中国朝鮮民族の「今」を映す、ドキュメンタリー映画を世界へ

中国朝鮮民族の「今」を映す、ドキュメンタリー映画を世界へ

支援総額

580,000

目標金額 500,000円

支援者
51人
募集終了日
2018年3月15日

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2018年02月10日 22:40

投稿③【恋愛様式からみる延吉】(残り33日)

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古今東西、どこでも男女は恋愛をしている。今回はちょっと視点を変えて「恋愛様式からみる延吉」をテーマに書いてみたいと思う。学術的データに基づくものではなく、あくまで現地で見聞きしたことと、ボクの感覚値に基づいて書く。


 中国朝鮮民族にとって、韓国のファッションが憧れで、かつ目指すべき手本になっているようだ。加えて男は気前が良くなくてはならない。勘定は基本的に男持ちである。そして「高身長」と「肌」への拘りがかなり強い。男は女よりも長身が望ましく、男女ともに白くつるっとした肌を求められている。スキンケアの基本が保湿であることは、もはや男たちの中でも常識である。デートといえば、洒落た「キャフェ」と名の付くところで、甘い飲み物を頼んではおしゃべりしたり、映画館に行ったり、イケイケな人たちは深夜まで営業する遊園地やクラブ、居酒屋飲んでは遊び明かすらしい。
 事実、延吉市内にある延辺大学(中国の唯一の朝鮮大学)前には巨大は居酒屋雑居ビルが立ちはだかっている。店の酒はほとんど延辺大学生が飲み尽くすことから、現地人からは(「延大」をもじって)「酒大」と揶揄されてるらしい。


 だが、その遊ぶお金はどこから来るのか。そもそも延吉には、多くの韓国籍企業が進出しており、物価は日本とあまり変わらない。そんな中で男たちはどうやって奢り続け、女たちはどうやってめかし込み続けるのか。延吉のアルバイトの平均時給は8元(150円)くらいなので、珈琲2人分でもう既に日給に匹敵する。


彼らに問うと、「それは親からの小遣いだ」という。


生産性が著しく低い地域なのに、延吉が「消費都市」と呼ばれるからくりが、ここにある。親の世代の多くは、幼かった子どもを祖父母(自分の親)に預け、韓国へ出稼ぎに行く。そして懸命に働いたお金を子どもや祖父母のために毎月仕送りをする。ボクの知る限りでは、子へのお小遣いでさえ中国の一般的なサラリーマンの月給以上である。





 文化大革命(1966~1976年)を経験した親の世代は、貧しさを嫌というほど味わってきている。当時のテレビ画面の向こうでは、高度経済成長期真っ只中の韓国の華々しい文化があって、働き盛りだった彼らはそれに憧れ、自分も同じようになりたいと思ったはずだ。出稼ぎ帰りの人が派手な毛皮コートを身をまとい、妙な韓国訛りしゃべるのを聞いて、劣等感と野心が燃え上がることは想像に難くない。我先にと、向こうの国ならあるはずの「幸せ」をつかむために韓国へと渡っていく…。


 残念ながらその多くは今もなお、帰らない。孫たちは祖父母のもとで成長し、出稼ぎ行った親たちは韓国で新たな家庭を築いていることも多い。それでも年に一、二回しか会わない子どもたちのために、稼いだ金を送る。彼らが当初、胸に抱いていた「幸せ」のイメージと、現在はどれだけ近づいているのがだろうか…。


 そして今、祖父母たちは老いから自らの死期を悟り始め、孫たちは大人になり、現実と向きあわなくてはならない。ボクが思うに、孫たちの世代は実はずっと前から、こうなることを薄々勘付いていたのではないかと思う。刹那的な享楽にふけるのは、どうにもならない閉塞感からかもしれない。
 ある者は身の丈に合った生活レベルまで下げて地に足がついて生活へ戻ろうとし、ある者は親と同じように出稼ぎを望み、ある者は相変わらず贅沢な生活を送りながら、迫りくる現実にただ怯えている。
 
 日本人にとってこれはどこか遠い国の話くらいに思えるかもしれない。しかし、この閉塞感はより淡い形で今の日本にもあるとボクは思っている。現在の生活水準が維持されているのは、親のおかげによるものが大きいこと、そして老いつつある親を見ながら、それはもうそんなに長くは続かないことを、実はボクらの世代も知っている。


一体、幸せとは何か。これからより強く問われ始めるように思う。



また更新します。
角田龍一

リターン

5,000


【5000円】お名前のクレジット

【5000円】お名前のクレジット

・サンクスメール
・映画の最後に名前のクレジット

支援者
26人
在庫数
制限なし
発送完了予定月
2018年9月

10,000


【10000円】試写会へご招待+お名前クレジット

【10000円】試写会へご招待+お名前クレジット

・サンクスメール
・試写会へご招待
・映画の最後に名前のクレジット

支援者
17人
在庫数
制限なし
発送完了予定月
2018年9月

30,000


【30000円】試写会へご招待+お名前クレジット

【30000円】試写会へご招待+お名前クレジット

・サンクスメール
・試写会へご招待
・映画の最後に名前のクレジット

支援者
6人
在庫数
制限なし
発送完了予定月
2018年9月

50,000


【50000円】試写会へご招待+お名前クレジット

【50000円】試写会へご招待+お名前クレジット

・サンクスメール
・試写会へご招待
・映画の最後に名前のクレジット

支援者
2人
在庫数
制限なし
発送完了予定月
2018年9月

100,000


【100,000円|企業・団体様向け】個別試写会の開催+企業団体様のロゴをクレジット(エンドロ―ル)

【100,000円|企業・団体様向け】個別試写会の開催+企業団体様のロゴをクレジット(エンドロ―ル)

・サンクスメール
・試写会へご招待
・映画の最後に名前のクレジット
・個別試写会の開催(※交通費別途)
・映画の最後に企業・団体のロゴを掲載

支援者
0人
在庫数
制限なし
発送完了予定月
2018年9月

150,000


【150,000円|企業・団体様向け】個別試写会の開催+企業団体様のロゴをクレジット(エンドロール+パンフレット)

【150,000円|企業・団体様向け】個別試写会の開催+企業団体様のロゴをクレジット(エンドロール+パンフレット)

・サンクスメール
・試写会へご招待
・映画の最後に名前のクレジット
・個別試写会の開催(※交通費別途)
・映画の最後に企業・団体のロゴを掲載
・映画パンフレットに企業・団体のロゴを掲載

支援者
0人
在庫数
制限なし
発送完了予定月
2018年9月

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