボクはこの100万円すべてをつかって、大胆に買い物をしようと思う。
何を買うのか…?
「10ヶ月の時」を買う。


本来なら、スタッフへのギャラなどに使われるべきだが、それにしては額が小さすぎる。ボクなりに有意義な100万円の使い方を考えた結果、「自由な時間を買う」という結論に至った。


10ヶ月なので、月割りで10万円しかない。家賃、光熱費などの諸経費すべてを賄うには厳しい軍資金であるが、計算上はぎりぎり生計が成り立つ金額である。きっとまた数ヶ月同じ飯を食うはめにはなるだろうけれど…。

 

 


一年分の労働を半年間に集約させ、どうにか作りだしたこの「空白」の中で、どれだけ次の計画へ繋げられるかは自分への試練でもある。今までそうであったように、今回の見切り発車の終着駅がどこかは、ボクにもわからない。


あらゆる暫定的な不透明さを退け置いて、少なくとも今日(6月2日)言えることがある。



それは「ボクは映画監督だ」ということだ。

 


5年かけて制作した作品を満席の客席(150名!!)でお披露目することになるだろう。感動冷めやらぬうちでボクは登壇して来場者への謝意を述べつつ、自作の作品の制作経緯や苦労話を語ることになるだろう。


あるいは…ガランとした観客席の前で、しみったれた、しょぼい挨拶をするだけかもしれない。

まあそれはそれで悪くないなあと思う。
結果がどちらであっても人生として面白いことには変わりはない。
映画が終われば再び「無職」に戻る点では共通しているのだから。


ただこれだけははっきり言える。
やれることはすべてやって来た。
妥協した部分は何一つない。

クリアなビジョンの先に見える一点の光は間違いなく、ボクを照らしている。あとはこの手でしっかり掴むだけである。

人生においてそれを掴めるかどうかはたぶん大差ない。
しかし掴んだ方がよりドラマチックになることは間違いないだろう。

エンターテイナーとして一歩を歩み始めた今、それを掴み損ねるわけにはいかない。


今日、映画『血筋』が封を切られます。
ご来場お待ちしております。



角田龍一

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