口腔内ポリープの再発を繰り返す保護猫の治療費にご協力をお願いします

 

カンナちゃんの新しい里親さん候補が決まったのは私にとって喜ぶべきことですが、実際には寂しい気持ちしかありませんでした。

 

保護当時に瀕死だったカンナちゃんへ毎日飲み薬と塗り薬を与え、食が細い時は1時間おきに高栄養ちゅーるやスープを手で食べさせたこともありました。

 

元気になった後はカンナちゃんのストレスが溜まらないよう、1時間ほど遊び相手になることもあったほどです。

 

今まで何匹も手の掛かる猫の世話はしてきましたが、カンナちゃんのように瀕死状態の子猫は初めてだったので、私にとってカンナちゃんは本当に特別な存在でした。

 

しかし、カンナちゃんを新しい里親さんへ譲渡すると決めたのは私の意志です。

 

他の病気やケガの猫を保護するためには、カンナちゃんを譲渡してキャパを空けておく必要があります。

 

カンナちゃんとの別れの日が近づき寂しさが増していく一方で、私はカンナちゃんのこれからの幸せを願う気持ちも強くなっていきました。

 

そして、カンナちゃんを新しい里親さんへお届けする日がやってきました。

 

私は様々な感情が入り混じるなか、カンナちゃんを新しい里親さんへお渡ししました。

 

新しい里親さんの家にはすでにケージやトイレが用意されており、カンナちゃんを受け入れる準備は万全でした。

 

さらに、おやつやおもちゃも用意されていたので、これなら安心してカンナちゃんをお任せできると安堵しました。

 

カンナちゃんを渡し終えた時はほっとした気持ちが強かったのですが、自分の家へ着いてカンナちゃんがいた空っぽのケージを見た時に、胸が張り裂けるような悲しみを感じたのです。

 

今までカンナちゃんと一緒に過ごした3ヶ月が走馬灯のように駆け巡り、私は少し放心状態になってしまいました。

 

私はカンナちゃんのケージを片付けながら、新しい里親さんの元で幸せになってくれることを祈るのでした。

 

その後1か月ほどが経ち、トライアルで問題が無かったため、カンナちゃんの正式譲渡が決まりました。

 

私は再度新しい里親さんのお宅を訪ね、カンナちゃんの譲渡に関する書類をやり取りしました。

 

その際には病院の治療歴や投薬歴が分かるように、診療明細や処方箋もお渡ししました。

 

その一方で私を見たカンナちゃんは、どういうわけだかベッドの下に隠れてしまったのです。

 

まさか私のことを忘れてはいないと思いますが、なかなか触らせてくれません。

 

新しい里親さんに思い切り可愛がられているところへ私が突然来たので、家へ連れて帰られると思ったのでしょう。

 

私の家では先住猫が2匹いるので愛情は3等分ですが、新しい里親さんの家ならカンナちゃんだけを可愛がってもらえて居心地が良いのだと思います。

 

そんなカンナちゃんを見て少し呆れるやら寂しいやら、という気持ちでしたが、新しい里親さんがしっかりカンナちゃんを可愛がってくれているのが分かって安心しました。

 

その後のカンナちゃんですが、新しい里親さんの家でも元気いっぱいで、立派な大人の女性に育ちました。

 

たまに写真を送ってきてくれるのですが、ふっくらとした美人で保護当時のガリガリの姿が想像できないほどです。

 

今ではカンナちゃんのために設計した家へ引っ越して、家族と幸せに暮らしているそうです。

 

瀕死状態のところを保護したカンナちゃんですが、いろいろな経緯を経て幸せな家猫となりました。

 

カンナちゃんの保護は私にとって初めての体験が多く、学ぶこともたくさんありました。

 

このことはこてつの保護に通じる部分があり、カンナちゃんを保護した経験が活きているとも言えるでしょう。

 

これからも病気やケガの猫を保護する活動を続けるためにも、ご支援をお願い致します。

 

★この話を最初から読む⇒瀕死の子猫を保護した話（その1）